2021年01月27日

電話応対コンクールが意識を変えた!
NTTコム エンジニアリングから地区優勝者、全国大会出場者輩出の快挙

NTTコム エンジニアリング(以下、NTTコムエンジ)は、2009年より、日本電信電話ユーザ協会主催の「電話応対コンクール」に毎年出場しています。「コンクールに出てみたい!」という一人の新入社員の声から始まり、今では1年に一度、自らの力を試せる場・目標として社内に浸透。今年は初の全国大会出場者を輩出するなど、華々しい成績を収めました。

今回は、コンクールで好成績を残した谷口 勉さん、羽矢圭佑さん、指導やサポートで活躍した石丸由美子さん、嶋崎重男さんに、応対スキル向上のための取り組みや、大会を終えての感想、そして電話応対だけに留まらない、コミュニケーションの秘訣をインタビューしました。

左からTOC応対研修事務局の岩波雅彦さん、羽矢さん、谷口さん、嶋崎さん、石丸さん

コンクール参加で社内の意識改革を推進、役職者も猛練習

電話応対コンクールは、その名の通り電話応対サービスの技能を競うコンクール。1962年から続いている歴史と権威ある大会で、近年では全国から毎年1万人前後が参加しています。地区予選、都道府県大会、全国大会と勝ち上がっていくことから「電話応対の甲子園」とも呼ばれ、メディアで取り上げられる機会も多い大会です。例年はコンサートホールなどに集合しての競技会が開かれますが、今年は新型コロナウイルス感染防止の観点から、選手が職場からリモートで参加する大会形式となりました。
NTTコムエンジが初めてコンクールに参加したころから現場を見続けてきた石丸さんは、振り返って次のように話します。

「ネットワークの保守運用部門が受ける電話は、ほとんどが不具合や故障の相談です。以前は、電電公社時代の「お役所」的な対応が少なからず残っていたように思います。そんな状況が、電話応対コンクールと、初参加の前年に始まった応対研修によって、変わりました」(石丸さん)

練習風景(羽矢さん)

練習風景(羽矢さん)

コンクール参加を重ねるうちに、当初は反発していた技術者も理解を示すようになりました。応対スキルが向上し、短く的確な案内ができるようになると、次のお客さまの待ち時間が減るなど目に見えて好影響があることが分かってきたからです。実際の応対においても、それまでは聞かれなかった「恐れ入りますが」「お手数をお掛けしますが」といった“クッション言葉”を口にする人が増えました。コンクールに対しても積極ムードが広がり、初年度4~5人だった参加者も年々増え、5年目からは絞り込むための社内予選を行うまでになりました。

さらに、2019年度は東京オペレーションセンター(以下、TOC)の小林年晴センター長を筆頭に、管理職もコンクールに挑戦しました。小林センター長は、懸命な練習の末に社内予選を通過して地区大会に出場。オペレータの意欲増進に一役買いました。今年度はその小林センター長が「今回はぜひみんなで挑戦しよう」と呼び掛け、過去最多となる235人が社内予選に参加。65人が千代田地区大会に出場しました。

東京都大会に進んだ5人(左から沢田俊太郎さん、羽矢さん、谷口さん、神津昇平さん、縄手昭俊さん)

東京都大会に進んだ5人(左から沢田俊太郎さん、羽矢さん、谷口さん、神津昇平さん、縄手昭俊さん)

地区大会では、老舗ホテルや証券会社のコールセンターなどから出場した強豪たちを抑え、羽矢さんが最優秀賞に輝く快挙を達成。さらに、優秀賞4人、優良賞4人、奨励賞2人と、入賞者を大量に輩出しました(忙しい合間を縫って練習した登田浩介担当課長も優良賞を受賞)。東京都大会へは5人が進出し、その中で谷口さんが全国大会出場を果たしました。NTTコムエンジからの全国大会出場は今回が初めてでした。


応対品質向上だけでなく、企業アピールにもなる

初参加から11年。今ではコンクールが応対スキルアップに欠かせないものとなり、教育体制も充実してきています。現在は指導・サポート役に徹している石丸さんに、練習の内容やNTTコムエンジがコンクールに出ることの意義について語っていただきました。

練習風景(羽矢さん)

練習風景(羽矢さん)

「コンクールに向けて、担当ごとにボイストレーニングや問題の読み込み、スクリプト作り、演習(シミュレーション)などに取り組んでいます。社内予選の上位者は社外講師による研修にも参加できるようにしました。

今年度でいえば、私の所属するサービスフロントは社内予選参加者が68人いたので、練習のための会議室確保や、全員の社内予選用音源の録音が大変でした。ですが、コロナ禍で途中からリモート体制となり、会議室を取り合うこともなくなって、結果的には例年以上の練習時間を確保できました。

電話応対コンクールに出るようになって、応対の質は全体的に向上していると思います。NTTコムエンジでは応対ログの年次評価を外部に委託していますが、その評点が年々上がってきています。また、最近は故障対応を報告すると、お客さまから『ありがとう』と言っていただくことが多くなりました。故障対応でお礼を言われることは、従来あまりなかったことです。コンクールの成績と実際の応対もやはり相関があって、例えば、社内予選上位者が、お客さまから『一番いい人に電話に出てもらった』とお誉めの言葉を頂戴しました。

また、電話応対コンクールはメディアで紹介されることも多いので、コンクール参加はお客さまへの応対を大切にしている企業であることを対外的にアピールすることにもつながります」(石丸さん)

同じくサポートに回った嶋崎さんに、応対の質を高める取り組みの全体像と、応対のコツを聞きました。

嶋崎さん

嶋崎さん

「TOCでは、(1)新人社員向け研修、(2)中堅社員向け研修、(3)電話応対音声ログ評価およびフィードバック、(4)電話応対コンクールへの参加、という4つの応対スキル向上策を取っています。新人研修は、TOCの各チーム着任前に、基本的な電話応対を学んでもらうものです。一方、中堅社員向け研修では、傾聴など会話の技術の習熟に加え、誤った敬語や『よろしかったでしょうか』などの“ファミコン言葉”を正しい日本語に改めることを行います。自己流の応対が定着しがちなタイミングでの実施は、効果が大きいと考えています。

細かなテクニックもたくさんあります。例えば、『~できません』と伝えたいときに、『~できかねます』と言う。否定の助動詞を避けると、意味は同じでも印象が変わります。ただ、電話応対ではテクニック以前に、お客さまに寄り添う意識が最も大切だと思います。笑顔のときに出るような明るい声『笑声(えごえ)』が基本ではありますが、お客さまの状況が深刻なときにはトーンを落とすなど、相手の気持ちを想像して合わせることが重要です」(嶋崎さん)

コンクール挑戦をさらなる成長の足掛かりに

コンクールに出場された谷口さん、羽矢さんのお二人には、会話で心掛けていることや、大会を終えての思いを伺いました。NTTコムエンジ初の全国大会出場を成し遂げた谷口さんは次のように語ります。

谷口さん

谷口さん

「普段は電話応対ではなく、パケットサービスの故障受付窓口のオペレーション支援をしています。今回あえてコンクールに出場したのは、小林センター長や登田担当課長のチャレンジする姿勢に感銘を受けたからです。

部署の歴史が浅いパケット担当から、私を含め4人が通過できたのはありがたかったですが、ノウハウがなく、どう準備すればいいのか分かりませんでした。そこを他部署の皆さんに助けていただきました。ボイスフロントの浅井彩子さん、スーパーフロントの石丸さん、嶋崎さん、平野裕久さんが特訓してくださり、全国大会でも落ち着いて実力を発揮できました。

電話応対で大切にしてきたのは“聴く”ことです。お客さまに正確なご案内をするには、まず、お客さまのご要望を正確に理解する必要があるからです。そのために、応対中の話し方では柔らかいトーンを心掛けます。システム担当の方などサービスや技術に明るいお客さまの場合、つい事務的な話し方をしてしまいがちです。そうならないように、トーンの調節やクッション言葉といった基本を大事にしています。

今回、コンクール出場を通じて、本当に多くのことに気付かされました。全国大会出場が決まったとき、荒本和彦前社長をはじめ、NTT Comグループのたくさんの方々から応援のメッセージを頂き、横のつながり、連帯感というものを強く感じました。

また、全国大会前の特別研修で、講師の方に『あなたのハスキーな声は電話応対に向いてはいない。けれど、誠実にお客さまに寄り添う態度と組み合わさると、印象がとても良くなる。その声質が逆に武器になる』と言っていただきました。弱点だと思っていた部分を自分の心掛けや努力次第で強みに変えられるのだと気付かされました」(谷口さん)

次に、地区大会で最優秀賞を受賞した羽矢さんに聞きました。

谷口さん

羽矢さん

「担当業務は、法人向け回線サービスの故障受付窓口です。普段の電話応対で大切にしているのは、声に気持ちを乗せることです。回答内容は決まっていて、この時点ではここまでしか伝えられないという状況もありますが、そういうときに『引き続きご不便をお掛けしますが』など一言添えて、声のトーンで申し訳ない気持ちを表します。

コンクールには4年続けて出場しています。実はこの仕事を始めた当初、電話応対が苦手で、厳しいお客さまとの電話を終えた後に職場で泣いてしまったこともあります。だからこそ、成長したくてコンクールに出ています。

コンクールに向けた練習も不安がなくなるまで繰り返してきました。特に、石丸さんや嶋崎さん、平野さんには何度も練習にお付き合いいただきました。また今回は社内の参加者が過去最多ということで、同じ班にも出場者がいたことが心強かったです。練習に使うスクリプト作りなどに関して、意見や情報を交換することで励みになりましたし、学校の部活のようで楽しかったです。地区大会優勝は思ってもみないことで、うれしかったですね。

コンクールでは他の人の応対も見られるので、良い刺激を受けます。終えた後、知ってはいても使えていなかった言葉が、すっと出てくるようになるんです。東京都大会で印象に残っているのは、谷口さんの応対です。わたしは先読みに必死でしたが、谷口さんはお客さまの言葉に『わたしもそう思います』と一言入れて受け止めていて、 “聴く力”を感じました。今後も、さらなる向上を目指して、コンクールに挑みたいと思っています」(羽矢さん)

日常業務にも役立つTOC独自の応対研修 外部提供も視野に

最後に、4人の皆さんから、NTT Comグループの皆さんへメッセージをもらいました。

「今回の電話応対コンクール全国大会は、『聴く力と察する力で通じ合える説明を』がテーマ。商品について誤解をされているお客さまに正しい情報を伝えるという課題も出ました。これは電話応対に限らず、どの仕事でも、社員同士のコミュニケーションであっても遭遇する場面ではないでしょうか。

コンクールやTOCの応対研修で学べるのは、話し方だけでなく、日常の業務に役立つことがたくさんあります。相手の気持ちを思い、どのように伝えたら自分の主張を気分良く受け入れてもらえるのか、その方法を考える力も同時に養われます。また、スクリプト作りでは話し言葉と書き言葉の違いを意識するので、逆に書き言葉はどうあるべきなのか考える機会にもなり、メールやチャットなど文字ベースのコミュニケーション力も改善されます。

電話応対コンクールは“コールセンターの大会”ではありません。神社の職員の方が全国優勝された年もあります。どの部からでも参加できますので、皆さんもぜひ挑戦されてはいかがでしょうか。今後はTOCの研修コンテンツを、NTT Comグループをはじめ、外部のお客さまへもご提供したいと考えておりますので、ご興味を持っていただけましたら幸いです」

社員メッセンジャー

NTTコム エンジニアリング東京オペレーションセンター

花村 賢一

法人のお客さま向けの保守運用オペレーションに関する、DX推進やプロセス改革を担当しています。 NTTコム エンジニアリング 東京オペレーションセンターにおける、DXを活用したBCPの取り組みをお届けします!

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