第25期決算公告

2023年4月1日から
2024年3月31日まで

重要な会計方針に係る事項に関する注記

1.資産の評価基準及び評価方法

(1) 有価証券の評価基準及び評価方法

①子会社株式及び関連会社株式

移動平均法による原価法

②その他有価証券

ア) 市場価格のない株式等以外のもの

期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております)

イ) 市場価格のない株式等

移動平均法による原価法

(2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法

貯蔵品のうち材料品については移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)、その他の貯蔵品については個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)によっております。

2.固定資産の減価償却の方法

(1) 有形固定資産(リース資産を除く)

定額法によっております。

なお、主な耐用年数については以下のとおりであり、残存価額は実質残存価額によっております。

機械設備      8年~26年

建物        4年~56年

工具、器具及び備品 3年~26年

(2) 無形固定資産(リース資産を除く)

定額法によっております。

なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(10年以内)に基づく定額法によっております。

(3) リース資産

① 所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産

自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法によっております。

② 所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産

リース期間を耐用年数とし、残存価額は実質残存価額とする定額法によっております。

3.引当金の計上基準

(1) 貸倒引当金

債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上することとしております。

(2) 退職給付引当金

① 従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。

退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。

数理計算上の差異については、発生時の従業員の平均残存勤務期間に基づく年数による定額法により、翌事業年度より費用処理しております。

過去勤務費用については、発生時の従業員の平均残存勤務期間に基づく年数による定額法により、発生時より費用処理しております。

② 当社は、厚生年金保険法等の定めにより、逓信省(電気通信事業に従事)、電気通信省、電電公社及び日本電信電話株式会社に勤務し1956年7月以降に退職した者の1956年6月以前の勤務期間に係る旧国家公務員等共済組合法に基づく年金給付に要する費用に関連し、日本国政府により毎期賦課方式により決定される拠出金のうち当社に帰属する金額を、NTT企業年金基金特例経理に対し支出しております。

当該費用について、給付見込額を算定し「退職給付引当金」に含めて計上しております。

数理計算上の差異については、発生時の対象者の平均残余支給期間に基づく年数による定額法により、翌事業年度より費用処理しております。

(追加情報)

当事業年度において、前事業年度から行われている新ドコモグループの組織の再編成に伴い一部の従業員が㈱NTTドコモに転籍することとなりました。この転籍が「退職給付制度間の移行等に関する会計処理(企業会計基準適用指針第1号)」の大量退職に該当すると判断し、退職給付制度の一部終了に準ずる処理を行い、特別利益に7,515百万円を計上しております。また、これに伴い退職給付引当金75,769百万円、前払年金費用6,222百万円を取り崩しております。

(3) 工事損失引当金

受注案件に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末における受注案件のうち、損失が発生する可能性が高いと見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることが可能なものについては、その損失見込額を計上することとしております。

(4) 解体撤去引当金

建造物の解体・撤去に関連して生じる費用で、今後発生すると見込まれる金額を計上しております。

4.収益及び費用の計上基準

約束した財又はサービスはその支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。

主要な事業における主な履行義務の内容及び収益を認識する通常の時点については、「収益認識に関する注記」に記載のとおりであります。

5.その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項

(1) ヘッジ会計の方法

繰延ヘッジによっております。ただし、為替予約等については振当処理を適用しております。

(2) グループ通算制度の適用

グループ通算制度を適用しております。

会計方針の変更に関する注記

当社は、貯蔵品のうち材料品については先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)を採用しておりましたが、当事業年度より、移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定)に変更しております。

この変更は、基幹システムの更改を契機に、より合理的かつ適正な棚卸資産の評価及び期間損益計算を行うことを目的としたものであります。

なお、この変更による影響額は軽微であります。

貸借対照表に関する注記

1.有形固定資産の減価償却累計額        653,251百万円

2.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)

短期金銭債権 52,034百万円
長期金銭債権 17百万円
短期金銭債務 88,721百万円
長期金銭債務 370百万円

3.附帯事業に係る固定資産については、少額なため電気通信事業固定資産に含めて表示しております。

4.損失が見込まれる工事契約に係る棚卸資産と工事損失引当金は、相殺せず両建てで表示しております。

損失の発生が見込まれる工事契約に係る棚卸資産のうち、工事損失引当金に対応する額は34百万円であります。

損益計算書に関する注記

1.関係会社との取引高

営業取引による取引高

 営業収益 240,517百万円
 営業費用 247,465百万円
営業取引以外の取引による取引高 5,132百万円

2.営業外収益のうち、関係会社に係る収益の金額が営業外収益の総額の100分の10を超えるものは、次のとおりであります。

受取配当金       12,720百万円

3.営業費用に含まれる工事損失引当金繰入額は次のとおりであります。

工事損失引当金繰入額    117百万円

4.固定資産売却益は、土地等の売却益であります。

株主資本等変動計算書に関する注記

1.当事業年度末における発行済株式数

普通株式      1,873,860株

2.当事業年度中に行った剰余金の配当に関する事項

無配のため、該当事項はありません。

3.当事業年度末日後に行う剰余金の配当に関する事項

2024年6月13日開催予定の定時株主総会において次の議案を付議する予定であります。

配当金の総額 113,577百万円
配当の原資 利益剰余金
1株当たり配当額 60,611円
基準日 2024年3月31日
効力発生日 2024年6月14日

税効果会計に関する注記

1.繰延税金資産の発生の主な原因は、退職給付引当金、固定資産であり、繰延税金負債の発生の主な原因は、その他有価証券評価差額金であります。

なお、繰延税金資産においては、評価性引当額2,422百万円を控除しております。

2.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理

当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。

金融商品に関する注記

1.金融商品の状況に関する事項

(1) 金融商品に対する取組方針

資金運用については安全性に配意し、有利な運用に努めることとしております。運用にあたっては、原則、元本保証・確定利回りの金融商品で行うとともに、取引先金融機関等の信用リスク管理を徹底することとしております。

資金調達については安定的かつ最も低コストな資金調達手段の確保に努めるとともに、機動的・弾力的な資金調達を行うこととしております。

(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制

営業債権である受取手形及び売掛金、未収入金は、顧客等の信用リスクに晒されております。当該リスクに関しては、収納管理に関する内規に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を把握する体制としております。

投資有価証券(その他有価証券)である株式は、市場価格の変動リスクに晒されておりますが、主に業務上の関係を有する企業の株式であり、適宜把握された時価が責任規程等に基づき報告されております。

短期貸付金及び関係会社長期貸付金は、貸付先の関係会社の財務状況を定期的に確認しております。

営業債務である買掛金、未払金は、そのほとんどが1年以内の支払期日であります。

借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であります。

通常の事業活動の過程において、金融資産・負債を含むいくつかの金融商品を保有しております。一部の金融商品は外国為替相場の変動リスクに晒されております。そのようなリスクを管理するために、リスク管理方針を制定し、先物為替予約等のデリバティブ取引を利用することとしております。なお、投機目的でデリバティブ取引を行うことはありません。

また、営業債務や借入金は、流動性リスクに晒されておりますが、資金繰り計画を作成するなどの方法により管理しております。

2.金融商品の時価等に関する事項

当事業年度末における貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。なお、市場価格のない株式等は、次表には含めておりません((注2)参照)。また、現金は注記を省略しており、預金、受取手形、売掛金、未収入金、買掛金、短期借入金、未払金、未払法人税等、預り金は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから、注記を省略しております。

(※1) 負債に計上されているものについては( )で示しております。

(※2) 1年以内に期限到来のものを含んでおります。

貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合等への出資については、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日)第24-16項に基づき、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第4項(1)に定める事項の注記をしておりません。なお、貸借対照表計上額は742百万円であります。

(注1)金融商品の時価の算定方法並びに市場価格のない株式等以外の有価証券に関する事項

(1) 投資有価証券(その他有価証券)

これらの時価について、株式は取引所の価格によっており、債券は取引所の価格又は取引金融機関から提示された価格によっております。また、保有目的ごとの有価証券に関する注記事項は以下のとおりであります。

①当事業年度中の売却額は354百万円であり、売却益の合計額は224百万円であります。

また、種類ごとの取得原価又は償却原価、貸借対照表計上額及びこれらの差額については、次のとおりであります。

②当事業年度中において、減損処理を行ったものはありません。

(2) リース債務

リース債務の時価については、元利金の合計額を、新規にリース期間と同一の期間で借入れた場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。

(注2)市場価格のない株式等

これらについては、「(1)投資有価証券(その他有価証券)」には含めておりません。

当事業年度中において、子会社株式について、369百万円減損処理を行っております。

賃貸等不動産に関する注記

1.賃貸等不動産の状況に関する事項

東京都その他の地域において、オフィスビル等(土地を含む)を有しております。

2.賃貸等不動産の時価等に関する事項

(注1)貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額であります。

(注2)当事業年度末の時価は、主として不動産鑑定士による評価額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)であります。

関連当事者との取引に関する注記

1.親会社

取引条件及び取引条件の決定方針等

(注1) CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)からの借入については、市場金利を勘案して合理的に決定しております。

(注2) 取引金額には、事業年度中のCMSによる平均残高を記載しております。

(注3) サービス提供コスト等を勘案し、両社の協議により合理的に決定しております。

2.関連会社等

取引条件及び取引条件の決定方針等

(注1) サービス提供コスト等を勘案し、両社の協議により合理的に決定しております。

3.兄弟会社等

取引条件及び取引条件の決定方針等

(注1) 債権の譲渡については、市場価格を勘案した一般的取引条件をもとに決定しております。

(注2) 取引金額には、事業年度中の平均残高を記載しております。

(注3) CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)からの借入及び預け入れについては、市場金利を勘案して合理的に決定しております。

(注4) 取引金額には、事業年度中のCMSによる平均残高を記載しております。

(注5) 近隣ビルの相場を勘案した金額で取引を行っております。

(注6) サービス提供コスト等を勘案し、両社の協議により合理的に決定しております。

1株当たり情報に関する注記

1株当たり純資産額 383,852円46銭
1株当たり当期純利益 60,611円21銭

収益認識に関する注記

収益を理解するための基礎となる情報

当社は主に、クラウド基盤サービス、データネットワークサービス、ボイスコミュニケーションサービス、ソリューションサービス、ドコモ代理業務サービスを提供しております。

1.クラウド基盤サービス

クラウドサービス、データセンターサービスなどを顧客に提供しており、これらの提供に従い収益を認識しております。

データセンターサービスに係る工事料については契約負債として繰延べ、契約期間等のサービスの履行義務が充足される一定の期間にわたって収益を認識することとしております。

クラウド基盤サービスの取引の対価は、顧客との契約に基づき月次等で請求しており、概ね請求日の翌月から翌々月に受領しております。

2.データネットワークサービス

クローズドネットワークサービス、オープンネットワークサービスなどを顧客に提供しており、これらの提供に従い収益を認識しております。

データネットワークサービスに係る一部の販売代理店に支払う手数料については、実質的に売上値引きに該当すると判断し、収益から控除しております。

データネットワークサービスの取引の対価は、顧客との契約に基づき月次等で請求しており、概ね請求日の翌月から翌々月に受領しております。

3.ボイスコミュニケーションサービス

電話サービス、VoIPサービスなどのボイスコミュニケーションサービスを顧客に提供しており、これらの提供に従い収益を認識しております。

ボイスコミュニケーションサービスの取引の対価は、顧客との契約に基づき月次等で請求しており、概ね請求日の翌月から翌々月に受領しております。

4.ソリューションサービス

システム開発や、統合ITソリューションサービスなどのシステムインテグレーションサービス、保守運用サービスなどを顧客に提供しております。

システムインテグレーションサービスは工事の進捗に応じて一定の期間にわたって顧客に成果が移転するため、工事の進捗度に基づき収益を認識しております。また、原価の発生が工事の進捗度に比例すると判断しているため、進捗度の見積りには発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)を用いております。工事の進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合には原価回収基準を用いており、履行義務を充足する際に発生する費用のうち、回収することが見込まれる費用の金額で収益を認識しております。

また、損失の発生が予測される場合の損失引当は、引渡時に見込まれる全ての収益及び費用の見積りに基づいて認識しております。認識された損失は、契約の進捗に従って見直すことがあり、その原因となる事実が判明した事業年度において計上しております。

保守運用サービスは、顧客へのサービスの提供に従い収益を認識しております。

保守運用サービスの提供にあたり必要となる初期工事に係る代金を一括で受領した場合にはその工事料を契約負債として繰延べ、契約期間等のサービスの履行義務が充足される一定の期間にわたって収益を認識することとしております。

ソリューションサービスの取引の対価は、顧客との契約に基づき月次等で請求しており、概ね請求日の翌月から翌々月に受領しております。

5.ドコモ代理業務サービス

株式会社NTTドコモから代理委任を受ける法人向け携帯回線、端末、サービス等に関する販売/販売推進/企画/保守/運用等の業務及び代理店管理業務を提供しております。

ドコモ代理業務サービスは、代理委任を受けた業務の顧客への提供に伴い収益を認識しております。

ドコモ代理業務サービスは、当初事業計画から、当社で法人代理業務を行うにあたり必要な人件費・経費等を見積り、当該費用金額にマークアップを乗せた金額で収益を認識しております。

ドコモ代理業務サービスの取引の対価は、顧客との契約に基づき3ヵ月毎に請求し、概ね請求日の翌月から翌々月に受領しております。