翻訳ツールの種類と業務改善方法

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翻訳ツールを使用すれば、翻訳時間の短縮や、翻訳にかかるコストの削減など、さまざまなメリットが得られます。AI翻訳や翻訳支援ツール(CAT)、翻訳管理ツール(TMS)などさまざまな翻訳ツールがある中で何を使うべきか迷っている方もいるかと思います。翻訳ツールの種類や導入メリットを詳しく紹介します。

無料AI翻訳ツールと法人向け有料AI翻訳ツールの違い

近年、企業のグローバル化によって、翻訳が必要になる場面が増えてきています。より高精度の翻訳をしたい、より手軽に時間をかけずに翻訳をしたいなどの要望をかなえるのがAI翻訳ツールです。AI翻訳ツールを使えば、ほとんど時間をかけずに高精度の翻訳が可能です。

AI翻訳ツールには、「Google翻訳」に代表されるような個人向けの無料ツールと、法人向けの有料ツールがあります。まずは、無料ツールと有料ツールの違いを把握しましょう。

翻訳精度

近年の無料AI翻訳ツールは、有料AI翻訳ツールに引けを取らないくらい、翻訳の精度が上がってきています。しかし、法人向けの有料AI翻訳ツールには、各種業界や企業でよく使用される専門的な用語や言い回しなどを登録できる辞書機能が搭載されているため、より自社に適した専門性の高い翻訳が可能です。例えば、同じ「client」という単語でも、「依頼人」や「患者」など、業界や企業によって適切な翻訳は異なるため、辞書機能の有無は翻訳精度に大きく影響します。ただし、ツールによっては辞書機能が日本語に対応していないなど、機能に制限がある場合があるので、ツール選びの際には注意が必要です。

セキュリティ

無料AI翻訳ツールの場合、翻訳のために入力したテキストやファイルが翻訳ツール上で保存され、学習のためのデータとして利用されてしまう場合があります。仮に企業で無料AI翻訳ツールを使った場合、情報が社外に漏れるリスクが高まります。それが顧客情報や機密情報だった場合、大きな問題に発展しかねません。

一方、有料AI翻訳ツールであれば、翻訳のために入力したテキストのセキュリティ対策も配慮されています。翻訳データの暗号化や、学習に利用しないなどの機密保持規定が設けられているため、安心して翻訳を行えます。さらに、ログイン時の二段階認証や固定IPアドレスによる接続端末の制限、VPN接続など、より強固なセキュリティ対策がされているサービスもあります。

対応するファイル形式

無料AI翻訳ツールでは、翻訳したいテキストをツールに入力して翻訳を行うことが一般的です。WordやPowerPointなどの資料を翻訳したい場合、テキスト部分をコピー&ペーストして翻訳し、その翻訳結果をさらにコピー&ペーストして元の資料に戻す作業が必要となります。

一方、有料AI翻訳ツールには、WordやPowerPoint、Excel、PDFなどのファイルをそのままドラッグ&ドロップするだけで、まるごと翻訳を実現する「ファイル翻訳」機能を備えたものもあります。ファイル翻訳機能を使えば、テキストを何度もコピー&ペーストする必要がなくなります。また、図表やグラフ内のテキスト、プレゼンテーションノートも翻訳でき、レイアウトも大きく変わらず、アンダーラインや強調、色などの文字装飾も適切に保持・反映されるため、翻訳作業が大幅に軽減できます。

翻訳ツールの種類

翻訳ツールには主に3つの種類があります。

AI翻訳ツール

AI翻訳ツールは、入力したテキストやファイルを自動で翻訳できるツールです。
AI翻訳ツールの大きな特徴は文字通り、人間の知能をコンピューターで再現する人工知能(AI)を使った翻訳ツールであることです。最新の機械学習方式であるディープラーニングを活用したAI翻訳技術により、プロの翻訳家と遜色のないレベルまで翻訳精度が高まっているといわれています。

AI翻訳ツールの翻訳精度向上には、膨大かつ良質なデータによる学習が不可欠です。AI翻訳ツール提供事業者が機械学習に適したデータを収集・チェックして学習させているパターンと、利用者が入力した文章をそのまま学習させているパターンがあります。後者のパターンは、無料AI翻訳ツールや一部の有料AI翻訳ツールで採用されており、入力した文章に社内情報・機密情報があった場合でもAI翻訳ツールの学習に利用されてしまいます。結果として他社の翻訳に利用されるリスクがあるため、法人でのAI翻訳ツール選びの際には、事前に入力データが勝手に学習データとして使われないか、利用規約や契約内容を確認することをおすすめします。

翻訳支援ツール(CAT)

翻訳支援ツール(CAT)とは、Computer Assisted Translationの略で、翻訳メモリーなどに訳文を蓄積し、翻訳業務のスピードアップや精度向上を図るサポートツールです。主な機能には用語集や品質管理などがあり、より速く効率的に翻訳業務を進められます。

翻訳支援ツールは、企業内で多くの翻訳専門スタッフがいる場合に役立つツールであるといえます。過去の訳文データを翻訳専門スタッフ内で共有することで、大規模な翻訳を複数の人間が同時に行う際の訳し方のブレなどを押さえ、統一感のある適切な翻訳を実現できます。

翻訳管理ツール(TMS)

翻訳管理ツール(TMS)とは、Translation Management Systemの略で、翻訳にかかるリソースやスケジュールなどの管理ツールです。主な機能としては用語集や品質管理のほかに、ワークフロー管理や経理機能などがあります。

多くの翻訳専門スタッフがいる企業や翻訳専門会社には、翻訳管理ツールの導入が向いているでしょう。

AI翻訳ツールを導入するメリット

翻訳専門会社を除く一般的な企業には「AI翻訳ツール」の導入がおすすめです。AI翻訳ツールを利用することで得られる2つのメリットをご紹介します。

翻訳稼働を大幅に削減

AI翻訳ツールを利用すれば、翻訳稼働を大幅に削減できます。通常、プロの翻訳者でも翻訳スピードは1時間あたり300~500文字程度と言われています。一方で、AI翻訳なら英語が堪能な人が7時間かけて翻訳する内容をわずか2分程度で完了可能です。

翻訳コストの削減

AI翻訳サービスを使うことによって、従来必要となっていた社内の翻訳専門スタッフの人件費や、外部の翻訳会社・フリーランス翻訳者への外注費を削減することが可能です。

AI翻訳ツールの利用シーン

AI翻訳ツールに向いているのは、厳密な正確性までは不要で、翻訳スピード重視の文書です。海外の最新情報の把握や、社内資料・社内報など、細かい言い回しや表現の正確性が必要ではない場合は、AI翻訳ツールの翻訳結果を簡単に確認するだけでそのまま活用可能です。一方で、意訳が必要な文章や間違いの許されない契約書などの翻訳は、AI翻訳ツールによる翻訳後、最終的に社員や外部の翻訳会社で確認・修正することをおすすめします。

法人向けAI翻訳ツール導入のステップ

AI翻訳ツールの導入にあたっては、以下のステップがあります。

情報収集

はじめに、AI翻訳ツールに関する情報収集を行います。ツールによって機能や対応言語、料金体系(初期費用、月額料金)、セキュリティ対策などが異なります。自社の用途やポリシーに応じたAI翻訳ツールを検討しましょう。

トライアル

法人向けAI翻訳ツールでは、無料トライアルが提供されている場合が多いので、実際に試して精度や使いやすさなどを確認しましょう。

本格導入(関連担当への導入)

トライアルにより自社に合ったAI翻訳ツールであることが確認できたら、該当ツールの会社と契約して、本格導入をします。
法人向けのAI翻訳ツールでは辞書登録機能が提供されている場合が多く、自社の業務に応じた専門用語を登録することで翻訳精度を高められるため、積極的に活用しましょう。

本格導入(部署全体・全社への導入)

AI翻訳ツールの導入範囲を部署全体・全社と拡大していくことで、さらなる翻訳コスト削減が可能です。
従業員数が多い企業の場合、部署全体・全社に導入するタイミングでユーザーIDごとの料金体系ではなく、ユーザーID数 無制限の料金体系になっているAI翻訳ツールを導入することで、1ユーザーあたりの料金を低減できます。

法人向けAI翻訳ツール比較のポイント

法人向けAI翻訳サービス選びでは、翻訳精度だけでなく、セキュリティ、使いやすさ、料金がポイントです。

翻訳精度の高さ

まず重要度が高いのが「翻訳精度」です。特に翻訳対象となる文書の専門性が高くなるほど、精度の高さは重要になります。AI翻訳ツールの精度でポイントになるのが「翻訳性能」と「カスタマイズ性能」の2つです。

AI翻訳ツールは年々進化を遂げており、ツールによって使われているエンジンは異なります。多くのAI翻訳ツールでは、TOEIC 960点超レベルなど、各企業の調査による基準が明示されているため、これらの基準も目安にしながら必要な翻訳精度を持つツールを選びましょう。

カスタマイズ性能とは辞書登録や文体などのチューニング機能です。この機能を使うと社内独自の用語や業界の専門用語を登録したり、文体や表現を調整したりできます。自社に合わせたカスタマイズがどれくらいできるかによって、翻訳精度に差が出ます。

契約書や財務文書など、専門性の高い分野の翻訳を行う場合は、該当分野のキーワードや言い回しがあらかじめ学習されているAI翻訳ツールを選ぶことで、セッティングにかかる時間やコストを抑えられます。

セキュリティ

AI翻訳ツールで提供されている主なセキュリティは、以下の通りです。

  • VPN接続機能
    仮想の専用線を作り、専用のネットワークからのみ接続できるようにする機能
  • 暗号化機能
    ファイルそのものを暗号化したり、通信を暗号化したりする機能
  • IPアドレス認証機能
    特定のIPアドレスからのみのアクセスを許可し、それ以外からのアクセスは遮断する機能
  • ユーザー認証機能
    2段階認証など、ユーザー本人であるかどうかを識別する機能
  • ファイル削除機能
    一定時間を過ぎたら、登録されたファイルの情報を自動削除する機能
  • 入力情報の管理
    利用者が入力したデータを翻訳ツールの学習データとして勝手に利用しない

これらのセキュリティ対策が施されているかどうかを事前に確認の上、自社のセキュリティポリシーに合ったツールを選ぶ必要があります。注意点として、AI翻訳ツールによっては一部の言語の翻訳に外部の無料翻訳エンジンを利用している場合があります。この場合、セキュリティレベルが低くなるおそれがあるため、よく確認しておきましょう。

使いやすさ

AI翻訳ツールの主な機能には、以下のようなものがあります。

  • ファイル翻訳機能
    テキストだけでなく、WordやPowerPoint、Excel、PDFのファイルをまるごと翻訳する機能
  • レイアウト保持機能
    ファイル翻訳した際に、レイアウトをそのまま維持する機能
  • 逆翻訳機能
    テキストの翻訳結果を、原文の言語で再翻訳し、翻訳結果が正しいかを確認できる機能
  • 辞書登録機能
    特定の単語や用語の翻訳データを登録できる機能

業務で利用する翻訳ツールとして「使いやすさ」は非常に重要なので、上記の機能が揃ったものを選ぶようにしましょう。

料金

有料AI翻訳ツールを導入する際の比較軸として重要なのが料金です。AI翻訳ツールの料金の仕組みは、従量課金制と月額定額制の大きく2つに分けられます。従量課金制は翻訳文字数に応じて料金が増えるものです。月額定額制は翻訳文字数に関係なく、毎月一定の料金となります。

毎月の翻訳作業が少ない場合は従量課金制、一定の翻訳作業が発生するなら月額定額制を選ぶとよいでしょう。実際の翻訳作業では、原文の資料修正に伴って、翻訳ツールを複数回利用することとなるため、従量課金制では想定以上に高額となりかねません。また、料金が月によって変動してしまうため、予算計画が立てにくいといったデメリットがあります。法人でのAI翻訳ツール利用なら、翻訳ボリュームに関わらず固定料金で無制限に利用できる月額定額制がおすすめです。

AI翻訳ツールは、翻訳業務にかかる時間の短縮や効率化、より高度な翻訳を実現するツールです。企業で導入するなら、翻訳精度やセキュリティ、使いやすさの観点から、有料のAI翻訳ツールを選びましょう。

高精度なAI翻訳ツールCOTOHA Translator

COTOHA TranslatorはNTTコミュニケーションズが提供する、高精度なAI翻訳サービスです。
AI翻訳ツール選びの4つのポイントを踏まえて、サービスをご紹介します。

TOEIC960点超レベルの翻訳精度

日本語、英語、中国語3言語の相互翻訳が可能で(その他の言語もオプションにて対応)、その精度はTOEIC960点超レベルの日本人ビジネスパーソン、日本語能力試験1級の中国人ビジネスパーソンに匹敵します。例えば「ご無沙汰しております」「いつもお世話になっております」など、日本人独特の言い回しや表現も自然な翻訳ができます。

法人向けサービスならではの高いセキュリティ

翻訳元ファイルやその翻訳結果ファイル、登録辞書などの情報はすべて暗号化して管理されます。また、翻訳処理で抽出したテキストログは一切保持せず、翻訳結果ファイルもお客さまが指定した期間経過後にサーバーから自動削除されます。ログイン時の「二段階認証」にも対応しており、IPS/IDS、ウイルスチェックも導入済みです。さらに、セキュリティを重視するお客さま向けに、固定IPアドレスで接続端末を制限できる「IPアドレス認証あり」タイプや、VPN接続オプションもご用意しています。

ファイルまるごとスピード翻訳

Word、PowerPoint、Excel、PDFのファイルを管理画面上でドラッグ&ドロップするだけで、操作も簡単。レイアウトを変えずに「ファイルまるごと翻訳」ができ、業務効率も格段にアップします。また、人が7時間かかる25ページの文書の翻訳を約2分で完了するなど、圧倒的な翻訳スピードを実現しています。

どれだけ使っても定額料金だから安心

COTOHA Translatorは翻訳量や翻訳回数によらず月額定額の料金体系なので、どれだけ使っても料金は変動しません。事前に必要となる費用が把握できるので安心です。

※ 日本語⇔英語、日本語⇔中国語、英語⇔中国語の翻訳を10名以下でご利用の場合、月額料金80,000円(税込88,000円)となります。

まずは無料トライアルで翻訳精度や利便性をご確認ください。

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AI翻訳サービス導入をご検討の法人のお客さま向けに、1カ月無料トライアルをご用意しております。
翻訳精度や操作方法をご確認いただけますので、ぜひご活用ください。

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