法人向けクラウドストレージ|導入メリットとおすすめの選び方
2021年12月20日公開 (最終更新日:2021年12月20日)
オンライン環境さえあれば、どこからでもアクセス可能なクラウドストレージ。企業に導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるかを解説します。また、法人向けのクラウドストレージの選び方についても合わせてご紹介します。
目次
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1. クラウドストレージとは?
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・災害対策
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・容量
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5. まとめ
クラウドストレージとは?
クラウドストレージはオンラインストレージなどとも呼ばれる、インターネット上に設置されたデータ格納スペースです。従来はデータをUSBメモリーやDVDなどの物理的な保存用ストレージに保存していましたが、クラウドストレージを使うことでUSBメモリーなどが不要になります。
クラウドストレージの仕組み
クラウドストレージはサービスの提供者からユーザーにストレージ(保存場所)を貸し出す形を取ります。
ユーザーごとにIDとパスワードを設定し、ユーザーそれぞれが貸しスペースにログインして、その中にデータを格納したり取り出したりします。貸しスペースのログインページはすべてのユーザーが共用するものと、ユーザーごとに違うページを割り当てているものがあります。
個人向け・法人向けの違い
クラウドストレージには個人向けのサービスと法人向けのサービスがあります。主な違いは以下のような点です。
- 利用人数の制限・容量
- セキュリティ・サポート
- ストレージの管理者の配置・権限の付与
- コスト
法人向けのサービスでは大人数での利用を想定しており、大容量のファイルも扱えるようになっています。また、充実したセキュリティ機能も備えています。
管理者の配置や管理権限が付与できることは法人向けサービスの特徴です。アクセス権限を管理することで、情報の保護やストレージの適切な運用につながります。
近年、クラウドストレージが注目される理由
クラウドストレージが注目される理由には以下のようなものが挙げられます。
- リモートワークの推進
- 取り扱うファイルが大容量になった
- 資産、保守体制を自社で持つ必要がない
働き方改革やコロナ禍でリモートワークが進み、会社以外で仕事をする機会が増えました。従来のようにUSBメモリーでデータを持ち出すと紛失のリスクがありますが、クラウドストレージによる共有なら安心です。
また、企業が扱うファイルの容量が増え、従来のようにメールに添付する方法では共有が難しくなり、クラウドストレージに注目が集まっています。
総務省の「通信利用動向調査」によると、クラウドストレージを利用する理由として多くの企業が「資産、保守体制を自社で持つ必要がない」をあげています。
体制を整えながら運用することはコストや人材、時間のいずれもが必要になるため、自社で行うよりアウトソーシングした方が効率的で、より安全に資産を管理できると考えられているのです。
クラウドストレージを利用するメリット
企業がクラウドストレージを利用するメリットを具体的に紹介します。
どこからでもアクセス可能
いつでも、どこからでもファイルにアクセス可能な点は大きなメリットです。
外出先でも情報共有が可能
外出先でも情報共有が可能で、急に必要な資料が増えた場合も、会社に取りに戻る必要がありません。また、外出先で入手した情報をその場でクラウドストレージに共有すれば、チームがすぐに仕事に取り掛かれます。
また、情報共有相手を指定できるのでセキュリティの面でも安心です。チーム内の必要な人とだけ情報共有することが可能で、ファイルをダウンロードして確認したかどうかのチェックもできます。適切な情報共有が可能です。
テレワーク・リモートワークに柔軟に対応できる
クラウドストレージを利用すればテレワークやリモートワークに柔軟に対応できます。もともとテレワークをすると決まっていた日だけでなく、天候などによる電車の運休があった場合、出勤できなくてもテレワークに切り替えることで業務を予定通り進めることが可能です。
社内外問わずデータを共有できる
社内だけでなく取引先などの社外の人とデータ共有も容易です。アクセス権限の付与で必要なファイルにだけアクセスできるように設定できます。
運用管理やメンテナンスが不要
自社で運用管理やメンテナンスをする場合、コストだけでなく人材確保やトラブル発生時の緊急対応が課題となります。しかし、クラウドストレージなら、管理やメンテナンスを自社で行う必要がなく、本来の業務に集中できるでしょう。
また、クラウドストレージを利用する従業員が増えたり、1人あたりが必要とする容量が増えたりした場合でも改修作業などは不要で、契約プランを変更することで対応が可能です。
セキュリティ対策
セキュリティにはウイルスやハッキングなどの外部対策と、不正やデータの流出といった内部対策があります。どちらにも対応できる高いセキュリティ水準を自社のみで整えるのは、コストも人材も必要です。
クラウドストレージではセキュリティ対策の特徴や差がありますが、安全性を重視したプランを比較的低コストで導入することができます。場合によってはオプションで安全性を高めることも可能です。
自動バックアップ機能
物理的な記憶媒体を利用してバックアップを取る場合、定期的に自分でバックアップを取る必要があります。しかし、クラウドストレージを利用すれば、自動でバックアップを保存可能なためトラブルなどでデータを失った場合も復旧が可能です。
災害対策
クラウドストレージでは、地理的に離れた複数箇所でデータをバックアップするサービスがあります。ユーザーがメインのストレージにデータを保存すると、自動的に遠隔地にあるサブのストレージと同期します。これにより、自社やメインのストレージが設置してある地域で災害が起きたとしても、遠隔地に保存されたバックアップデータを使って復旧が可能です。
自社に合うクラウドストレージの選び方
クラウドストレージはさまざまな企業がサービスを提供していて選び方がわからないという人もいるでしょう。選ぶ際のチェックポイントを紹介します。
コスト・費用
企業としてサービスを利用する以上、コストを無視して選ぶことはできません。しかし、ここで重要なのは、より安い方が良いということではなくコストと使いやすさのバランスです。安いプランのサービスを導入した後、容量が足りないなどの理由でオプションが発生することも考えられます。また、少しコストが高くてもセキュリティを重視したいという意見もあるでしょう。自社の求める機能とコストのバランスを見ながら検討していきます。
容量
1アカウントあたり、どれくらいの容量を使うのか推測してクラウドストレージサービスを選びます。請求書などの書類をデータで保存するための利用であれば、数GBあれば十分対応可能です。しかし、動画や高解像度の画像ファイルを多数扱う予定があれば、数TBの容量を確保できるサービスが必要になります。
容量無制限や転送量に応じて利用料が変動する従量課金のクラウドストレージサービスもあります。
セキュリティ
クラウドストレージを選ぶ際には、どれくらいセキュリティを厳重にしたいのか、という点も重要です。暗号化通信や保存データの暗号化、アクセス権限を細かく設定しファイルにアクセスできる人を制限するなど、サービスによって特徴があります。
また、近年はID・パスワードの認証だけでは情報漏洩した際のセキュリティが不十分であるため、多要素認証を取り入れているクラウドストレージもあります。多要素認証とはパスワード以外に生体認証や端末認証など2つ以上の要素を組み合わせて認証する方法です。標準装備のサービスもあれば、オプションで提供している場合もあります。
サポート体制
サポート体制は導入前、導入時、導入後の3つのタイミングに分けて対応可能なのかをチェックします。導入前は自社の希望のヒアリングや相談、導入時はシステムの構築や使い方のサポート、導入後はトラブル時の対応などです。
海外のサービスを利用する場合は、マニュアルやお問い合わせが英語のみという場合もあります。
まとめ
クラウドストレージとはインターネット上のデータ格納場所です。サービスには個人向けと法人向けがあり利用人数やサポート体制、セキュリティ面に差があります。リモートワークや取り扱うデータ量の増加からクラウドストレージの利用は増えており、遠隔地に自動バックアップが取れるため災害対策としても有効です。
クラウドストレージの選び方はコストやセキュリティ、自社にあったサービスなど多角的に検討する必要があります。
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