5Gを活用した救急搬送高度化ソリューションで、より的確な判断が可能に――「移動局間での3者間データ送受信を可能に。」実証実験レポを見る 5Gを活用した救急搬送高度化ソリューションで、より的確な判断が可能に――「移動局間での3者間データ送受信を可能に。」実証実験レポを見る

2018年の救急自動車による救急出動件数は、約660万件、搬送人員数は約600万人となり、過去最多を更新しました。一刻を争う救急医療の現場では、スピーディで的確な医師の判断は救命率の向上につながると考えられますが、現状、音声情報のみで判断しなければならない場合が多く困難な状況です。5Gを活用することで、この課題を解決できるでしょうか?
今回は、救急指定病院と救急車・ドクターカーの間に5Gを用いた通信路を構築。高精細な診断用映像の伝送を可能とすることで、適切な処置を行うまでの時間の大幅な短縮と救命率の向上をめざした、救急医療分野で初の5G実証試験をご紹介します。

「移動局間でのデータ送受信」がポイント 「移動局間でのデータ送受信」がポイント

前橋市役所の11階会議室を救急指定病院に見立て、12階の窓際両端(東西)に2基、5G基地局を設置。前橋市役所周辺を、走行ルートとして設定しました。

救急車とドクターカーにもそれぞれ5G移動局を搭載。ベッドサイドモニターなどの各医療機器の映像を3者間で共有する仕組みとし、救急車からの4Kで高精細な映像をドクターカー側で受信するという、「移動局間でのデータ送受信」が、試験のポイントとなりました。

「移動局間でのデータ送受信」がポイント

4K接写カメラによる映像やエコー、心電図などの複数の情報を共有しながら搬送 4K接写カメラによる映像やエコー、心電図などの複数の情報を共有しながら搬送

検証に当たっては、「交通事故、50代男性が乗用車との接触事故により受傷した」という通報により、救急車・ドクターカーが出動。3者間のリアルタイムコミュニケーションシステムを用いて、 マイナンバーカード(救急搬送支援システム)による患者情報の特定(患者本人の確認、既往歴、服薬、緊急連絡先)や、4K接写カメラによる左側頭部皮下血種や右胸部の打撲痕・奇異性運動の映像を救急車から共有し、 途中、ドッキングポイントで患者を救急車からドクターカーへ移し替えた後、ドクターカーから医療機関へ超音波診断装置(エコー)の映像や12誘導心電図の映像共有を行いながら患者を搬送するというシナリオで試験を行いました。

4K接写カメラによる映像やエコー、心電図などの複数の情報を共有しながら搬送

高精細な4K映像と多数同時接続で、より的確な判断が可能に 高精細な4K映像と多数同時接続で、より的確な判断が可能に

当日参加した医師からは、「救急隊からの情報は音声であり現場の状況を想像するしかなかった。しかし、5Gによる映像伝送はあたかも目の前に患者さんがいるかのような状況を創り出すことが出来る。 さらに、複数の情報を一度に伝送できることから的確な判断が行いやすい。5Gは救急医療の現場で有効だ」というコメントをいただきました。

高精細な4K映像と多数同時接続で、より的確な判断が可能に

救急医療の未来 救急医療の未来

今回の実験では、5Gの超高速・超低遅延・多数同時接続を活用し、医師に詳細な状況をリアルタイムで伝えることができました。

救急医療×5Gでは、近い将来、緊急搬送中における遠隔医療なども考えられます。移動中でも高精細映像を用いた遠隔手術などが実現していくことでしょう。

救急医療の未来

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