2015年9月9日
「テキサス ダラス 1 (TX1) データセンター」の建設開始について
~米国テキサス州において17万m2の広大な敷地に最大25,000ラックの拡張性を確保~
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、2015年9月より、米国においてデータセンター関連サービスを提供するNTT Comグループ会社RagingWire Data Centers (略称:RagingWire社)を通じて、約170億円を投じた「テキサス ダラス 1 (TX1) データセンター」の建設を開始します。本データセンターは、米国テキサス州ダラス・フォートワース都市圏のガーランド市に取得した約17万m2の敷地において、最大5棟のデータセンター(25,000ラック相当)を展開予定であり、その第1棟目(サーバールーム面積約11,400m2、5,000ラック相当)を2016年9月以降に提供開始します。
「テキサス ダラス 1 (TX1) データセンター」の外観イメージ
1.背景
活発なICT産業や、企業のクラウド利用など、ICT環境のアウトソース拡大を背景に、全世界におけるデータセンター市場の50%以上を占める米国では、年間約12%の市場成長が続いています。NTT Comは、米国において10拠点のデータセンターを提供中であり、RagingWire社はそのうち東海岸のバージニア州アッシュバーンに1拠点、西海岸のカリフォルニア州サクラメントに3拠点のデータセンターを展開しています。また、旺盛な需要に応えるため、2015年4月に「カリフォルニア サクラメント 3 (CA3) データセンター」(サーバールーム面積約6,400m2)を提供開始するとともに、2016年2月の提供開始に向けて、「バージニア アッシュバーン 2 (VA2) データセンター」(サーバールーム面積約7,400m2)を建設中です。しかしながら、競合事業者が多い巨大な米国データセンター市場で、さらなるプレゼンスの向上と事業拡大を進めるには、NTT Comは現状のサービス提供規模では不十分と判断し、これまで未着手だった米国中西部へデータセンター拠点の追加を検討してきました。
テキサス州のダラス・フォートワース都市圏は、全米第4位のデータセンター市場で、49の事業者が約23万m2のデータセンタースペースを提供しており、供給を上回る安定した需要があり年間約13%の成長率が見込まれています。低廉な建設・電力コストなどを背景に、過去5年間に60社以上のグローバル企業がこの地に本社を設置するなど、北米のビジネス中心地にもなりつつあります。中でも今回データセンターを建設するガーランド市からは、固定資産税の優遇や光ファイバー敷設助成金など、また、地元の電力会社からは、割安な電力料金の提示など、地域の積極的な事業支援があり、低コストでデータセンターの建設・運用ができることも、この地を選定した要因です。
本データセンター第1棟目の建設により、NTT Comグループが米国で提供するデータセンターのサーバールーム総面積(提供予定含む)は約65,600m2に拡大します。また、本データセンター全5棟完成時、RagingWire社の北米におけるデータセンター供給能力は約2倍に拡大します。NTT Comは、引き続き、お客さまの経営改革に貢献するため、米国をはじめ、世界主要拠点にグローバルシームレスなデータセンターサービスの拡充を図っていきます。
(別紙)米国におけるデータセンター拠点およびサーバールーム面積
2.概要・特長
テキサス州ダラス・フォートワース都市圏は、自然災害のリスクが低く、高信頼かつ割安な電力供給環境、州や市の税制優遇、インターネット接続環境が充実しているため、低コストで安定したデータセンターの運用が可能です。本データセンターを建設するRagingWireダラスキャンパスは、ダラス・フォートワース国際空港(DFW)やダラス・ラブフィールド空港(DAL)至近の便利な場所にあり、東京都立日比谷公園にも匹敵する広大な敷地*1に総電力供給容量80MWのNTT Com最大かつテキサス州でも最大規模のデータセンターを順次展開します。
(1) ダウンタイムゼロを保証する可用性100%のSLA
本データセンターは、Nexcenter™*2が定める300項目以上のグローバル統一設備・運用基準に準拠し、電力・空調・通信設備の冗長化やテロにも強い充実したセキュリティをはじめ、電力供給100%を保証するSLA (サービスレベル保証) を備えた世界トップクラスのサービスを提供します。
最大20kW/ラックの高密度電力供給、空調設備や通信回線引き込みの冗長化に加えて、RagingWire社が特許取得済の2N+2®アーキテクチャによる、設備メンテナンス時においても完全冗長性を保ちながら電力供給を可能とするシステムなど、万全な設備運用の体制と併せて業界最高基準のTier IVレベル以上の極めて高い可用性を提供します。このように卓越した品質を提供する本データセンターは、ミッション・クリティカルな金融機関や医療機関、IT・テクノロジー企業、通信事業者などのお客さまに最適です。
(2) 効率的なデータセンター設備の設計・運用による低コスト/グリーン化を推進
RagingWire社は、電気設備、空調設備や通信設備などの構築・運用を自社で対応可能なライセンスを保有し、専門の主任技術者を多数擁していることから、より高品質な設備を低コストでお客さまに提供することが可能です。
また、RagingWire社が開発したデータセンター設備管理システムN-Matrix™を導入しており、電力使用状況の監視や設備の冷却を自動管理するなど、効率的な設備管理を実施します。加えて、電気空調コストをさらに低減する外気冷房システムの導入、米国環境保護庁 (EPA) が定める「ENERGY STAR」認定を受けた設備の採用などにより、低コスト運用を実現するとともに、米国グリーンビルディング協議会による「LEED」認証に対応した環境に配慮したデータセンターを提供します。
(3) 各種認証に準拠した安全かつ柔軟な運用サービス
本データセンターは、クレジットカード業界のグローバルセキュリティ基準である「PCI DSS」、米国連邦情報セキュリティマネジメント法に基づく情報保護ガイドライン「FISMA」や米国医療情報保護ガイドライン「HIPAA」に準拠するほか、「SSAE16/ISAE3402」による内部統制に関する有効性証明書を取得予定です。またオンサイトスタッフによる各種マネージドサービスやリモートハンドサービスなど、安全かつ柔軟な運用サービスを提供します。
敷地内には、BCPオフィスとして利用が可能なレンタルオフィスのほか、会議室、各種アメニティ施設も備えます。
(参考)RagingWire社について
RagingWire社(本社:米国 カリフォルニア州サクラメントCEO:George Macricostas)は現在従業員約300名以上を擁し、2000年の会社設立以降15年間にわたり、米国でデータセンターサービスを提供する、米国における業界のリーダーです。Polycom社やNVIDIA社などICT企業を中心に約200社以上に対する高品質サービスの提供実績があります。
*1:東京都立日比谷公園(東京都千代田区)の面積: 161, 636.66 m2
*2:データセンターサービス ブランド「Nexcenter™」
「高品質」「柔軟性」「コスト効率性」を統合した次世代データセンターサービスで、お客さまのビジネスを加速します。