2016年11月18日
竹中工務店で活用されるCADデータなどをNTT Comが提供するクラウド基盤上で一元管理へ
〜建設現場のデータ利用がよりスムーズに、BCP強化も〜
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下:NTT Com)は、株式会社竹中工務店(以下:竹中工務店)の本店・支店、全国の建設現場でCADデータなどを共有・管理するための新たなファイルサーバー環境を2016年5月にクラウド基盤上に構築し、来年度にかけて全国の建設現場へ展開していきます。
これにより、従来の建設現場ごとにファイルサーバーを設置する方法に比べ、建設現場からだけではなく他の拠点やタブレットなどからのCADデータなどを閲覧・操作する効率が大幅に向上し、関係者間でのタイムリーな合意形成を実現します。またバックアップ用のクラウド基盤を用意することでBCP強化を実現しました。
1.背景・クラウド基盤の概要
竹中工務店は、これまで大容量CADデータなどを扱うにあたり、アクセス遅延による業務効率低下を避けるため、建設現場ごとにファイルサーバーを設置していました。
今回、NTT Comは、ファイルサーバー環境として、クラウドサービス「Enterprise Cloud」、データセンタサービス「Nexcenter」、ネットワークサービス「Arcstar Universal One」「OCN」、WAN高速化ソリューションなどを組み合わせた竹中工務店向けのクラウド基盤を構築するとともに、サービス運用管理を一元的に提供します。(図①参照)
これにより、全国各地で稼働する建設現場からも、竹中工務店の本店や支店、そして外出先などからも、図面・工程表・CADデータなどの各種資料を必要に応じてスムーズに閲覧・作業することが可能となります。あわせてハード障害や災害などに備えて冗長化されたクラウド基盤を提供することで、安全・確実なデータ保全と業務継続を確保します。
(図①)「クラウド型ファイルサーバー」利用イメージ
2.「クラウド型ファイルサーバー」の特長
<1>柔軟なシステム環境で管理稼働を削減
NTT Comがネットワークからクラウドサービスまで一元的に提供することで、各建設現場・本支店・関連会社の様々な要件に応じた柔軟なサービスを実現します。またサービス全体の保守運用を担うことで、日々のシステム保守運用に関する竹中工務店の負担軽減に寄与しています。
<2>障害や災害などに備えたBCP対策に貢献
これまでは建設現場ごとにファイルサーバーが個別設置されており、機器障害時はバックアップサーバーからのデータ復旧に時間を要していましたが、冗長化されたクラウド基盤を提供することで、障害が発生しても利用者へ影響を与えずに継続利用をしながら復旧が可能となります。あわせて、遠隔地のBCPサイトにデータを保持しているため、大規模災害発生時でも安全・確実なデータ保全と業務継続を確保します。
<3>複数の企業が協業する建設現場ならではの複雑なセキュリティ管理を解決
セキュアなソフトウェア型VPN※1を活用することで、様々な企業が協業する建設現場においても、ファイルのアクセス管理などのセキュリティ対策を実現しています。
<4>WAN高速化ソリューションにより大容量CADデータのスムーズな作業が可能に
ソフトウェア型のWAN高速化ソリューション※2を活用することで、全国の建設現場からのインターネット経由での資料閲覧・操作が高速化され、関係者間でタイムリーな合意形成を実現します。
<5>グローバル展開にも柔軟に対応
3.今後の展開
今後は、建設現場での「クラウド型ファイルサーバー」への適用実績を踏まえ、本店や支店で共有されている各種資料もクラウド化するとともに、国内外のグループ会社へ順次展開することで、竹中工務店のより緊密な情報共有とグループ全体のICT基盤の最適化に貢献していきます。
※1)ソフトウェア型VPN:遠隔地のクライアントPCにVPNソフトウェアをインストールし、社内のサーバーやLANに接続が可能になる技術。
※2)ソフトウェア型のWAN高速化ソリューション:遠隔地のクライアントPCにWAN高速化ソフトウェアをインストールし、社内のサーバーやLANの接続が高速化される技術。
本件に関するお問い合わせ先
2016-R121