2013年5月31日
最高品質水準Tier IVに対応した延床面積7万㎡の大型データセンター
「香港 ファイナンシャル データセンター」の提供開始について
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、中国・香港の九龍半島東部の将軍澳(チュンクワンオウ)地区に建設した「香港 ファイナンシャル データセンター」を2013年5月31日より提供開始します。香港で3拠点目となる本データセンターは、総延床面積約7万㎡(6,000ラック相当)とNTT Comグループのデータセンターでは最大規模を誇り、業界最高の品質水準であるTier IV*1に対応した高い信頼性を備えています。また、香港証券取引所に近接する理想的な立地に加え、万全のセキュリティや低遅延*2のネットワークサービスを用意しており、高スペックなICT基盤を求める金融機関やIT企業などのお客さまに最適なICT環境を実現しています。
NTT Comは、2011年10月に策定した「Global Cloud Vision」に基づき、本データセンターをクラウドサービスの主要基盤としても活用していきます。今後も「Nexcenter™」ブランドのもと、先進のデータセンターサービスをグローバルに拡充し、サービスレベルの高度化や品質向上に努めていきます。
1.背景
香港は、中国市場へのゲートウェイおよびシンガポールと並ぶアジア地域のIT・経済活動のハブであり、多国籍企業のお客さまの拠点が集中しています。なかでも金融機関やIT企業のお客さまが多く、高性能かつ安定したICT環境が求められています。
こうした中、NTT Comは、2013年2月に大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」の香港向けルートを運用開始したほか、データセンターサービスやクラウドサービスなどの拡充に努めてきました。今回、お客さまのさらなる要望に応えるため、最新鋭の大型データセンター「香港 ファイナンシャル データセンター」を提供開始します。
2.特長 (詳細な設備仕様は別紙参照)
(1) Tier IVに対応した業界最高水準のデータセンター品質を確保
本データセンターは、データセンター業界基準において最高の品質水準であるTier IVに対応しています。万が一の故障に備え、電源・空調・配電ルートなどあらゆる設備の冗長化を図っており、自然災害や火災などにも安全な設計としています。また、データセンターの敷地入口からサーバールーム内のラックまでの間に用意された8段階のセキュリティにより、お客さまのシステムを厳重に守ります。
(2) データセンターに直結した大容量光海底ケーブルによる低遅延のネットワークサービスを提供
本データセンターには、アジア主要都市を結ぶ高信頼・低遅延の大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」が直接陸揚げされており、そのままサーバールームと直結しています。これにより、本データセンターをご利用のお客さまは、アジア主要都市と本データセーターを結ぶ専用線サービス「Arcstarグローバル専用サービス」を、従来より低遅延かつ低コストで利用できます。さらに、日米間を最低遅延で結ぶPC-1ケーブルを組み合わせることで、シカゴ(米国)~東京~香港~アジア主要都市間において業界最速クラスのネットワーク環境を実現します。
(参考)「Asia Submarine-cable Express」を活用したネットワークサービスの遅延値について
東京 - シンガポール間:63ミリ秒台(2013年5月計測値)
東京 - 香港間:42ミリ秒台(2013年5月計測値)
(3) 香港証券取引所に近接した立地で、金融機関のお客さまにも最適
本データセンターは香港証券取引所至近に立地するため、100万分の1秒を争う金融商品の高頻度取引*3などを扱う金融機関のお客さまは、より低遅延で安定したICT基盤を構築できます。
<香港 ファイナンシャル データセンター外観>
(参考) データセンターサービス ブランド「Nexcenter™」
Nexcenter™は、NTT Comの日本およびその他の国において出願中の商標です。
グローバル品質でフルサポート、先進のデータセンターサービスで、お客さまのビジネスを加速します。
関連リンク
- アジア主要都市を高信頼・低遅延でつなぐ光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」の香港ルート運用開始について(2013年2月19日発表)
- 香港ファイナンシャルデータセンター(英語のみ)
- Arcstarグローバル専用サービス
- NTTコミュニケーションズのデータセンターサービス
*1: 米国のデータセンター業界団体”Uptime Institute”が提唱するTierレベルの最高基準。Tierは、商用電源、空調、UPS、発電機、配電ルートなどデータセンターに必要なファシリティの冗長構成や、運用体制・レベルを詳細に評価することにより、データセンター全体としての品質、信頼性を客観的かつ包括的に評価する。「Tier I」から「Tier IV」があり、「Tier III」以上は、運用中の設備などのメンテナンスも可能な可用性の高い構成といえる。
*2: IP網などで,パケットを送出して相手先に届くまでの時間を遅延値といい、低遅延とはより早くパケットが相手側に届くこと
*3: プログラムにより自動的に株などの金融商品を取引する「アルゴリズム取引」のうち、小口注文を高頻度で行う取引。HFT(High Frequency Trading)とも呼ばれる。