特集
事業共創プログラム
OPEN HUB for Smart Worldでひらく
サステナブルな未来
2021年10月、NTTコミュニケーションズはSmart World の実現を加速するための事業共創プログラム「OPEN HUB for Smart World」を立ち上げました。社会が抱える多様な課題を起点にOPEN HUB が提供する「人」「技」「場」を活用しながら、お客さまやパートナーとともに新たな事業コンセプトを共創し、社会実装を目指す取り組みを特集します。
それは「コンセプトと社会実装」の実験場
NTTコミュニケーションズは、お客さまやパートナーとの共創を軸にした事業ビジョン「Re-connect X」のもと、移動固定融合サービスやICTソリューションの提供を通じて社会課題の解決に取り組んでいます。めまぐるしい変化の時代において複雑化する課題に対応するには、一社だけでの取り組みでは限界があります。OPEN HUB for Smart World(以下、OPEN HUB)は共創を加速し、多様な文化とアイデアを融合するための「コンセプトと社会実装」の実験場として誕生しました。
OPEN HUB を舞台に新たなコンセプトを打ち立て、ビジネスへと昇華させる PLAYER(プレーヤー)は、お客さまやパートナーの皆さま、そして400人以上(2022年12 月現在)におよぶカタリストで構成されます。カタリストとは各分野に精通した社内外の専門家を指し、企業の皆さまと共に互いの技術や知見を掛け合わせることで、新たなビジネスの創出と社会への実装を目指します。OPEN HUB を動かす仕掛けは、大きく分けて4つあります。「OPEN HUB Base」はビジネス共創を目指すプレーヤーが集うコミュニティーであり、「OPEN HUB Journal」を通じて最新の共創の成果やアイデアなどが発信されます。
「OPEN HUB Park」は本社29階に開設された最先端技術を備えたワークプレイスであり、NTT グループの各種イノベーション拠点とも連携する「OPEN HUB」の中心的な活動拠点です。ここで生まれたビジネスプロジェクトは独自の共創プログラム「OPEN HUB Play」に則って開発が進められ、最終的な社会実装を目指す流れとなります。
すでにOPEN HUB を起点としたプロジェクトはいくつも動き出し、社会実装されたソリューションも存在しています。カタリスト増員に向けた取り組みも継続的に行われ、リアルとバーチャル、さまざまな企業の垣根を超えた共創はますます加速していきます。
OPEN HUB for Smart World における“共創の流れ”
社会課題を起点に多種多彩なプレーヤーが共創し、新たなビジネスコンセプトの創出とその社会実装を目指します。
AIによるプラント運転技能の伝承支援を実現
NTTコミュニケーションズのAI技術と横河ソリューションサービスのプラント制御に関する知見を融合した「AIプラント運転支援ソリューション」は、近年、化学プラントの現場で顕在化している技能伝承の課題解決に挑む現在進行形のプロジェクトです。既存の自動制御技術では対応できない熟練運転員による複雑な手動操作のノウハウをAIモデルに適用する手法は、“企業と企業”、“人とAI”の共創によって生み出された画期的なソリューションであり、まだ見ぬ共創に可能性を見い出すOPEN HUBの共創プログラムが目指す方向性にも通じています。
第35回 日経ニューオフィス賞を受賞
2022年8月、「OPEN HUB for Smart World」が、日本経済新聞および一般社団法人ニューオフィス推進協会(NOPA)が主催する第35回日経ニューオフィス賞において「ニューオフィス推進賞<クリエイティブ・オフィス賞>」を受賞しました。
近年、情報通信技術の進展や働き方の多様化などの構造変化により、新たな価値を生み出すフィールドとしてのオフィスの重要性が高まっている中、「OPEN HUB for Smart World」の活動拠点である「OPEN HUB Park」が、リアルとバーチャルを超える最先端技術を備えるとともに、パートナー企業とのリアル/リモート/バーチャルによるコラボレーションを実現する新たなワークプレイスとして設計された点が高く評価されました。
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OPEN HUB 代表
戸松 正剛 -
想いをつなぎ、価値を生み出す結節点となる
OPEN HUB for Smart World は、NTTコミュニケーションズがICTソリューションの提供を通じて社会課題の解決を試みるうえで、広く社内外から有志が集う“開かれたハブ(結節点)”になることを目指して立ち上げられました。昨今、あらゆる企業が事業を通じた社会課題の解決を謳っていますが、一企業が単独で解決できることはそれほど残ってはおらず、今こそ個々の企業の枠を超えた連携が必要です。コロナ禍以降、弊社も強く推進してきたリモートワークは遠く離れた場所と場所をつなげ、多様な働き方を実現する一方で、社会課題解決に向けたクリエイティビティという観点においては、個々の分断を招く方向に働いた側面があると感じます。リアルとバーチャルにまたがるOPEN HUB の発想の原点には、この二律背反的な矛盾を解消するために、通信インフラを担う我々こそが思いを一つにできる結節点となる場を提供すべきではないか、という使命感がありました。
OPEN HUB は意図的、戦略的に作り出されたカオス(混沌)の場であり、結末の知れない舞台演劇のようなものと捉えています。カタリストを中心とした個性あふれるプレーヤー(役者)たちは、BASEというコミュニティーの混沌の中でひらめきを見出し、PARKという舞台において共鳴、共創することで新たな価値の創造を目指します。JOURNALは共創のプロセスを見せるビルボードに例えることができますが、シナリオは永遠に未完成のまま、結末は役者たちの演技次第というわけです。またOPEN HUB における混沌は、組み合わせの妙を生み出すための舞台装置です。そこで起こった化学反応が連鎖することで、次のひらめきを生む、そんな流れを思い描きました。さらにはOPEN HUB を通じた人と人との出会いがそれぞれの人的成長を促し、NTTコミュニケーションズの企業としての成長や発信力の強化につながる好循環を生み出すことに期待しています。