東日本電信電話株式会社
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
東日本大震災による被害の復旧状況および今後の対応について
NTTグループは、2011年3月11日の東日本大震災発生以降、被災した設備やサービスの復旧にグループ一丸となって取り組んでまいりましたが、このたび、4月末を目途としていた復旧を概ね完了する見込みとなりましたので、その復旧の取り組み、影響額、および今後の対応等についてお知らせいたします。
1.通信設備やサービスの復旧状況について
NTTグループは、「原発エリアや道路・トンネル等の損壊により物理的に困難な地域を除き、4月末を目途に通信ビルや基地局の復旧を図る」という計画を立て、通信ビルの電源・装置類の新設や更改、中継伝送路の張り替えや、応急光、マイクロエントランスによる移動通信基地局への中継伝送路の修復、1局で複数局をカバーする大ゾーン方式等による携帯電話のエリア救済等に取り組んでまいりました。また、当初の計画では4月末での復旧が困難としていた、福島第一原子力発電所周辺エリア(以下、原発エリア)や道路・トンネル等の損壊により物理的に復旧が困難な地域についても予定を上回るペースで復旧を進めてきました。
その結果、4月末までに、現状お客さまが居住しているエリアの通信ビル・基地局については、ほぼ復旧する見込みであり、また原発エリアにおいても、お客さまの居住エリアおよび原発作業エリアは復旧しております。なお、家屋等の甚大な被害により、現状お客さまが居住困難なエリアについては、今後、道路等他インフラの回復と歩調を合わせ、復旧を進めてまいります。
◆NTT東日本のサービス中断ビルの復旧状況
◆NTTドコモのサービス中断基地局の復旧状況
◆ NTTコミュニケーションズのサービスの復旧状況
IP-VPNやe-VLAN等の企業向けデータ通信サービスについては、東北地方において最大約15,000回線が利用できなくなりましたが、中継伝送路は復旧しております。現状サービス中断している約100回線については、アクセス回線やお客さま設備等の復旧によりサービス回復する予定です。
2.今回の災害を踏まえた今後の対応について
東日本大震災では、世界観測史上4番目の超巨大地震や津波による通信設備の損壊・浸水、広域かつ長時間の停電や計画停電に伴う通信設備の機能停止や非常用電源(バッテリー)の枯渇など、通信設備がこれまでにない大きな影響を受けました。また、携帯電話やインターネットの進展に伴い情報連絡手段の多様化が顕著になりました。
NTTグループは通信サービスの社会的重要性を再認識し、これらの観点を踏まえ、今後、以下の検討を進めてまいります。
■ 災害に強いネットワーク作りと早期復旧手段の整備
- 重要機能の地域分散や多ルート化等の推進による広域災害への備え
- 広域、長時間の停電に対する耐力の向上 等
■ 地域救済拠点の早期通信確保
- 衛星、無線の活用推進 等
■ 被災後の情報流通手段の確保
- 被災直後の安否確認等ニーズへの対応強化(輻輳への対策)
- お客さまのニーズが音声からメール、インターネットと多様化していることへの対応 等
■ 災害時や復興時に役立つサービス・ソリューションの提供
- 自治体支援、医療支援、学校支援、 等
NTTグループ単独では対応が難しい事項については政府・自治体と連携して取り組んでまいります。
3.NTTグループの被害額(概算)について
他のグループ会社も含めたNTTグループ連結における2010年度の影響額は約300億円(損益) [義援金を除く]。
(参考)
( )は3月30日発表時の数値
◆被災者の生活支援等の主な取り組み
◆被災者の生活支援等の主な取り組み