2016年3月1日
デジタル・トランスフォーメーションを実現する「Enterprise Cloud」の大幅機能強化
〜トラディショナル、クラウドネイティブ双方のICT環境を統合管理できるクラウドを実現〜
NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)は、本日より、世界11カ国14拠点に基盤を展開するクラウドサービス「Enterprise Cloud」の機能を大幅に強化します。
(新たに追加された機能については3項、提供サービス参照)
デジタルテクノロジー*1の進化により、ヒト・ビジネス・モノをこれまでとは異なる形で融合し、既存ビジネスの変革や新ビジネスの創出につながる「デジタル・トランスフォーメーション」が加速しています。企業が「デジタル・トランスフォーメーション」を実現するには、従来のERPなどに求められるシステム性能や信頼性重視の「トラディショナルICT」と、IoTビジネスなど新しいビジネス創出に求められる俊敏性、柔軟性やAPIによる外部サービス連携などが前提となる「クラウドネイティブICT」、それら双方の環境を効率的に構築・運用するクラウド基盤が求められています。
NTT Comは、企業の「デジタル・トランスフォーメーション」のニーズに対応するため、「トラディショナルICT」を確実・容易にクラウド移行でき、「クラウドネイティブICT」と統合されたICT環境を、他社クラウドサービスやネットワーク、コロケーション環境を含めた形で実現するクラウドサービス「Enterprise Cloud」として、2016年3月1日より大幅に機能を強化し、順次提供開始します。
1.強化されたEnterprise Cloudの特長
(1)「トラディショナルICT」に対応した専有型Hosted Private Cloud
基幹システムへの対応を強化し、高い信頼性を持つ専有型のHosted Private Cloudをオンデマンドで従量課金に対応したベアメタルサーバーと、VMware vSphere とMicrosoft Hyper-Vに対応するマルチハイパーバイザーにて提供します。
これにより、SQL Serverなど、サーバー上の全コアに対してライセンスが必要なシステムを運用するお客さま、vSphereやHyper-Vによるシステムを運用するお客さまは、既存のソフトウェアライセンスを維持しつつ、オンプレミスで利用していた既存の基幹システムを設計変更なくクラウド環境へ移行することが可能です。お客さまの稼働中の資産を活かしながら、コスト最適化した形でクラウド活用を実現します。
(2)「クラウドネイティブICT」に対応したエンタープライズ向け共有型 Cloud
オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」を採用し、業界標準のオープンなAPIを具備した共有型Cloudを提供します。また、オープンソースのPaaS基盤ソフトウェア「Cloud Foundry」を採用した業務アプリケーション開発運用基盤を提供します。
これにより、お客さまは、エンタープライズ向けのサービス品質と信頼性を確保しつつ、アジャイル型・DevOps志向などの業務アプリケーションの効率的な開発・運用が可能です。また、オープンなAPIで他サービスと連携するなど、特定のクラウド基盤技術へのロックインの不安を解消し、IoTなどのデジタルビジネスを迅速に展開することが可能です。
(3)シームレスなハイブリッドクラウド環境
SDN技術を活用し、Hosted Private Cloudと共有型Cloudを、L2接続による同一ネットワーク上でシームレスに提供します。これによりお客さまは、オンプレミス上で複雑な構成で運用しているネットワーク環境を、仮想サーバー・ベアメタルサーバーなどとファイアウォールやロードバランサーなどのネットワーク機能を自由に組み合わせた、柔軟性の高いネットワーク環境でご利用できます。また、オンプレミスで運用しているシステムのクラウド移行時に発生する、ネットワークやサーバー構成の設計変更作業などが不要となり、設計工程の約30%が削減可能です。
(4)クラウド拠点間を無料・シームレスにネットワーク接続
「Enterprise Cloud」のクラウド拠点間を10Gbpsベストエフォートの閉域ネットワークで無料接続します。また「Enterprise Cloud」と「Nexcenter™*2」の間を低価格で接続します。これによりお客さまは、CADデータの各国のサプライヤとの共有や、世界中に分散するIoTデータ収集など、増大する拠点・システム間の通信を、無料もしくは低価格で実現できます。
(5)効率的な運用管理とガバナンスを実現するクラウドマネジメントプラットフォームの提供
「Enterprise Cloud」は勿論、他事業者が提供する複数のクラウド基盤も含めて、ポータルサイトから一元的に運用管理できる「Cloud Management Platform」(CMP)を提供します。
「トラディショナルICT」と「クラウドネイティブICT」双方の運用責任を持つ現在の情報システム部門にとって、多種のクラウド利用に伴う管理稼働増大は課題です。お客さまはCMPを利用し、複数のクラウドを一元管理することで管理稼働の大幅削減や適切なシステムリソース配分によるITコスト削減を実現できます。また、セキュリティポリシー統一やシステム標準化の実現により、ITガバナンス強化につなげることができます。
2.提供開始日
2016年3月1日(日本)
※日本から提供を開始し、イギリス、シンガポール、アメリカ、オーストラリア、香港、
ドイツなどの拠点も2016年中に順次展開していきます。
3.提供サービス
※サービス提供予定含む
4.提供価格
別紙のとおり
5.今後の展開について
2016年に7拠点で「Enterprise Cloud」の機能強化を展開するとともに、グローバルトップクラスのデータセンターや、ネットワークサービスとクラウドサービスとの更なる統合を、SDx技術*3を活用し、進めていきます。また、OpenStack*4をベースとしたマイクロサービスアーキテクチャー*5を採用した「Enterprise Cloud」は、オープンソースコミュニティーやテクノロジーパートナーから、最新のテクノロジーを取り込み、機能拡充を迅速に進めていきます。具体的には、SAP HANAやHosted Private PaaSの提供、クラウドマネジメント機能強化などを推進することで、お客さまのデジタル・トランスフォーメーションの進展を支援していきます。
6.各社からのコメント(敬称略)
●IDC, research vice president for IaaS/hosting services, Melanie Posey
今回大幅に機能強化されたNTT ComのEnterprise Cloudは、企業のデジタル・トランスフォーメーションの実現に不可欠な統合基盤を提供します。企業のITシステムのハイブリッド化が進む中、NTT ComのEnterprise Cloudは、従来のクライアントやサーバー上で稼働するアプリケーションなどのトラディショナルな基盤や、開発者による利用が中心となるクラウドネイティブな基盤、それぞれのシステム要件を満たしています。また、Cloud Management Platformはハイブリッド化された企業のITシステム全体の見える化や一元的な管理運用を実現します。
●VMware Inc, Geoff Waters, vice president, Service Provider Channel
NTTコミュニケーションズのHosted Private Cloudの機能拡張は、お客さまの既存オンプレミス環境から専有型クラウドへのシームレスな移行をまさに具現化するものです。今回の機能拡張は、昨年末に共同発表させて頂いたVMware Photon™ Platformを活用したクラウドネイティブプラットフォーム提供実現に向けた協業をはじめとする両社の強いパートナーシップによる成果の1つであり、引き続きvCloud ® Air™ Networkにおける重要なパートナーの1社として協業を進めてまいります。
●NTTコミュニケーションズ株式会社 クラウドサービス部長 田中基夫
お客さまの経営改革がデジタル化、グローバル化、クラウド化によって進む中、セキュアで信頼性の高いICTと柔軟で俊敏性の高いICTの両方に対応するため大幅に機能強化した「Enterprise Cloud」をグローバルに提供することにより、お客さまのビジネスプロセスの革新や新たなビジネスモデルの創出に貢献してまいります。
※VMware, vSphere, vCloud, vCloud Air, および Photonは、VMware, Inc.の米国および各国での商標または登録商標です。他のすべての名称ならびに商標は、それぞれの企業の商標または登録商標です。「パートナー」または「パートナーシップ」という言葉は、当社と他社との法的な協力関係を示すものではありません。
*1 モバイル、ソーシャル、クラウド、ビッグデータなど
*2 データセンターサービス ブランド「Nexcenter™」。「高品質」、「低コスト」、「柔軟性」を統合した次世代データセンターサービスの需要に応えていきます。
*3 サーバー、ストレージやネットワークなどの物理的なICTインフラを、ソフトウェアによりコントロールする技術。
*4 OpenStackなどオープンソースの活用に関しては、NTTソフトウェアイノベーションセンタなどと連携し、取り組む予定です。
*5 サービスを小さい単位に分割し、開発のスピードを迅速に行う、新しいシステム・ソフトウエア開発の設計思想。
2016-R019