2017年3月28日
企業のデジタルトランスフォーメーションに貢献する「SDx+M」ソリューションの展開について
2023年9月1日追記
「Software-Defined Network Service」で提供中のサービスのうち「SD-NS Type A」は2023年8月31日をもってサービスを終了しました。
また、「SD-NS Type B」は2023年9月30日をもって新規販売を終了します。
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下:NTT Com) は、Software Defined技術(以下:SD技術)を活用した新たなサービスとマネージドサービスの拡充を通じて、柔軟で俊敏性の高いICT環境と、ICT環境全体の一元的・効率的な運用管理を実現する「SDx+M」ソリューションの本格提供を開始します。
また、本ソリューションを構成する「Software-Defined Network Service」と「Software-Defined Exchange Service」が、そして本ソリューションを包括的にカバーするマネージドサービス「Global Management One」や管理ポータル「Cloud Management Platform」の新機能が、2017年3月30日より提供開始されます。
1. 背景・目的
近年多くの企業が取り組むデジタルトランスフォーメーションの実現には、「セキュアで信頼性の高いICT」と、迅速な新事業の立ち上げや市場対応を可能とする「柔軟で俊敏性の高いICT」をバランスよく併用することが重要です。
一方で、この2つのICTの併用が進むにつれ、用途に応じた多様なクラウド・ネットワークの利用が進み、企業のICT環境の複雑化・運用管理負担につながっています。そのため、ICT環境全体をシンプルに使える仕組みや、環境全体を見える化し効率的な運用管理ができる一元的なマネジメントなどが求められています。
NTT Comは、これまで主にクラウドサービスやソリューションに活用してきたSD技術をお客さまのICT環境全体に取り入れ、その柔軟性と俊敏性を向上させるとともに、パートナー企業との新たなビジネス創出を通じて、複雑化が進むICT環境全体の効率的・一元的な運用管理を実現し、お客さまの経営改革・事業拡大に一層貢献していきます。
2. 「SDx+M」ソリューションの特長(図1)
(1) 柔軟・迅速に最適な組合せを実現するハイブリッドICT
[ハイブリッドクラウド]: 多様なクラウドサービスやオンプレミスシステムを、用途に応じて自由に組み合わせることができます。例えば基幹系システム向けのプライベートクラウド、クラウドネイティブアプリ※1向けのPaaS・パブリッククラウドなどを柔軟に利用できます。
[ハイブリッドネットワーク]: 多様な種類のネットワークを柔軟に組み合わせ、国内外の拠点のみならず、今後さらに増加が見込まれるスマートフォンやIoTデバイスなどをシームレスに接続できます。これにより、コスト最適化・迅速な拠点展開などを実現します。
(2) ICT環境全体の柔軟性・俊敏性を実現するセキュアなネットワーク接続
[クラウド間接続]: 様々な事業者が提供するクラウド間およびクラウド・データセンター間を大容量の高速ネットワークで低コスト・オンデマンド・セキュアに接続します。
[クラウド-拠点・端末間接続]: 世界中の拠点・端末からクラウドへの閉域ネットワーク接続を、低コスト・オンデマンド・セキュアに実現します。
(3) グローバルに広がる複雑なICT環境全体の効率的なマネジメント
[見える化]:クラウド・ネットワークからアプリケーションまで、ICTリソースの利用状況を一元的に見える化し、お客さまのシステム運用負担の軽減・利用状況最適化を実現します。
[セキュリティ・運用管理の自動化]: 各種ログの相関分析による未知の脅威の検知に加え、SD技術を活用した自動連携防御機能を提供します。また、監視などの定期運用を自動化し、複雑化したICT環境の効率的なマネジメントを実現します。
(図1)「SDx+M」ソリューション全体像
<クリックして拡大表示>
3. 「SDx+M」ソリューションを実現するサービスの強化・拡充
(1) Software-Defined Network Service(SD-NS)[2017年3月30日提供開始]
「SD-NS」は、専用線・IP-VPN・インターネット・モバイルなど複数の回線上で、ソフトウェア制御によりオーバーレイネットワークを柔軟に構築・管理できるSD-WANサービスです。
これによりお客さまは、拠点の端末からクラウドまでを、用途に応じた最適なベース回線(アンダーレイ)を選択・組み合わせてつなぐことができるため、新しいアプリケーションの導入、組織改編によるネットワーク変更などに迅速に対応できます。また「Microsoft Office365」などのSaaS利用時には、お客さまのセキュリティポリシーに応じ、拠点からインターネットへの直接接続と、インターネットゲートウェイ経由での接続とを使い分けることもできます。
さらに、現在提供中の「Arcstar Universal One」アドバンストオプションを組み合わせ、各種NFVを利用することで、より効率的・ダイナミックなネットワーク構築が可能となります。(図2)
図2:SD-NS
http://www.ntt.com/sd-networks.html
(2) Software-Defined Exchange Service (SD-Exchange) [2017年3月30日提供開始]
「SD-Exchange」は、NTT Comが提供する「Enterprise Cloud」(企業向けクラウド)、「Nexcenter」(コロケーション)、そして「Amazon Web Services(以下:AWS)」などを含む複数のクラウドサービス間を、グローバルシームレス・高速・セキュアに接続できるサービスで、世界7カ国/地域の8拠点※2より提供を開始します。また、セキュリティやロードバランサーなどの付加機能をオンデマンド・低コストで利用することもできます。
これによりお客さまは、用途によって異なるデータが蓄積されるクラウド間のデータ交換やバックアップなどに必要な接続環境を、ソフトウェア制御で自由に必要帯域を選択し即座に構築するなど、ハイブリッドクラウド・マルチクラウド環境の柔軟・迅速な構築が可能となります。(図3)
図3:SD-Exchange
http://www.ntt.com/sd-exchange.html
(3) Software-Defined LAN Solution (SD-LAN)[提供中]
「SD-LAN」は、堅牢性と柔軟性を兼ね備えたオフィスLAN環境を構築するソリューションです。LANの利用状況の可視化や簡単・オンデマンドな変更・管理を実現します。「コアSD-LAN」「エッジSD-LAN」「レガシー集中管理」の3タイプ/4ベンダーの製品を提供中で、LAN環境の刷新から部分的な導入まで、お客さまの多様なニーズに対応しています。(図4)
図4:SD-LANソリューションのユースケース
http://www.ntt.com/sol-sd-lan.html
また、マネージドセキュリティーサービス「Wide Angle」の「プロアクティブ レスポンス」を合わせて利用することで、標的型攻撃などのサイバー攻撃によってマルウェアに感染し遠隔操作されている端末の通信をリアルタイムで遮断、感染の拡大や情報漏洩を抑制します。(図5)
図5:WideAngle MSS プロアクティブレスポンス
http://www.ntt.com/wideangle_security.html
(4) Global Management One [2017年3月30日新機能提供開始]
マネージドICTサービス「Global Management One」は対象サービスに「SD-NS」「SD-Exchange」「SD-LANソリューション」を加え、お客さまのICT環境全体について、設計・構築から保守・運用、分析までフルライフサイクルサポートをグローバルに実現します。
これによりお客さまは、エンジニアリソースに気を配る必要がなく、安心して新たな技術を取り入れた「柔軟で俊敏性の高いICT環境」を利用いただくことが可能となります。
(5) Cloud Management Platform (CMP) [2017年3月30日新機能提供開始]
「Enterprise Cloud」、「AWS」、「Microsoft Azure」などのクラウドサービスや、お客さまが構築したオンプレミスシステムを一元的に管理できる「Cloud Management Platform」が機能を拡張し、「SD-NS」や「SD-LANソリューション」における対象機器のリソース情報の表示、「SD-Exchange」における接続先サービスのリソース情報の表示が可能となります。
これによりネットワークリソースも含めたICT環境全体を見える化し、お客さまの事業環境の更なる最適化に貢献します。
4.今後の展開
NTT Comグループは、「SDx+M」ソリューションを更に強化し、ネットワークからクラウド・アプリケーションまで、お客さまがICTシステム全体を柔軟・迅速に、構築・運用できる機能を拡充するとともに、お客さま、各種ICT事業者のみなさま、販売パートナーのみなさまとの、新たなビジネス創出に向けた取り組みを一層進めてまいります。
■Global Management One について
http://www.ntt.com/gmone_j.html
■Cloud Management Platformについて
※1)クラウドネイティブアプリは、はじめからクラウド上での利用を前提として設計されたアプリケーションのことです。
※2)AWS接続は世界4カ国5拠点より順次拡大予定です。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ先
2017-R026