―挑戦したい20代30代の方に向けてアドバイスをお願いします。
倉橋:僕が会社を辞めて起業にふみ切れた最後の理由は、「ミスっても死なない、なんとでもなる」と思えたことでした。
「死なないなら、動かない理由がない」と思ったんです。
また、やるからには「徹底的に大きな夢」を掲げたほうがいい。
自分のナレッジやスキルをアピールしても、自分に満たないか同じくらいの仲間しか集まりません。
しかしながら「こういう社会にしたい」という、誰も成し遂げていない世界観の話であれば、自分より優れた何かを持っている人が集まりやすい。
だからこそ、大きな夢を語ったほうがいいのです。
―SaaS領域におけるチャレンジはどのように考えたらよいでしょうか?
倉橋:BtoBやSaaSなどのカテゴリーで考えるのであれば、若い人でも良いサービスはつくれると思います。
ただし、エンタープライズ戦略やデータ活用、マーケティングなどは経験則が生きやすいカテゴリーです。だからというわけではありませんが、30~50代の方の起業がもっと増えるといいと思っています。
―2020年12月には東証マザーズに上場されました。最後に今後の展望を聞かせてください。
倉橋:最近よく言うのですが、僕は会社のフェーズというのは、「どこまで行きたいか」によって決められるべきだと思っています。社員数の規模や、上場・非上場といった客観的な尺度で決めてはいけません。
会社として行きたい目的地があって現在地がある。そう考えると、上場したとはいえ、我々はまだ始まったばかりのフェーズです。
それを、自分の責任、自分の覚悟で意思決定をして、チャレンジできる人がどれだけ社内に増えるかということを何よりも大事にしたいと考えています。