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高度な技術を要するデリケートかつ緻密な作業が行われる大学教育の実験現場では、実験の工程や結果を遠隔から多くの学生と共有するためのツールを長年にわたり模索してきました。その課題を解決したのが、4K映像伝送アプリケーション。遠隔実験の質の向上に大きく貢献しています。

1. 【大学課題】遠隔授業で「実験」を共有する仕組みづくりを

中部地域における、総合的な高等教育・研究の中心である国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学は、質の高い授業を提供するとともに、実験データの蓄積や地域/グローバル企業との連携を果たしています。
なかでも、高度な専門職業人の養成をめざす同大学理系の学部では、実験での職人的な技術習得や技術継承が求められています。

実験を行う学生は、緻密で高度な技術が要求されます。
そのため、事前に体験させたりシミュレーションさせるための取組みが重要かつ必要になります。
たとえば工学部の実験では、セラミックなどの試料を1μm以下の極薄にカット・研磨して測定装置へセットするなど、肉眼では見えないような作業を行います。
この緻密な手作業を、多人数の学生に対して具体的に教えることは困難なことでした。
撮影するにも通常のカメラの映像ではぼやけて細部の観察が難しいため、顕微鏡の高精細な画像を多人数で観察できる仕組みを長年模索してきたのです。

また実験に使用する機器はすべて精密機器のため、不慣れな実験者が破損した場合の高額な修理費用が研究費を圧迫することも大きな課題の一つでした。
学生の技術が習熟するまでは指導教員が操作する手元を高画質映像で観察し、十分に理解・習得することが、結果的に不要な損傷を回避できることにつながります。
質の高い遠隔実験/授業支援を可能にし、これからの研究/実験のイノベーションにもつなげられる「4K映像伝送アプリケーション」こそが、その答えでした。

2. 【技術的背景】スマホ撮影による4K映像伝送のオールインワン

「4K映像伝送アプリケーション」に使われたのは、4K映像配信用サーバー1台と撮影用4Kスマホ1台、視聴用スマホ4台、4K対応テレビ2台で、専用アプリを用いてリアルタイムに送受信するというシンプルさです。
スマホは狭いところにも入り込んで、実験の細かい作業を撮影することが可能で、そのまま4K映像が伝送/配信されます。
一方、受け取る側は、かつては手元の観察が不可能だった実験作業を鮮明な画像で見ることができます。
また、実験中の動作や得られるデータを保存することも可能で、学生や研究員たちが「いつでも」「どこにいても」実験作業を確認でき、学習や技術の習得に活かすことができます。

岐阜大学では、これに先生方やスタッフが所有するパソコン5台と構内を自由に移動するテレプレゼンスロボットを組み合わせ、大学独自の遠隔配信システムを構築します。
Teamsでのネット会話を加えることで、自宅で学ぶ学生や海外の学生、研究員などにも実験を共有することを可能にしました。
撮影画像を別室の4Kテレビに接続すれば50インチの大画面で見られるため、実験の参加人数を増やすこともできるようになりました。

今後5Gネットワークを活用すれば、大容量・低遅延・多接続の、質の高い実験映像の伝送/配信が実現します。

技術背景 4K映像伝送アプリケーション

3. 【大学評価】教育・研究現場におけるイノベーションを実感

緻密な手作業を遠隔から観察できる「 4K映像伝送アプリケーション」は、教授/指導教員や学生に高い期待を持って迎えられています。

「職人技ともいえる技術を必要とする実験において、その技術を次世代に引継ぐための教則本となりうる映像資料を残せることを、ありがたく感じています。 細かな手の動きを記録して繰り返し見て技術を習得できる。これは教育現場における財産でもあり、研究データのアーカイブを残す上でも最適な技術です」(岐阜大学 高等研究院共用推進支援センター 大矢豊教授)。

「高画質カメラなどの高価な機材が不要で安価に導入できる。しかもスマホという使い慣れたツールで、操作方法に迷いがなく導入後のロスタイムがないのがいいですね。そして実験データがそのまま保存できるということはエビデンス管理の機能にもなり、10年の管理義務がある研究データのマネジメントにも適しているといえます」(岐阜大学 学術研究・産学官連携推進本部 研究プロジェクト企画・推進部門 利光哲哉特任講師)。

スムーズな遠隔実験と、データ蓄積の自動化により卒業研究や研究論文の作成にも大幅な効率化を生むと見込まれます。さらに、5Gによる教育・研究現場のイノベーションは、教員と学生、学生間のコミュニケーションを円滑にし、情報交換を容易にしていくといえるでしょう。

教育・研究現場におけるイノベーションを実感

4. 【将来展望】5Gによるグローバルな研究発展に期待

今後5Gネットワークが普及することで4K映像伝送の活用の幅は大きく拡がっていきます。

「岐阜大学では4K映像や画像をAIで解析し、MRやVRといった仮想現実技術などと組み合わせて最適な実験方法や実験の事前シミュレーション、実験現場への遠隔指導などに向けて実用化を進めています。

今後研究/実験現場においても、遠隔/ネットをキーワードとした学外研究機関や企業との共同研究が活性化すると考えます。
さらに、5Gの普及が国内外の地域や距離、人の移動に制約されることなく、遠隔授業や遠隔実験が行えるようになり、研究現場でのイノベーションが加速されていきます。
公衆回線を利用するドコモの5Gネットワークや対応機器の利用が、イノベーション実現への重要な役割を果たしていくものと期待します。

国内の主要製造業が集まる岐阜県内においては、大学と地域企業との共同研究にも5Gと4K映像の技術が重要視されています。
また、国内の研究機関や海外の大学との共同研究で、グローバルな研究発展に寄与するためには、今の時代遠隔からの実験参加や仮想現実技術(VRやMRなど)+AIを利用した事前シミュレーションが不可欠な技術となりつつあるのは間違いありません。

5Gによる4K映像伝送は、今後リアルタイム伝送の特質やデータマネジメントの観点から遠隔医療への貢献も期待され、さまざまなAI技術と組み合わせることで無限に活用法が生み出されていくでしょう。

5Gによるグローバルな研究発展に期待

5.導入ソリューション/導入検討資料ダウンロード

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