オフィスへの監視カメラ設置のメリットとプライバシー問題について

オフィスに監視カメラを設置するメリット

業務を行うオフィスに監視カメラを導入することで、どのような効果が得られるのでしょうか。防犯対策や業務面などさまざまな視点から、監視カメラをオフィスに設置するメリットをご紹介します。

犯罪・不正行為の監視、証拠確保

監視カメラは防犯対策ツールとして、あらゆるシーンで活用されています。オフィスや駐車場に監視カメラを設置することで、不法侵入や従業員による不正行為、情報漏えいの対策などの犯罪行為の抑制効果があります。
また、万が一不正や犯罪が起きた場合に録画した映像を確認し、犯行現場の確認や証拠保全に役立てることもできます。

ハラスメントの抑止、証拠確保

オフィス内で起こっているパワハラやセクハラ、マタハラなどのハラスメント被害は、従業員の休職や離職にもつながりかねない重大な問題です。ただし、ハラスメントの報告や相談を受けても対応が難しく、なかなか解決されにくい面もあります。
検証の際に重要となるのが、ハラスメントの現場をおさえた映像や、どのような事があったのかを記したメモなどの証拠です。監視カメラを設置して社内の映像を録画しておけば、ハラスメントの証拠を残すことが可能となります。

労務管理

監視カメラは従業員の労務管理にも活用することができます。従業員がオフィスでより快適に働けるようになることを目的として、監視カメラを導入しているケースも多いのです。
昨今、働き方改革関連法案働き方改革関連法案の施行に伴い、時間外労働の軽減や生産性向上における取り組みが重視されています。業務の様子を録画して労務リスクを可視化することで、職場環境の改善に活かしていきましょう。

業務効率化

オフィス内を撮影することを従業員へ周知することにより、従業員は「勤務態度を見られている」という意識を持ちます。適度な緊張感が生まれることにより、業務の無駄が省かれ業務効率化につながります。
撮影した映像の確認によって、無駄な動きや作業を発見することも可能です。

オフィスに監視カメラを設置する際の注意点

オフィスに監視カメラを設置する際は、設置のメリットが最大限に発揮されるようにすると共に、従業員のストレスやトラブルに発展しないように注意し、適切に設置する必要があります。

監視カメラの設置場所

監視カメラを設置するときは、できるだけ死角を作らないように設置することが重要です。複数の監視カメラを組み合わせて使うほか、360度全方向の撮影が可能な360度カメラを使うと良いでしょう。

また、監視カメラを設置する目的に合わせた場所へ設置することも重要です。外部からの侵入者対策ならオフィスの出入り口や駐車場、倉庫など、パワハラ対策ならオフィス内など、撮影したい映像をおさえられる場所へ設置しましょう。

従業員のプライバシー保護に注意する

オフィス内に監視カメラを設置する場合は、従業員のプライバシーを侵害することのないよう、撮影する場所・範囲に十分な配慮が必要です。トイレや更衣室の中への設置が問題となりやすいことはもちろん、更衣室の出入り口やロッカー付近に設置する際にも、室内などが映らないよう十分配慮する必要があります。

監視カメラなどのビデオカメラの設置に関する違法性について気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、条例の有無は自治体によって異なります。ただし、監視カメラの設置がプライバシー侵害にあたるとして認められた裁判事例もあるため、条例の有無に関わらず注意は必要です。

そもそも従業員との信頼関係にも関わりますので、トラブル防止の観点からも従業員への事前周知は行うべきでしょう。

オフィス設置に適した監視カメラの種類

ここでは、オフィスに適した監視カメラの種類をご紹介します。オフィスに監視カメラを設置するときは、それぞれの機能や特徴を知って設置場所・目的に合った種類を選ぶことが重要です。

BOX型（バレット型）カメラ

BOX型は、もっともスタンダードな形状の監視カメラです。よく店舗内や住宅の外に設置されているタイプです。ホームビデオカメラを壁に取り付けたような形状で存在感があり、一目で監視カメラだと分かるため犯罪抑止効果が高いとされています。
BOX型は一方向を撮影するためピンポイントでの撮影に向いていますが、広い範囲を撮影したい場合は多方向から複数台カメラを設置しましょう。

ドーム型カメラ

ドーム型カメラは半球状の形をしていて、天井や壁に設置できるタイプの防犯カメラです。BOX型カメラよりも比較的目立たずに設置できます。
ドーム型カメラの特徴はレンズがどの方向を向いて撮影しているのか分かりにくい点です。
広範囲を撮影できるため、死角になりやすい場所での撮影や少ない台数で費用を抑えたい場合におすすめです。

置き型カメラ

置き型カメラはそのまま卓上などに置くだけで使用できる、設置が簡単な防犯カメラです。工事が不要なので、撮影したい場所に合わせて簡単に移動させることもできます。
高性能な機能が搭載されているタイプやコンパクトで邪魔にならないサイズなどがあり、さまざまな用途で活用できます。

PTZ型カメラ

PTZ型カメラは、レンズを左右上下に動かし、ズームイン・ズームアウトで撮影範囲を自由に遠隔操作できる機能を持った防犯カメラです。ただし、レンズを動かすことで死角ができてしまうため固定カメラと組み合わせて設置されます。
形状はドーム型のものが多いですが、BOX型や置き型のものもあります。

オフィス設置用の監視カメラを選ぶポイント

ここからは監視カメラを選ぶ際に見るべきポイントをご紹介します。オフィスに監視カメラを導入するときや、どのカメラを選べば良いか悩んだときのご参考にしてください。

録画・保存方法

SDカードやレコーダーへ保存をする従来型の監視カメラの場合、破損・盗難のリスクがあります。せっかく撮影した映像も、持ち去られるなどして確認ができなければ意味がありません。
その点、クラウド保存ができるネットワークカメラ・クラウド録画カメラであれば、録画したデータを持ち去られる心配はありません。その場にいなくてもスマホやタブレットからリアルタイムの映像や過去の映像を確認できるため、いつでもどこからでも確認ができます。
また、HDD保存の場合は短期間しか保存ができないため、映像が必要になったときにはすでに該当の映像が消えていたということもありえます。録画した映像の保存期間についても事前に確認しておくと良いでしょう。

セキュリティ強度

ネットワークカメラはアナログカメラのようにデータごと盗難や破壊の被害に遭う心配はありませんが、インターネットを通じて撮影・録画しているため、ハッキングされてしまうと情報漏えいなどにつながります。不正アクセス被害を防ぐために、パスワードの設定や外部からのアクセス制限などセキュリティ強度の高いカメラを選びましょう。

画質・性能

画質が悪いと、詳細な状況確認ができません。人の顔をしっかりと映せるように最低でも200万画素以上のカメラを選びましょう。
また、夜間撮影（暗所撮影）ができるかどうかも確認しましょう。犯罪や不正行為を目的とした侵入は、全従業員が退社し消灯した後こそ起こりやすくなるためです。オフィスの防犯目的で監視カメラを設置する場合、明かりのない環境下でも撮影ができるよう、赤外線撮機能が備わっている監視カメラがおすすめです。

画像解析機能などのオプション機能

監視カメラは、今や現場の状況を記録するだけのものではありません。AIを使用した画像解析機能や動作検知・音声検知機能が備わったサービスもあります。
たとえば、深夜帯にオフィス内で動作や音声を検知した際に管理者へ通知を送るなどの機能があれば、すぐに映像を確認して対応することが可能です。従来の監視カメラは問題発生後に映像を確認するという流れでしたが、不審者や侵入者をリアルタイムで感知することができれば、被害を未然に防ぐことにつながります。
また、リモートワークが推進されている昨今、オフィスの利用状況を把握するためにも、監視カメラの画像解析機能が活用されています。映像から出社人数を集計しデータ化することで、オフィス縮小や移転の検討材料とすることが可能です。