今、求められる
「セミパブリックのデザイン」

医療や福祉、教育領域での担い手不足。
公共施設やインフラ設備の老朽化。
地域をはじめとした公共交通機関網の縮小。

人口減少や少子高齢化に伴い、これまで国や地方自治体が担ってきた公共サービスの継続が難しくなっています。
今、求められているのは、公共領域の課題に様々な立場から取り組むことではないでしょうか。

私たちは、事業者の立場から公共課題へのアプローチを必要とする領域を「セミパブリック」と位置付け、その解決の手がかりを見つけるためにこのプロジェクトを立ち上げました。

セミブリック図

セミパブリックの課題解決において特に重要なのは、公共性と経済性の両立です。
それはどのように達成できるのか。

例えば、課題の当事者だけでなく、サービスの提供者を巻き込む仕組み。
例えば、民間だけでなく行政やアカデミアなど様々な視点を掛け合わせていくチャレンジ。
例えば、トップダウンではなく、各プレイヤーが解くべき課題に自律的かつ持続的に向き合う方法。

これらの事例はあくまで仮説であり、私たちも答えを持っていません。プロジェクトを通して、皆さんと一緒に解決の手がかりを考えたいと思っています。

ただ、ひとつ明らかなのは、社会課題が複雑化している中で、その解決のためには、多様な立場の人たちの共創が必要だということです。

セミパブリックは、今後私たちが向き合っていかなければならない領域です。
これからの暮らしをより豊かにするような新しいインフラのある社会を、共につくっていきましょう。

Contents

Interview
01

熱意だけに頼らない。市民が自分ごと化するまちづくり。上田市民エネルギー

藤川まゆみ(NPO法人 上田市民エネルギー 理事長)

2030年までに2010年度比45%の温室効果ガスの削減が必要と世界で言われる中、長野県はそれを大きく上回る60%を目標に掲げた。元々、48%削減を目標に掲げていた同県だが、目標数値を大きく変えるきっかけとなったのは、県内外から集まったパブリックコメントだった。主導したのは、NPO法人「上田市民エネルギー」の代表である藤川まゆみさん。

澤晋二郎・金澤聡子(金澤バイオ研究所)
Interview
02

地域は価値ある廃棄で溢れている。地消地産コンポストシステムでつくる新しい循環モデル——金澤バイオ

金澤晋二郎・金澤聡子(金澤バイオ研究所)

循環型社会の実現を目指す中、廃棄物の適切な処理とリサイクルは重要な役割をになっている。処理コストの高さや廃棄物輸送に伴う環境負荷、分別の複雑さ、そして廃棄物の地域性や個別性への対処の難しさなど、挙げればきりがない。これらの課題に対し、微生物を活用した土壌発酵による肥料づくりを通じて取り組んでいるのが、株式会社金澤バイオ研究所だ。

澤晋二郎・金澤聡子(金澤バイオ研究所)
Interview
03

交通インフラを当たり前から応援される存在へ——WILLER・ティアフォー

西村結城・坂口かすみ(WILLER株式会社)
五島賢太郎(株式会社ティアフォー)

次世代のインフラとして自動運転を実装していく上で、どうすれば実証を継続し、実用化へとつなげられるのだろうか。そのヒントを探るため、2023年度より新潟県佐渡市で国内最長となる往復72kmルートの実証実験に取り組む、移動を核にさまざまなビジネスを展開するWILLER株式会社の西村さん、坂口さん。自動運転技術を提供している株式会社ティアフォーの五島さんに話を伺った。

Interview
04

2025年1月公開予定

エディター稲生雅裕(KESIKI)
リサーチディレクター中村寛(KESIKI)、 棈木緑(KOEL)
エディトリアルディレクター九法崇雄(KESIKI)、 福岡陽(KOEL)
デザイナー豊田修平(KOEL)
プロデューサー田中友美子(KOEL)、 石川俊祐(KESIKI)

NTTコミュニケーションズのデザインスタジオ「KOEL Design Studio」は、公共性とビジネスの両立が求められる「セミパブリック」領域での新しい社会インフラ実現のため、人間中心のデザインや社内のデザイナー育成、他社・行政との共創支援により、ヘルスケアや教育分野など、さまざまな領域における社会課題解決を推進している。

  • Webサイト
  • X
  • note

パーパスドリブンなブランディング、新規事業創出、社会を動かすナラティブ策定などを通じて企業を創造的に変革する、日本のデザインコンサルティングファーム。「やさしさがめぐる経済をデザインする」をパーパスに掲げ、中央官庁から大企業、中小企業、スタートアップ、地方創生まで、デザインアプローチを用いて、複雑な課題の解決や価値の創造を共創する。

  • Webサイト
  • Facebook
  • note