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スターリンク(Starlink)とは?仕組みやメリット・デメリット、ユースケースを紹介

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スターリンク(Starlink)とは、数千機もの低軌道衛星を用いた「衛星ブロードバンドインターネット」のことです。
スターリンクを導入すると、通信環境が整備されていない山間部でも高速・低遅延のインターネット接続が実現します。

本記事では、スターリンクの仕組みや国内対象エリアなどの基本情報からメリット・デメリット、ユースケースまでをわかりやすく解説します。

スターリンク(Starlink)とは

スターリンク(Starlink)とは、低高度を軌道する衛星を活用したブロードバンドインターネットのことです。スターリンクを導入すると、通信環境が整備されていない山間部でも、高速・低遅延のインターネット接続ができるようになります。
スターリンクは、Elon Musk氏が率いるSpaceX社が提供しています。SpaceX社は自社で衛星の打ち上げが可能です。高頻度で打ち上げを実施しており、数千機もの衛星をインターネット接続に利用しています。万が一衛星が軌道上で故障して高度が低下した場合でも、地球の大気圏に突入すると消滅するよう設計されているため、地球に危険を及ぼしません。また宇宙ゴミである「デブリ」が残らないよう、安全性に重視して設計されている点も特徴です。

スターリンクとは画像

仕組み

スターリンクの衛星ブロードバンドインターネットは、受信機であるアンテナを地上に設置して初期設定を行うと、近くの衛星から通信を行う仕組みです。
従来の衛星を活用したインターネットサービスでは、高度3.6万km以上を周回する静止衛星が使用されていました。しかしデータの往復時間が長く、回線に遅延が生じやすい点に課題がありました。対するスターリンクは、衛星が高度550kmの軌道を周回しています。さらにSpaceX社は何千機もの衛星を打ち上げているため、高速・低遅延の通信が実現しました。

仕組みイラスト画像

速度

スターリンクのオフィシャルサイトが提供するマップで速度や遅延状況を確認したところ、東京では以下の速度・遅延状況でした(2024年1月時点)。

スターリンクの速度・遅延状況(2024年1月時点・東京)
ダウンロード速度(下り) 158Mbps - 246Mbps
アップロード速度(上り) 16Mbps - 32Mbps
遅延 37ms - 55ms

一般的に、利用シーンごとに必要な通信速度は以下のとおりであるため、スターリンクのビジネス利用は十分可能であるといえます。

動画閲覧画像

動画閲覧

下り25Mbps

Web会議画像

Web会議

上り・下り15Mbps以上

Webサイト閲覧画像

Webサイト閲覧

下り10Mbps以上

国内対象エリア

スターリンクは低軌道衛星を数多く打ち上げることで、山間部を含む日本国内全域を広くカバーしています。海上についても、領海の基線からその外側12海里(約22km)を超える、接続水域、排他的経済水域、公海含めた広いエリアで高速データ通信が可能です。
周回する衛星は最終的に1.2万機まで増加する予定があり、さらに快適なインターネット接続が実現すると期待されています。

スターリンク(Starlink)のメリット

スターリンクは、不感地帯(電波が届きにくいエリア)のさまざまな課題を解決すると見込まれています。ここでは3つのメリットを見てみましょう。

スターリンクのメリット画像

通信環境が整備されていない場所でもインターネット接続できる

数千機もの衛星を活用するため、キャリアのモバイルエリア対象外で、光回線の敷設も難しい山間部でも、インターネット接続が可能になります。山間部集落などでも通信手段を確保できることにより、電子決済のスムーズな活用や医療格差の解消に貢献するでしょう。

高速・低遅延通信が実現する

スターリンクは多数の低軌道衛星を活用しているため、高速・低遅延通信が実現します。たとえば光回線が使用できない土木現場などでスターリンクを導入すると、3D画像を用いたデジタルツインの活用が可能です。場所を問わずIoTが活用できるようになることで現場DXが進み、柔軟なワークスタイルを導入しやすくなります。

災害時でも通信手段を確保できる

スターリンクはインターネット接続が途絶した被災地でも通信手段を確保できるので、災害時のBCP対策となります。自治体や企業は社員の安否確認や事業継続、復旧活動のために、災害時でも利用できる高速の通信環境を整備しておくことが重要です。衛星を活用したスターリンクなら、地上の状況に左右されず安定した通信が実現します。

スターリンク(Starlink)のデメリット

多くのメリットがあるスターリンクですが、デメリットも存在します。ここでは2つのデメリットを紹介します。

スターリンクのデメリット画像

空に遮蔽物があると利用できない

地上に設置するアンテナの上空に、衛星との接続を妨げる遮蔽物があるとサービス中断の恐れがあります。そのため障害物のない場所に設置しましょう。
スターリンクの導入自体は簡単で、天空が開けた場所にアンテナを設置してルーターを接続し、初期設定するだけで手軽に利用を開始できます。ただし陸上において移動しながらの利用はできません(日本国内)。天空が開けた安定している場所にアンテナを設置して使用しましょう。

スマートフォンへのダイレクトアクセスはこれから

2024年1月時点において、スターリンクの衛星からスマートフォンへのダイレクトアクセスはできません。スマートフォンでスターリンクを利用するには、Wi-Fiルーターを経由する必要があります。
スマートフォンでの受信を可能にする「Direct to Cell」という衛星が、SpaceX社から打ち上げられており、今後、衛星とスマートフォンを直接通信できるサービスが提供される予定です。

NTTドコモグループのStarlink Business(スターリンクビジネス)

NTTコミュニケーションズは、NTTドコモがStarlink認定再販事業者として提供する衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」の販売をしています。Starlink Businessの導入で、さまざまなニーズに合わせて不感地帯の通信改善やBCP対策が実現します。たとえば以下のユースケースでStarlink Businessの活用が可能です。

Starlink Businessを活用できるユースケース
一次産業 農業 農薬・肥料散布、生育観測の自動化
林業 災害・生育監視などの森林モニタリング
水産業 データを活用した漁業支援
二次産業 畜産業 飼料供給の自動化
エネルギー業 スマートメーターや河川などの遠隔監視
建設業 不感地の土木現場、建設中の高層階からのインターネット接続
医療 災害時の遠隔医療
三次産業 情報通信業 放送局の無線中継網のバックアップ
サービス業 山間部の配送自動化、電子決済
公共 山間部での通信品質改善、DX促進

24時間365日のサポート窓口を開設しており、配送、設置、操作方法、故障などの相談ができるため、安心してご利用いただけます。

続いて、Starlink Businessを導入した2つのユースケースを紹介します。

自治体

|不感地帯がある自治体の通信環境を改善

自治体ユースケースイラスト画像

山間部や島しょ部など通信キャリアや光回線が利用できない自治体において、Starlink Businessを導入するとインターネット接続が実現します。LANケーブルなしで手軽に実現できる広域Wi-Fiなど複数のソリューションを組み合わせ、村全体や沿岸をWi-Fi化することで住民の利便性が向上します。
たとえば電子決済や遠隔医療をスムーズに導入・活用できるようになり、沿岸警備や遠隔監視などの業務効率化につながる点がメリットです。

土木業

|山間部の土木現場をデジタル化

土木業ユースケースイラスト画像

山間部の土木現場においてデジタル化を促進するために、Starlink Businessを活用できます。通信キャリアのモバイルエリアが対象外で、光回線の敷設も困難な現場では、IoTセンサーやデジタルツインなどを利用できない点に課題があります。Starlink Businessの衛星インターネットサービスは、不感地帯でも高速インターネット接続が実現します。重機の遠隔操縦やデジタルツインを活用できるようになり、現場DXの推進につながる点がメリットです。

まとめ

数千機もの低軌道衛星を利用したブロードバンドインターネットであるスターリンクを導入すると、不感地帯でのデジタル化やBCP対策の推進につながります。従来の静止衛星と比較して高速・低遅延の通信が実現することから、今後のビジネス活用が期待されています。

NTTコミュニケーションズは、NTTドコモがStarlink認定再販事業者として提供する衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」の販売をしています。弊社が提供するネットワークサービスやクラウドサービス(IoT、デジタルツイン、働き方改革、現場DX)とStarlinkを組み合わせた提供が可能なため、衛星インターネットサービスの導入効果を最大化できます。多様なユースケースに対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

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