9月18日(水)、5Gプレサービス発表会「5G OPEN DAY」をベルサール汐留にて開催しました。
2020年春の5Gサービス開始に向けて、会場では5つの産業別カットで、それぞれの社会課題を解決するソリューションが展示され、さらに前進した5Gの期待を示すものとなりました。
オープニングスピーチには、「ドコモが描く5G時代」と題して代表取締役社長 吉澤和弘が登壇。5Gプレサービスのキーワードである「5G OPEN」を背景に、5Gが新しい世界や社会への扉をひらくものであることを宣言しました。
5Gプレサービスでは、2020年春に開始予定の商用サービスと同じネットワーク環境を提供。5Gの特徴である「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」を活かし、スポーツ、ゲーム、観光、音楽などでの新たなビジネス創出や、社会課題の解決をめざしていきます。
「料金はいただきませんが、プレサービスを本格的な5Gが開始する日と位置づけています。5G環境をみなさまにご体験いただくとともに、5G環境を使ったビジネス開発を本格的に開始する日でもあります。『実は5Gのサービスはあの日からはじまっていた』と思っていただけるような密度の濃い期間にしていきたい」と吉澤は意気込みを語りました。
吉澤は「現時点で、3000社を超えるパートナー企業のなかから約200ものトライアルを実施し、ビジネススタートに向けて具体的な議論が進んでいます。パートナー企業のみなさんからも『早く5G環境を使いたい』との声をいただいており、今後の展開を加速していきたい」と話します。
5Gの基地局については、10,000名以上のエンジニアが関わりドコモグループが総力上げて取組み、2021年までに1万局の構築をめざすとしています。コアネットワークの仮想化を進め、複数ベンダーとの相互接続を実現し、自由度が高く低コストなネットワークの実現を図っています。
また、ドコモでは、9月20日から5G時代の協創プラットフォームである「ドコモオープンイノベーションクラウド®(※)」の提供を開始。低遅延・セキュアなクラウド環境を活用しながら、新たな価値創出や社会課題解決に向けた取組みを推進していくとしています。
- ドコモオープンイノベーションクラウド(dOIC)は、ネットワークの伝送遅延の低減とセキュアなクラウド環境を実現するMEC(Multi-access Edge Computing)の特徴を持ち、ドコモのネットワーク網にクラウド基盤をつなぐことで実現しています。
合わせて、「ドコモ5Gオープンラボ®」を4拠点から11拠点に一気に拡大を行います。これらは「5Gプレサービス」のエリアとしてオープンし、プレサービスで使用する5G無線基地局と端末を用意して、5Gの伝送能力を体感していただくとともに、4K映像伝送環境や高精細VR環境なども用意します。最後に吉澤は、「全国のパートナーとともに、5Gを利用し社会や産業全体の課題解決に向けた取組みを加速してまいります」とスピーチを締めくくりました。
続いて、取締役常務執行役員 坪内恒治が登壇。「5G時代の協創に向けた取組み“5G Vision”」と題して、5Gでライフスタイルやビジネスシーンがどのように変わるのかを説明しました。
まずXR技術に強みを持つMagic Leap社との提携を軸に、MRグラスと5Gの連携が可能にする臨場感あふれるXR体験を紹介しました。(※1)
坪内は「新たな5Gサービス創出のために、VR/AR/MRといったXR領域での取組みを強化していき、家のなかで、屋外でさまざまな体験を提供していきます」と今後の展開を語りました。
ドコモでは、5Gスマートフォンをハブとして、ユーザーが必要とする周辺デバイスと接続して新たな世界を体験できる「マイネットワーク構想」を描いています。
その一例として、トーナメントサプライヤーを務めるラグビーワールドカップ2019におけるマルチアングル観戦と遠隔地でのライブビューイングを解説。スタジアムに配置したカメラの映像を自由に切り替えられることで、今までにないスポーツ観戦体験を実現します。
また、5Gの世界を体験できるコーナーを東名阪の一部のドコモショップなど(d garden五反田店、ドコモショップ丸の内店、ドコモスマートフォンラウンジ名古屋、ドコモショップグランフロント大阪店)に設置し、今後十数店舗に拡大すると話しました。
坪内の紹介を受け、3000社を超えるパートナー企業を代表して、株式会社ワコム 代表取締役社長兼CEOの井出信孝氏が登壇。創業以来、クリエイティブユーザー向けペンタブレットを軸に成長してきた同社ならではと言える、創作活動におけるディマンドの解決について紹介しました。
映画製作、アニメ製作、ファッション、プロダクトデザインなど幅広い分野で活用されているワコムのペンタブレット。現場からは「画面に向かって書き込む2Dの環境だけでなく、直接3Dの環境でクリエーションしたい」「1箇所のスタジオでクリエーションするのではなく、遠隔地をつないで共同製作したい」といった意見が寄せられていました。
そうしたニーズに対して、「5Gネットワークが実現する遅延なくセキュアな環境を活かして、時間・場所・環境から解き放たれた、自由でより発展性のある創作環境を提供できるようドコモさんと一緒に取組んでいます」と井出氏は話します。
井出氏は自動車デザインのワークフローを例に、XR空間描画に最適化されたインプットデバイスを用いたソリューションを紹介。実寸大のクレイモデルを用いることなく、リアルタイムに、リアルサイズでデザインできるソリューションの強みを説明しました。
「5Gであれば、1つのクラウド上に複数のデザイナーが集まって、議論したり、書き加えたりといったデザインコラボレーションを実現することも可能になります。そうした未来に向けて、協創を進めていきたいと思います」
井出氏のプレゼンテーションの後、再び坪内が登壇。「課題をお持ちの業界に対して、パートナー企業の多様な技術と5Gの先端技術を組合わせて解決していくことが5G時代のビジネスだと考えています。今後も引き続き、さまざまな産業分野に展開していきたいと思います」と話しました。
坪内は、ドコモと協業を発表した日本プロゴルフ協会(以下、PGA)会長の倉本昌弘氏の講演を改めて言及(※2)。倉本氏によると、現在のゴルフ業界はプレイヤー数の減少、またそれによるゴルフ場売上の減少などさまざまな課題を抱えているといいます。
そうした課題に対して、ゴルフレッスンの遠隔提供によるゴルフの活性化を図ったのが、今回のドコモとPGAの連携です。
具体的には、レッスン受講者の練習模様を4K映像で撮影し、その映像とAIによる解析結果を遠隔地の指導者がリアルタイムに参照できるようにすることで、これまでPGAゴルフアカデミー加盟店でしか受けることができなかった「PGAメソッド」によるゴルフレッスンを各地の練習場でも受けられるようにするというものです。
坪内は、「最先端の技術と5Gを活用することで、場所を越えたレッスンという教育的な役割だけでなく、プレイしたり観戦したりする楽しさを伝える役割といった、さまざまな角度から共創モデルを生み出すとともに、地域に根付くゴルフビジネス全体の活性化を実現したい」と語ります。
最後に坪内は、「2020年はドコモにとっても、日本とっても大きな転換点となる年。私自身も今からワクワクしています。これから5G の世界がスタートします。みなさまもぜひドコモの5Gにご期待ください」と講演を締めくくりました。
本イベントでは、講演のほかに、2箇所の会場に分かれ、5Gが実現する世界観や5Gオープンパートナーが提供するソリューションを紹介する展示が設けられました。
会場には、5Gプレサービス対応端末として、4機種が展示。デュアル画面端末を用いた大容量動画のマルチアングル視聴のデモなども見られました。
そのほか、ARを組合わせたe-sports観戦やデータを受信しながら利用できるストリーミングゲームサービス、5GとXRを活用したスポーツ観戦など5Gで広がるエンターテインメント分野のほか、先述のワコムが実現するVR空間を利用したクリエイティブ活動、高精細映像とAIを応用したゴルフの遠隔レッスン、観光サービスなど、あらゆる分野に広がる5Gのインパクトが伺えました。
またパートナー企業による展示ゾーンでは、「Public」「Education」「Industry」「Work」「Healthcare」の5つのテーマで各社のソリューションを展示。 人口減少社会を迎え、さまざまな業界で課題が山積する現在、あらゆる業界に広がる3000社のパートナーネットワークで、5Gを活用して労働力問題や地域活性化の問題を解決しようとする動きが感じられました。
「Public」
AIを搭載した「バーチャル警備員」による警備業務の効率化や、生活のさまざまなシーンに利用できる顔認証システム、災害時の誘導に役立つ多機能を備えた「スマート街路灯」など生活を支える多彩なソリューションが展示されました。
「Education」
高画質な4KのAR・VR映像を用いて遠隔地からでも対話的・体験的な学習ができるソリューションや、被写体を360度どの視点からでも見られる動画をリアルタイムに配信することで遠隔地間のスポーツ指導を可能にするソリューションが新しい教育のかたちを実現します。
「Industry」
人手不足が懸念される製造業界を業務の自動化や省力化を強力に支援する各種ソリューションが紹介されました。具体的に、製造現場で使用される各種機器をネットワークで接続して自動化したスマートファクトリー、5Gの無線を使って制御を行うタワークレーンや自動搬送ロボット、ARグラスを利用した現場作業員との遠隔コミュニケーションなど、製造現場のスマート化を実現する展示が見られました。
「Work」
依然として関心度の高い働き方改革作に関連し、従業員の高齢化が懸念されるインフラ点検のロボットによる省人化や、ドローンで収集したデータを用いて現場を忠実に再現した「デジタルツイン」により、遠隔地からでも現場作業を支援するソリューションなどが展示されました。
「Healthcare」
ロボット手術の3Dカメラ映像をXR技術により立体空間に写すことで医療技術の暗黙知を共有するソリューション。また8Kの高精細な手術映像をリアルタイムに伝送したり、遠隔医療や遠隔手術支援を可能にするソリューションにも5Gの活用が大きく貢献できることを示しました。
ドコモでは、上記のほかにもさまざまなパートナーとの共創によって、5G時代でさらに豊かになる社会の実現をめざしていきます。
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- 「ドコモ5Gオープンラボ」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
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