ケーススタディ
ケース1 快適なクラウド活用には高品質な専用線が必須?
事態を「大げさ」にしないスマートな増速対処術
顧客A社
業種 | 製造 |
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拠点数 | 5拠点 |
既存WAN回線 | MPLS |
既存インターネット接続 | DC集約型(他社ベストエフォート) |
要約
- クラウド移管に伴うインターネット遅延の社内クレームを削減
- 度重なるゲートウェイの構成変更によるIT担当者の稼働を圧縮
- 増速対応に向けて予算面で断念した専用線に変わるもの
課題
-
ネットワークの混雑
曜日や時間帯、一時的な要因で混雑が発生
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クラウド活用の懸念
クラウドサービスの快適な利用に向けた増速対応が必須
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IT担当者の負荷増大
頻発する構成変更で通常業務に支障が発生
効果
IPoE化で遅延、輻輳を解消、IT担当者の稼働も軽減!
A社では業務システムのクラウド移管に加え、働き方改革の一環として、新たなパブリッククラウドサービスを活用したWebメールの積極的な導入を進めてきました。しかし、そのアクセス回線となるインターネット接続に遅延、輻輳が発生し、社内からのクレームが殺到。さらにゲートウェイの構成変更が頻発し、IT担当者もクレーム対処にまで手が回らない状況でした。
当初、同社では快適なクラウド利用に向けて、既存のベストエフォート回線を帯域保証型の専用線に切り替えることを検討しますが、予算の折り合いがつかず断念。ネットワークの遅延が働き方改革の推進を妨げる足かせとなっていました。
この苦境を打開するために、同社ではクラウドサービスとデータセンターを結ぶインターネット接続回線に「OCN光 IPoEサービス 標準プラン」、本社・データセンターと各拠点をつなぐアクセス回線に「Arcstar Universal One ベストエフォートアクセス(IPoE)」の導入を決断。ベストエフォート回線のIPoE化で遅延、輻輳の解消に取り組みました。
- 効果1:クラウド利用時の遅延、輻輳が解消されて働き方改革が加速
- 効果2:通信が安定して構成変更の頻度が減りIT担当者の負荷が軽減
- 効果3:回線リプレイスにかかる予算を大幅に抑制
インターネット接続回線およびWANのアクセス回線をIPoEに切り替えたことで、懸案となっていたネットワークの遅延、輻輳は劇的に改善されました。社内からも「クラウドサービスが格段に使いやすくなった」という声が多く寄せられています。さらに必要最小限の投資で効果を最大化できた取り組みは、経営層にも高く評価されました。働き方改革の次なるステップに向け、稼働が減ったIT担当者は新たなアプリケーション開発に注力する計画です。
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ケース2 新たなDaaS導入に立ちふさがる設定変更の嵐!
限られたIT人材で乗り切るベストな方法とは?
顧客B社
業種 | 金融 |
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拠点数 | 120拠点 |
既存WAN回線 | MPLS |
既存インターネット接続 | DC集約型 |
要約
- 新たなDaaS導入に伴う既存サーバー環境の設定変更の煩雑さを解消
- DaaSの利用に最適なセキュリティ対策の強化
- 多数のセッションを張るAWSの利用に向けた増速対応
課題
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IT部門の人材不足
DaaS導入に向けた各種設定変更への対応が困難
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安全性、快適性の確保
各種セキュリティ対策に加え増速対応が必須
効果
クラウド型UTMの導入で設定変更の手間を劇的に軽減!
B社では自社データセンターでプロキシサーバーを運営し、全社のインターネット接続を集約しています。新拠点の開設に併せてDaaS(仮想デスクトップ)の利用を検討していましたが、導入にあたりインターネットゲートウェイのスケールアップに加え、プロキシ設定の見直しといった既存環境の大幅な構成変更が必須となっていました。
さらにDaaSでの利用を想定していたのがAWS。このため、インターネット接続する際のセキュリティリスクへの対応、多数のセッションを張るAWSの特性を踏まえた増速対応も不可欠に。少人数体制のIT部門ではとても対処できない状況でした。
そこで同社ではWANからインターネットに直結する「インターネット接続機能(vUTM)」の導入を決断。高信頼なインターネット接続と各種セキュリティ機能をクラウド化してセットで提供するサービスです。さらにDaaSを利用する新拠点にはアクセス回線に「Arcstar Universal One ベストエフォートアクセス(IPoE)」を導入することで通信の安定性向上を図りました。
- 効果1:すべての設定変更がポータルで可能になりオンサイト業務がゼロに
- 効果2:ファイアウォール、IPS/IDS、アンチウイルスなどで安全対策も万全
- 効果3:DaaS用のアクセス回線にIPoEを導入し、AWSの快適な利用を実現
クラウド型UTMの導入により、各種セキュリティ設定が容易にポータル上で行えるようになったため、同社のDaaS導入は既存環境の構成を変更することなく安心・スピーディに完了しました。懸念されていたセキュリティリスクもUTMの複数のセキュリティ機能を組み合わせることでクリアに。WANのアクセス回線をIPoEにしたことでAWSも快適に利用できています。今後はIPoEの利用領域を拡大、テレワーク導入などの働き方改革に取り組んでいく予定です。
ケース3 働き方改革=クラウドサービスの快適利用
ローカルブレイクアウト(LBO)の実装が成功のカギ!
顧客C社
業種 | サービス |
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拠点数 | 80拠点 |
既存WAN回線 | MPLS |
既存インターネット接続 | DC集約型 |
要約
- クラウドサービスの利用増で、通信の遅延を慢性化させない対策
- 基幹系システムの通信を遅延させない対策
- 最適なパートナーが見つからないLBO実装を再検討
課題
-
クラウドファーストの弊害
急増したトラフィックがWANを圧迫、基幹系システムにも影響
-
LBO実装パートナーへの不満
大掛かりなSI案件として扱われるためコストが見合わない
効果
LBO実装をレンタル機器で解決!
C社では働き方改革、業務効率化に向けてクラウドサービスであるGoogle Workspaceを導入。しかしGoogle Workspaceの利用に伴い急増したトラフィックが社内WANを圧迫し、ネットワークの遅延が慢性化していました。さらにWindows Updateの配信による回線圧迫も深刻な課題となっており、これら特定のトラフィックをWANから切り離し、拠点から直接インターネットに逃がすLBO(ローカルブレイクアウト)の実装が急務になっていました。
パートナーを選定する段になり、同社ではLBO実装に潜む大きな問題が顕在化。いずれの事業者も現場にエンジニアを投入する大掛かりなSI案件として扱うという回答だったためです。一般的にネットワークサービスは規約上の型が決まっており、少しでもカスタマイズの必要があればNIからSIの領域にシフトしてしまいます。SI案件となればお客さま資産となる機器の購入が必要になり、それが同社のLBOプロジェクトを停滞させていました。
そんな矢先、従来のネットワークサービスではカバーできない個別対応が必要な課題にエンジニアを投入、SIの領域にも関わらずNIサービスとして解決する「Network Support Services(NSS)」が登場。同社ではNSSを提供するNTTコミュニケーションズをパートナーに選定し、併せて「OCN光 IPoEサービス ワイドプラン」の導入でLBO実装後の回線環境を整備することになりました。
- 効果1:ネットワークサービスの枠内、レンタル機器でLBO実装を完了
- 効果2:特定トラフィックをWANから分離することで慢性的な通信遅延を解消
- 効果3:VPN回線のトラブル時には迂回ルートとしてLBOを利用
最適なパートナーとの出会いが同社のLBOプロジェクトを加速。想定内の予算、想定以上のスピードでLBO実装は完了。特定のトラフィックを完全に別ルートに分離したことで、社内WANのパフォーマンスは劇的に改善しました。しかも、クラウドに直結するインターネット接続にIPoEを採用したことで、Google Workspaceが格段に快適に利用できていることも大きな収穫です。さらに「OCN光 IPoEサービス ワイドプラン」は、従来サービスから6倍の帯域設計であるほか、Windows Updateによる通信を識別し、アップデートが実行中でもクラウドサービスはその影響を受けることなく、安定した通信が可能になります。ネットワークの冗長化により、事業継続性も向上しています。