安全性の高いファイル共有方法とは?現状のセキュリティ問題やおすすめ方法までご紹介
2022年2月18日公開 (最終更新日:2022年2月18日)
ファイルを共有する企業が増えましたが、それに伴い情報漏洩やビジネストラブルなどの問題も増えています。ファイル共有の仕組み、種類、特徴を知ることでより安全に使えます。
目次
ファイル共有の仕組み
ファイル共有とは、あるコンピューター上のファイルをほかのコンピューターでも使えるようにすることを指します。ファイルの内容は書類のようなテキストデータや動画のようなデータなどさまざまです。
以前はデータをUSBやDVDにコピーして手渡しするなどの共有方法が採られていましたが、現在ではインターネットや社内ネットワークなどのネットワークを通じてファイル共有する例がほとんどです。
ファイル共有することで生産性の向上が期待できます。具体的には以下の2点がポイントです。
- ファイル共有による業務効率化
- いつでも・どこでも業務に対応できる
社内の誰もが必要なファイルを必要な時に取り出して使うことができます。常に最新のバージョンを確認したり、資料を共同で編集したりすることで効率的に業務を進められます。
また、情報をデータで管理することで、いつでも・どこでも業務に対応できるようになります。紙で情報を管理していたり、データ状態のファイル共有方法がDVDやUSBなどの物理的な記憶媒体だったころは、紙や記憶媒体を郵送するなどして情報の共有をするしかなく、時間もかかりました。
しかし、ファイル共有しておけば、出先で急に必要になった際も確認でき「確認して後日連絡します」というようなやり取りは不要になります。また、リモートワークにも対応しやすくなるのはメリットです。
ファイル共有を安全に行うためには?
ファイルの共有方法には次のような方法があります。
- メール
- NAS(Network Attached Storage)
- クラウドストレージ
それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく紹介します。
メール
メールはビジネスで一般的に使われており、使用に抵抗がなく手軽に使えるのがメリットです。
しかし、メールでのファイル共有は次のようなデメリットがあります。
- 大容量ファイルは送れない
- 暗号化ファイルはウイルスチェックがされない
- 誤送信による情報漏洩のリスク
- セキュリティ面のリスク
大容量ファイルは受信側のサーバー容量を圧迫するため、受信ファイルサイズに上限が設定されている場合があります。また、メール受信時にウイルスチェックを自動で行うメールサーバーであっても、ZIPファイル形式などで暗号化されているとウイルスチェックを通過してしまうことがあります。ウイルス感染のリスクを下げるために、添付ファイル付きメールを受け取らない設定にする企業も増えてきています。
情報漏洩リスクは、ヒューマンエラーに起因することも多いですが、メールの誤送信は誰にとっても身近に起こりえます。万が一、送信先メールアドレスを間違えて入力してしまった場合、第三者に情報が漏洩してしまいます。送信後に宛先の間違いに気づいたとしても、ファイル共有を止める方法がありません。万が一、メールアカウントが乗っ取られるなどメールが盗みされていた場合は、送信者が気づくことなく第三者がファイルの内容を見ることも可能です。
さらに、メールでファイル共有をした場合は、共有できているかどうかの確認も必要です。共有先のメールアドレスに数多くのメールが届いていた場合、ファイルが添付されたメールに気づかなかったり、忙しくてファイルのダウンロードをし忘れていたりします。常に最新の情報を共有するためには、ファイル共有後の連絡が欠かせません。
NAS(Network Attached Storage)
NASはネットワークHDDとも呼ばれます。HDDといえば、PCに直接つないでファイルを保存する媒体ですが、それをネットワーク上に設置できるのがNASの特徴です。
PCだけでなく、スマートフォンやタブレットからのアクセスも可能で、機種によってはバックアップやアクセス権限の管理もできます。
メリットは月額利用料がかからずにコストが抑えられる点です。また、利用ログを記録できる機種も多いので、責任の所在も明確にできます。
デメリットは、基本的に複数人でファイルを同時編集することができない点です。記憶媒体なので、ファイルを編集する際には一度それぞれの端末にファイルをダウンロードし、編集後に再度アップロードして共有します。
また、トラブルや災害でNASが損傷してしまった場合、データを失うリスクがあります。
クラウドストレージ
クラウドストレージとはインターネット上にあるデータの格納場所です。多くの事業者によって提供されており、サービス内容は異なります。また、無料のものから有料のものがあり、利用人数やセキュリティ機能にも差があります。
クラウドストレージの主なメリットは以下の通りです。
- 初期投資の負担が軽い
- 保守を自社で行わなくてよい
- 使用したい容量が増えても増設工事などが不要
- いつでもどこでもファイル共有可能
自社で機器を設置するわけではないので、初期投資の負担が軽くなります。また、保守を任せられ、サーバーやネットワークの専門知識がなくとも使うことができます。使用者が増えたり、アカウントごとに使用する容量が増えても、自社で設備工事をする必要がなくプラン変更だけで対応可能です。インターネットが使える状態なら、いつでもどこでもファイル共有できます。
デメリットとしては、セキュリティや運用・管理などをサービスに依存する点です。そのため、導入時に自社に最適サービスを見極め、選ぶ必要があります。また、万が一、障害が起きた場合に業務に支障が出る可能性もあります。
外部の人とやり取りが多いビジネス場面においてはストレージサービスがおすすめ
ファイル共有の方法を3つ紹介しましたが、ビジネスで外部の人とやり取りが多い場合はストレージサービスの利用がおすすめです。ストレージサービスのメリットや安全性、選び方を紹介します。
法人向けストレージサービスのメリット
無料のストレージサービスも複数ありますが、有料の法人向けサービスでは以下のメリットが得られます。
- 業務効率化ツールとしての役割
- 充実したセキュリティ
- 利用人数や容量
- サポート体制
- 災害対策
法人向けのストレージサービスは業務効率化につながる機能を多く兼ね備えています。例えばアクセス管理です。アクセス管理とは、誰がどのファイルの閲覧や編集をできるのかという権限で、必要な人が必要な情報のみにアクセスできるように設定することです。情報漏洩のリスクを下げたり、人為的ミスによる誤編集を防ぐことができます。また、セキュリティ機能も充実している場合が多く、外部からの攻撃と内部の不正の両方に対策が採られています。
業務で使うことを想定しており、大人数での利用や大容量ファイルにも対応可能です。サポート体制がある場合も多く、導入後もスムーズに業務が進みます。
災害対策として遠隔地でのバックアップ体制もあります。メインのストレージを設置している場所で災害があった場合にデータが損失してしまうリスクがありますが、遠隔地にもストレージを設置して自動的にバックアップを取るシステムにしておくことで、データの復旧が可能です。
法人向けストレージサービスの安全性
法人向けのストレージサービスは安全性が高いものが多いです。しかし、企業によって必要となるセキュリティ機能は違うでしょう。法人向けストレージサービスのセキュリティ機能の例を紹介します。
- ウイルスチェック
- IPアドレス管理
- アクセスログの確認
- アクセス権限管理
- 多要素認証
共有ファイルの中にウイルスが入っていないかを確認できるサービスを利用すれば、被害の拡大を防げます。また、近年はパスワード認証の限界を感じている企業もあり、多要素認証を利用している場合も多いです。多要素認証とは以下3つの認証要素のうち2つ以上を組み合わせて使います。
- 知識情報……パスワード、秘密の質問など
- 所持情報……携帯電話、デバイス、ICカードなど
- 生体情報……指紋、静脈など
ストレージサービスはサービスによって特長が異なるので、安全性に着目してサービスを選ぶことも重要です。
法人向けストレージサービスの選び方
法人向けストレージサービスは数多く提供されており、選ぶのが難しいと感じるかもしれません。以下のチェックポイントを確認し、自社に必要なサービスを選ぶようにしましょう。
- コストとディスク容量
- 対応機器や操作性
- 安全性
企業が利用する以上、コストを無視することはできません。また、ディスク容量の拡張/縮小が可能かどうかも含めチェックした方が良いでしょう。
ほとんどのストレージサービスはマルチデバイスに対応しています。しかし、「最新のOSのみに対応」としていることもあり、社内にある古いデバイスがでは利用できない場合もあります。
それぞれのデバイスからの操作性も重要です。操作がわかりにくく、長時間の研修が必要になると業務に影響が出る可能性があります。わかりやすく簡単に操作できるサービスを選びましょう。
前項でも紹介したように、安全性は高いほど安心です。しかし、業務によって必要なセキュリティ機能に差が出るため、自社の使い方を考えて、比較・検討するのがおすすめです。
安全性の高いファイル共有サービスならBizストレージ ファイルシェア
NTTコミュニケーションズが提供するBizストレージ ファイルシェアには、豊富なセキュリティ機能があります。一例を紹介します。
- 暗号化通信とファイルの暗号化保存
- ウイルスチェック
- 2要素認証
- ログインパスワードの有効期限
- アクセスログの確認
- アクセス権限
すべての画面と操作における通信や、保存中のファイルは暗号化されています。ウイルスチェックはアップロード時とダウンロード時に行え、ウイルスを検出した場合は中断する設定も可能です。
ログインでは2要素認証を標準装備しており、ID・パスワードに加えて、スマホアプリかメールを使って認証します。また、パスワードの有効期限設定など、安全にファイル共有するためのルールも提供しています。
まとめ
ファイル共有をすることで業務を効率的に進められるようになりますが、ビジネスで安全にファイルを共有するには細心の注意を必要とします。
安全にファイル共有を行うのなら、ストレージサービスの利用がおすすめです。業務効率化ツールとしての役割に加えて、災害によるデータ損失リスクを低減させることができます。
ストレージサービスを提供している事業者は多く、選定が難しく感じるかもしれませんが、コスト、対応機器と操作性、安全性に着目して選ぶのがおすすめです。企業によって必要な機能や対策に差があるので、自社がどのようにストレージサービスを利用したいのか考慮したうえで、サービスを選ぶとよいでしょう。