2024年2月8日

世界を変える一歩を踏み出す!
NTT Comの若手社員が世界最大級のグローバルサミット「One Young World」で得たこと

One Young World(以下、OYW)は、次世代リーダーの育成とグローバル交流を目的とした世界最大級のグローバルプラットフォームです。毎年開催されるOYWサミットには、190カ国を超える国々から2000人以上の若者たち(18~32歳)が集まり、世界が直面している社会課題を解決するための行動について議論を行います。

2023年10月のベルファスト(イギリス・北アイルランド)にて開催されたサミットへ、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)グループから4人の社員を派遣しました。ベルファストの地でどんな出会いや学びがあったのか、サミット参加者の生の声をお届けします。

ベルファストへの派遣メンバー。左から山田 実乃梨さん、船越 吉子さん、大穂 莉子さん、北嶋 正明さん

それぞれテーマを持ってベルファストへ!
NTT Comグループから若手社員4人を派遣

イベント概要

One Young World 2023 Belfast Summit

開催期間:2023年10月2日~10月5日

開催場所:ベルファスト(イギリス・北アイルランド)

テーマ:the Food Crisis/Education/Climate Emergency/Mental Health

派遣メンバー

大穂 莉子

大穂 莉子(Riko Oho):NTT Com ソリューション&マーケティング本部 九州支社

2022年入社、九州支社で法人営業を担当。OYWサミット参加テーマは「日本のグローバル化の促進、教育機会の拡充」。高校3年で参加したグローバルサミットで、海外の学生との交流を通じて自分の思う当たり前は世界の当たり前ではないと気付き視野が広がった。そのような自身の経験から、グローバルな視点で物事を考えるきっかけを日本の学生たちに向けて創出したいと思うように。

北嶋 正明

北嶋 正明(Masaaki Kitajima):NTT Com プラットフォームサービス本部 マネージド&セキュリティサービス部

2022年度入社。普段の業務ではWebサイトのUI/UXの開発を担当しており、インドメンバーとのオフショア開発も進めている。大阪・関西万博のアンバサダーとして、NTTグループ横断の子どもプロジェクトにも参画している。OYWサミット参加テーマは「不登校の教育支援Ed-Techサービスの創出」で、サミットを通じて、サービス創出のヒントやロールモデルを見つけたいと思い参加。

船越 吉子

船越 吉子(Kikko Funakoshi):NTTコム エンジニアリング サービスネットワーク部

2021年入社。インドメンバーとのUNO2.0の国際通信の構築プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアを担当。OYWサミット参加テーマは「メンタルヘルス」と「OYWの魅力発信」。OYWに出会ったことで、自身のメンタルヘルスが向上された。また、OYWが日本人のグローバル意識や社会課題の当事者意識向上につながる取り組みだと実感したので、この魅力を多くの人に伝えたいと思っている。

山田 実乃梨

山田 実乃梨(Minori Yamada):NTT Com ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部

2022年入社。小売業界のお客さまを担当。OYWサミット参加テーマは「食のサーキュラーエコノミーの実現」。サミットを通じて、世界の人が食品ロスに対してどんな考えを持ち、どのような取り組みをしているのかを意見交換して、自分のアイデア実現に生かしたいと思い参加。

※社員の所属部署などの情報は2023年12月時点のものになります。

寝る暇がない!? 各種イベント、交流の機会が詰まったサミットスケジュール

全体スケジュール

10月2日 Opening Ceremony

10月3日~4日 Sessionなど

10月5日 Sessionなど、Closing Ceremony

10月2日のオープニングセレモニーの後、10月3日~5日の3日間で各テーマに沿った有識者からの講演やワークショップが開催される。18時以降もネットワーキングイベントがあり、さまざまな交流の機会がある

サミット会場の様子

エンターテインメントショーのようなセレモニー

サミット期間中は町じゅうがOYWの雰囲気に包まれる

参加者インタビュー:大穂 莉子さん
OYWは若者が夢を叶えるためのサードプレイス!

大穂さんの4日間のハイライト

会話のきっかけづくりとしてインタビューを実施!

――大穂さんのサミット期間のハイライトを見て、Day3の英語で伝えられない「もどかしさ」「葛藤」というキーワードが気になりました。どんな思いだったのか、その後どうしたのか、教えてください。

サミット期間中は参加者同士が自由に会話できる場がありました。みんなの会話にどうやって入っていこうか、自分の意見として何を話したらよいのか、英語でうまく伝えられない状態で、もどかしさを感じました。悩みながらも3日目ぐらいからは、自分にできることは何だろうと考えるようになっていました。4日目に「夢と平和」とテーマを決めて、出会う人にとにかくインタビューをすることを思いつき、実際にやってみました。最終的に30人くらいにインタビューをしたのですが、その中で自分のテーマでもある教育関連のディスカッションをすることができましたし、テーマに共感し、応援し合える仲間にも出会うことができました。

――サミットで一番得たことを教えてください。

OYWは学校や会社、家でもない、若者が夢を叶えるためのサードプレイスです。仲間を見つけて、ネクストアクションが学べて、次への原動力がもらえる場所でした。現地では、OYWファミリーとしての仲間意識があって、初めまして同士でも目が合ったら握手して、自然とディスカッションが始まります。国、言語、世代、肩書も全く関係なく、エグゼクティブや著名なアクティビストにも直接質問ができて、アドバイスを頂けたのが一番の収穫でした。世界中の仲間とのつながりを得たことで、私自身でも世界を変える一歩を踏み出せるのではないかという感覚になりました。

4日間での交流 75人+ 37か国+

インタビューをきっかけに、多くの交流が生まれた

今後の活動として「Global Academy」について

――サミット参加後にどんなことをやりたいですか?

サミット参加前から世界に目を向け・考えるきっかけをつくりたいというテーマを持ち、教育に対して課題意識は持っていましたが、行動には移せていませんでした。サミットに参加して「私ができることを全部やっていこう!」というネクストアクションに進むことができたのが大きな変化だと思っています。対社外としては、学生向けグローバルリーダーシップのスプリングキャンプの運営に関わること、対社内として、「Global Academy」を企画・運営して、OYWで得た学びを伝えていきたいです。

――「Global Academy」とは、どんな活動なのですか?

私がグローバルキャリアを目指す中で、どうしたらグローバルの仕事ができるのか、そもそも社内にどんなグローバルな仕事があるのか分からない状態でした。そこで、まずは情報収集や情報交換ができる社内コミュニティをつくろうと思い、NTTドコモのSlackグループをつくったことがきっかけとなって始まった活動が「Global Academy」です。Slackではグローバルキャリアに関する社内外の情報の投稿があり、発信した担当者と会話が始まるきっかけになっています。今回のサミットでお会いした、One Young World 2023日本代表/アンバサダーの鈴木芹奈さんをゲストにお招きし、2023年11月28日に、記念すべき第1回の講演会も実施しました。

――鈴木さんの講演会はどんな会になりましたか?

海外に興味を持っている人やかつて興味を持っていた人が参加してくれたのですが、とても盛況でした。鈴木さんは、MBAを取得して香港で働いている、ずっと挑戦し続けている方です。講演会の参加者からは、「海外で頑張っている人の話を聞いて、自分も頑張りたいと思った」「今の業務が忙しくて目を向けられなかったけれど、海外で頑張ろうと思っていたことを思い出した」という感想を頂きました。鈴木さんからは、輝かしいキャリアのキラキラとしたお話だけではなく、つらいこと、できないこと、時には休むことがあるという正直ベースのお話が伺えたことも良かったと思います。「Global Academy」では、OYWで出会ったすてきな人たちのことをもっと共有して、グローバルで何かやりたい人が一歩踏み出すきっかけづくりをしていきたいです。

参加者インタビュー:船越 吉子さん
理想の自分と仲間を得たことが一番の収穫!

サミットのハイライト

船越さんの4日間のハイライト

意見を受け入れてくれる仲間がいるから、ありのままの自分を伝えられる

――船越さんのサミット期間中のハイライトを見たら、初日に「英語の力不足を痛感」とあったのですが、どんなことからそう思ったのでしょうか?

OYWの派遣メンバーに選出されてベルファストに到着した時、当然ながらワクワク感や普段味わえないような高揚感がありました。OYWでは失敗できないぞ、カッコイイ自分でいなきゃ、などと思っていたところがあったのですが、すぐに自分の英語の力不足を痛感しました。また、世界の若者たちは本当に進んでいる人が多く、自分がリーダーとなって旗を振っている人たちがたくさんいると感じました。自分は彼らほどの人間ではないと弱気になり、気持ちが打ちのめされてしまいました。

――それはつらかったですね。サミット後半では、さまざまな人とのつながりができたり、ロールモデルと出会えたり、苦しかった状態を少し抜け出せたように見えますが、何かきっかけがあったのでしょうか?

3日目に私のテーマである「メンタルヘルス」をテーマにしたワークショップに参加しました。ワークショップではシミュレーションゲームを通じて、「人に言いづらい」という状態を変えることについてディスカッションしました。

3人一組で会話したのですが、自分の意見をうまく伝えられず、固まってしまう場面がありました。そんな私に「本当に言いたいことを書いてみて」と周りの人が声を掛けてくれ、私がメモ帳に書いて見せると、「あー、そういうことね!」と分かってくれました。うまく伝えられなかったことが申し訳なく謝ると、「全然、大丈夫!」「伝えてくえて、ありがとう!」と言ってくれたのです。自分の意見に価値が「ある」とか「ない」とかではなくて、ここでは自分の意見を聞いてくれて受け入れてくれる人たちがいるので、自分の意見を持ち、それを発信することが大事なのだなと気付きました。なんかすごいことを言おうと気張らずに、ありのままの自分でいいのだと思いました。そこからは「失敗しちゃいけない」「かっこよくなきゃいけない」ということから解放され、今思っていることを素直に伝えることができるようになったと思います。

――サミットで一番得たことを教えてください。

理想の自分と仲間を得たことが一番の収穫です。サミットに参加したことで、「グローバルでどのような人生を歩んでいきたいか」が明確に見えたことで理想の自分を得ることができたと思います。またサミット会場で「NTTが変われば、日本が変わる。日本が変われば世界が変わる」という思いを拙い英語で伝えてみたところ、参加者の皆さんが共感してくれ、応援してくれました。「大企業が変われば日本が変わる。日本が変われば世界が変わる」と同じように考えている仲間がたくさんいたのです。今後のアクションを一緒に議論し取り組める仲間を、企業や国を越えてつくることができたことが一番の収穫だと思います。

気づき

ワークショップでのやりとりがコミュニケーションのきっかけに

自分との目線の違い、社会課題に対して当事者意識を持つには?

――OYWサミットに参加してみて、日本と世界の違いなど、何か気付いたことはありましたか?

OYWサミットに参加してみると、23~25歳でも、リーダーとして先頭に立って闘っている人たちがいました。私は入社3年目で、研修期間として守られている環境にいるので、会社に甘えていたところがあったのではないかとハッとさせられました。

メンタルヘルスのワークショップに参加した時も、私と世界の人たちと、見ている視点が違いました。私は着目した課題から「これが社会課題なんだ」とようやく気付いたフェーズだったのですが、彼らは「会社としてどう取り組むか」「会社として取り組むことで社会にどんな効果をもたらすか」「自分は何をするか」など、もっと先を見ているなと思いました。

――ご自身と他の国からの参加者で目線の違いなどを感じたのですね。その差を埋めていくことについてはどう考えていますか?

OYWサミットの参加者は、国や社会の問題を自分事として捉えて話している人が多いという印象でした。どうしたら国や社会の問題に当事者意識を持てるようになるかと考え、「リベラルアーツの会」をやりたいなと思いました。もし自分が学生時代からグローバルな広い視点が持てていたら、もっと社会課題について考えて行動していたと思うのです。まずは社会のニュースを気軽に議論できるような場をつくっていきたいと思います。

参加者インタビュー:北嶋 正明さん
「教育サービスを創出したい!」という思いを強くしたサミット

ハイライト、関心テーマをメインにプレゼント・ワークショップ・ネットワーキングに注力

北嶋さんの4日間のハイライト

OYWでは「教育」に関する情報を徹底的にリサーチ

――OYWでは北嶋さんが興味を持っている教育分野を中心に情報収集されたとのことですが、どんな出会いがありましたか?

自身のビジョンである「不登校の教育支援のEd-Techサービスの創出」に関係する仕事をしている人に出会うことができました。

一人はテレビ局で教育関係の番組の取材や、作家として不登校向けの本も書いている方でした。その方から聞いたことは「不登校」といっても不登校となる原因や心理状況は人によって違うので、スコープとして「どんな不登校」なのか特定する必要があるということでした。不登校となるボトルネックが特定されないと、課題解決の方法も特定できないと気付きました。

もう一人はフィリピンでEd-Tech事業のコンサルをされている方で、学びの支援だけでは他のサービスとの差別化ができないという点や、教育支援サービスの導入にはエンドユーザーにとっての使いやすさと教員や親にとっての導入メリットの両面を意識する必要があるということを話してくれました。これはサービスの価値を生み出すための視点として重要だなと思いました。

――実際にEd-Techサービスに関わる方の話は具体的で良いですね。北嶋さんが着目する「不登校」は日本特有の課題だとおっしゃっていましたが、海外の教育事情なども情報収集できたのでしょうか?

はい、海外の教育事情についても面白い事例を聞くことができました。イギリスから参加した方から聞いたのですが、イギリスには「サマーヒル・スクール」という、生徒自身で学校内の規定をつくる子どもたち主体の学校があるそうです。定められたルールに則れば国から予算が出て、独自の学校をつくっていけるというのは面白いと思いました。

またデンマークでは、体験学習を重視した学校があって、午前中は座学、午後は午前に学んだことをアウトプットするために、自分が気になる業界の職場体験的なことをやるという授業が定期的にあるそうです。どこでも国の方針が学校に反映されているのですが、画一的な教育ではなく、多様な教育スタイルが認められていると、子どもたちの選択肢も可能性も広がって良いなと思いました。

――サミットで一番得たことを教えてください。

一番得たことは、自身のテーマ「不登校の教育支援Ed-Techサービスの創出」について、再定義ができたことです。

自分が掲げたテーマ設定は対象者やサービスの内容が明確になっていなかったと気付いたので、対象者は誰なのか? どのような教育支援を行うサービスなのか? など、アイデアを具体化し、再度ブラッシュアップしていきたいです。

北嶋さんが参加した教育をテーマとしたワークショップ

めざすは自由度があり、学び続けられる教育プラットフォーム

――北嶋さんの考える「教育支援」はどのようなイメージですか?

中学校だったら定期試験や受験があり、それに向けて勉強することができますが、不登校だと自分がいつ社会に復帰できるか分からないから先が見えません。そんな状態では目標など立てられないし、勉強も進みません。だからこそ、学習計画支援の仕組みが必要だと思いました。

また、科目ごとの評価だけではなく、人間の持つ能力値のようなものも評価できたらいいなと思います。不登校を支援するNPOのインターンで関わった子どもは、勉強は苦手なのですが、言葉を使うことがすごく上手で、特に形容詞をとてもうまく使うんです。それを伝えたら、その子の表情がぱっと明るくなって、「僕は小説が好きで、言葉に興味があるんだ!」と話してくれました。言語能力は仕事でもとても大事ですので、そういう部分も大事にする教育支援が必要だと思います。

――やりたいことが具体的になってきましたね。今後はどんなことをやりたいですか?

OYWから帰ってきてから、気付いたことをメモしたり、情報を整理したのですが、いろいろと考えすぎて堂々巡りしてしまっているところもあります。課題の具体化や深掘りはもっとやっていきたいと思います。

キャリアについては、NTT Comの「まなびポケット」のような教育プラットフォームの企画や創出に関わりたいと改めて思いました。プラットフォームの重要性を感じています。学校教育に限らず、子どもたちが教育を受けられる環境に自由に出入りできて、学び続けられる空間が必要だと思います。今の専門領域のUI/UXの知識も生かしたいですし、不登校の子に向けたサービス創出もしたいと一層強く思うようになりました。

今後に向けて

若手社員それぞれが現地でしか感じ得ない貴重な体験を通じて気付いたこと、学んだこと、今後に向けて決意したことを共有してくれました。これらOYWベルファストサミットで得たことをヒントに、OYWサミット派遣からNTT Comグループ(NTTドコモグループ)としての社会課題解決事業の推進や、グローバル人材育成、そして事業創出などの施策につなげていくような取り組みにしていきたいと思います。

■参考スケジュール

2024年5月24日~25日 One Young World Japan Caucus @shibuya(分科会)

2024年9月18日~21日 One Young World 2024 Montréal Summit(世界大会)

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズイノベーションセンター プロデュース部門

斉藤 久美子

NTTドコモグループ新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」、オープンイノベーションプログラム「ExTorch(エクストーチ)」などの事業創出をミッションとした施策の事務局を担当しています。社員のチャレンジを社内外に発信します!

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