官民両面から地方創生に携わる中で見えてきた課題とチャンス
司会(以下、林):本日のゲストはNew Stories代表、Code for Japan理事を務める太田直樹さん。xID株式会社代表取締役CEO日下光さんのお2人です。本題に入る前におふたりから自己紹介と合わせて、それぞれの地方や行政との関わりや取り組みについてお話しいただきます。
太田直樹氏(以下、太田):地方に関わったのは2015年からで、それ以前は、海外で仕事をしておりました。今は大きく3つの領域で活動しています。
1つ目はNew Storiesという自分の会社です。いくつかの地域や企業と組んでスマートシティの取り組みを進めています。
2つ目は一般社団法人Code for Japanの理事として、東京都を中心とした新型コロナの対策サイトをオープンソースで作るなどの「シビックテック(Civic Tech)」活動を推進しています。
3つ目が国の仕事です。「デジタル田園都市国家構想」の有識者として、民間あるいはソーシャルセクターの活動をもとに、様々な提案を行っています。
今回は、この3つをぐるぐる回しながらセクターを超えて仕事をしている中で見えてきた課題やチャンスの話をさせていただきたいと思います。
日下光氏(以下、日下):ビマイナンバーカードに特化したデジタルIDソリューション「xID(クロスアイディ)」を提供する企業を経営しています。過去、エストニアに4年間在住し、現地政府機関のアドバイザーをしながら、日本のマイナンバーと同じ仕組みを使った、いわゆるGovTechサービスを作りました。
ここ2年ほどは、総務省の地域情報化アドバイザーという立場で、全国の自治体にエストニアの事例を伝え、マイナンバーカードが普及した先の社会について発信しながら、官民連携のプロジェクトやサービスの展開を推進しています。