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従業員エンゲージメント向上施策6選!効果や成功事例も併せて紹介
従業員エンゲージメントとは、従業員と会社のつながりの強さのことです。従業員エンゲージメントの向上は、企業の成長や、従業員の定着、社会的信用にもつながります。
本記事では、従業員エンゲージメントの概要や、向上させることで得られるメリット、具体施策、実施手順などを解説します。
もくじ
従業員エンゲージメント向上とは
従業員エンゲージメントとは、従業員が会社のことを理解し信用を置いていることを表す言葉であり、会社に対する貢献度や愛着のことです。つまり、従業員エンゲージメント向上とは、従業員と会社の信頼関係や、精神的なつながりを深めることを指します。
よく似た言葉に「従業員満足度」がありますが、こちらは従業員にとって会社が居心地がよい空間であるかどうかを示す言葉であり、従業員の会社への貢献度が含まれる従業員エンゲージメントとは意味合いが異なります。
従業員エンゲージメント向上が注目される背景
従業員エンゲージメントの向上が注目されている主な背景としては、以下の4点が挙げられます。
- 人材の流動化
- キャリアに対する価値観の多様化
- キャリア自律の重要性の高まり
- リモートワークの拡大
近年は人材の流動化が進んでおり、定年まで同じ会社で働く人が減少しています。そのため、従業員エンゲージメントが低い会社は、転職による人材流出のリスクが高まります。
また、キャリアに対する価値観が多様化し、一人ひとりが自律してキャリアを選び取る時代になったことも、従業員エンゲージメントが重視される要因です。特に優秀な従業員は他社からのオファーも多いため、そのような従業員を確保・維持するためにはエンゲージメントの向上が必要です。さらに、将来にわたって従業員に選ばれる会社であり続けなければ、自社に留まってもらえる可能性は低いでしょう。
その上、コロナ禍にともなうリモートワークの普及によりコミュニケーションを取る機会が減少し、従業員の帰属意識が低下したことにより、従業員エンゲージメントの向上が急務となっているケースもあります。
従業員エンゲージメントを高めることで得られる効果
従業員エンゲージメントを高めることで得られる効果としては、以下の3つがあります。
- 企業の成長や利益につながる
- 従業員の定着率が上がる
- 企業への対外的な信用が高まる
以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
企業の成長や利益につながる
従業員エンゲージメントが高まると、会社に対して貢献する意欲を持つ従業員が増えていきます。目標達成や改善に対して前向きな取り組みが増えることで、業務の生産性向上が期待できるでしょう。
また、従業員エンゲージメントは商品・サービスの質にも直結します。顧客に提供する価値や満足度が向上することで、企業の売上に対してもポジティブな影響が及び、利益の向上といったメリットが得られることも考えられます。
アメリカの世論調査及びコンサルティング企業であるギャラップ社の調査によると、従業員エンゲージメントが高い会社と低い会社を比較した場合、前者の方が生産性や売上高、利益率が高く、品質の欠損や欠勤率も少ないという結果が出ています。
従業員の定着率が上がる
従業員エンゲージメントが高い会社は、従業員の離職率が低く、定着率が上がりやすい傾向にあります。
前述の通り、現代では人材の流動性が高くなっているため、従業員の定着率向上は重要な経営課題といえます。従業員エンゲージメントを高め、会社に対して信頼を獲得することで、優秀な人材の流出を防ぐことにつながります。
また、従業員の定着率が上がれば、採用活動や新人教育にかかる時間・コストを削減できるというメリットもあります。
企業への対外的な信用が高まる
従業員エンゲージメントが高まることで、生産性や顧客に提供する価値が向上することから、顧客からの信用や評価が高まりやすくなります。
また、働きやすい会社・働きがいのある会社として求職者が魅力を感じやすく、採用力の強化につながり、優秀な人材の獲得がしやすくなるというメリットも考えられるでしょう。
このように従業員エンゲージメントの向上は、社内に限定した効果だけでなく、対外的な効果も見込めます。
従業員エンゲージメント向上のための施策
従業員エンゲージメントを高める具体的な方法・取り組みとして、以下の施策を紹介します。
- 企業の目的やビジョンの共有
- 人事評価制度の見直し
- 上司のマネジメント力向上
- 従業員が学べる環境の用意
- ワークライフバランスの改善
- コミュニケーションの活性化
それぞれ、具体的な施策と合わせて紹介していきます。
企業の目標やビジョンの共有
定期的に企業の目標やビジョンを共有し、従業員一人ひとりとすり合わせることで、従業員エンゲージメントの向上を図ることができます。具体的な施策としては、以下のような例が挙げられます。
<具体的な施策例>
- 1on1ミーティングを導入して従業員一人ひとりやチームごとの目標を立てる
- 社内の勉強会を開催して会社のビジョン共有を行う
- 定期的な研修を実施して目標やビジョンを再認識する機会を設ける
人事評価制度の見直し
人事評価制度に納得できない環境では、モチベーションを保つのが難しくなります。従業員が「せっかく貢献しても評価してもらえない」と感じたり、「評価されないなら貢献したくない」と考えたりしないように、公正かつ透明性が高い人事評価制度を設けることが大切です。
人事評価制度は、企業のビジョンに沿ったもので、かつ目標へのプロセスを示したものであると、従業員の納得を得やすいです。
<具体的な施策例>
- 360度評価でさまざまな人間からの評価を対象にする
- コンピテンシー評価でパフォーマンスの高いモデルに沿って評価する
- 年次評価を廃止して状況の変化に合わせた適切な評価を行う
上司のマネジメント力向上
上司の言動は、従業員エンゲージメントに大きく影響します。部下に会社に対する愛着を抱かせるのも上司の役割のひとつといえるでしょう。
このため、管理職のマネジメント力をトレーニングすることも、従業員エンゲージメントの向上を図る手段となります。
<具体的な施策例>
- 上司のポジションを適切な位置に変更する
- 上司の育成プログラムを導入する
- 管理者の研修を実施してマネジメント力を鍛える
従業員が学べる環境の用意
業務にかかわる研修を適切に導入し、部下がしっかりと学べる環境を作ることも大切です。研修での学びを業務に活かせれば、モチベーションや生産性がさらに高まります。
研修の内容は、従業員の課題や希望に則したものを選ぶとより効果的です。学んだ内容をチームで共有すれば、組織力の底上げやコミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。
<具体的な施策例>
- 図書の提供やオンライン研修の導入
- OJTの導入で実務を通じて知識を身につける
- メンター制度でメンタル面や知識面のサポートを行う
ワークライフバランスの改善
従業員エンゲージメントを向上させるためには、ワークライフバランスを整える必要があります。仕事のために健康やプライベート、家族との時間が犠牲になるような状況は、従業員が転職や退職を考える原因になるでしょう。
<具体的な施策例>
- 残業時間・適切な業務量の管理を行う
- ストレスチェックを実施する
- 産業医を設置して健康や安全を確保する
コミュニケーションの活性化
従業員エンゲージメントの向上には、上司と部下、あるいは従業員同士での、コミュニケーションの活性化が重要です。業務における相談はもちろん、プライベートについても話したいと思えるような人間関係を築ければ理想的でしょう。
また、コミュニケーションが円滑になれば、報告・連絡・相談の漏れも減らすことができます。
<具体的な施策例>
- 1on1の導入で定期的な対話を行う
- チャットツールなどによる気軽なコミュニケーションを推奨する
- ランチや社内イベントなどの交流を深める企画を実施する
1on1の効果や実施方法は、以下の記事で解説しています。
従業員エンゲージメント向上に取り組むためのステップ
ここでは、従業員エンゲージメントの向上のための取組みについて、以下の4つのステップに分けて解説していきます。
- 従業員エンゲージメントの定義
- 現状の課題の洗い出し
- 従業員エンゲージメント施策の策定・実行
- 施策の効果検証・改善
1.従業員エンゲージメントの定義
初めに、自社にとっての従業員エンゲージメントを定義し、従業員エンゲージメントが高い状態とはどのような状態を指すのかを決めます。以下の例も参考にしながら、できるだけ具体的にイメージしてください。
- 組織の目標を達成したいと感じている
- 業務に必要なスキルを自分で伸ばしたいと感じている
- 自社の業務を知人にも勧めたいと感じる
- 自社に対して愛着を持っている
2.現状の課題の洗い出し
従業員エンゲージメントを定義したら、自社の現状を把握し、目指すべき状態とのギャップを把握しましょう。
現状を把握するための手段としては、以下のようなものが挙げられます。
- 従業員エンゲージメントサーベイ
- 従業員へのアンケート
- 従業員へのヒアリング
従業員エンゲージメントサーベイとは、従業員視点で会社とのつながりを数値化し、改善するための調査ツールです。アンケートやヒアリングなどと組み合わせれば、課題を洗い出す精度を高められます。
3.従業員エンゲージメント施策の策定・実行
続いて、把握した課題をもとに施策を検討し、実行に移しましょう。
施策を実行したからといって、すぐに従業員エンゲージメントが高まるわけではありません。施策が会社の風土に定着していくまでには、長期的な実施が必要になるケースがほとんどであるため、短期の結果だけで判断せず、継続的に取り組むことが大切です。
前述した施策のなかで、自社に合いそうなものや導入できそうなものを選んで実行しましょう。
4.施策の効果検証・改善
従業員エンゲージメント向上に向けた施策は、一度実行して終わりではありません。定期的に効果測定を行い、PDCAサイクルを回して改善を重ねていくことが重要です。
効果検証の方法や評価の頻度などは、施策の実行中にあらかじめ検討しておき、改善がおざなりにならないように注意しましょう。
従業員エンゲージメント向上の施策事例
最後に、従業員エンゲージメント向上の取り組み例を一つ紹介します。
とある企業では、従業員エンゲージメント向上のために1on1を導入したものの、部下の満足度が低く、モチベーション向上に課題を抱えていました。
そこで、NTTコミュニケーションズの「COTOHA 1on1 Assistant」を導入し、1on1の質の向上に取り組むことに。特に活用したのが、上司と部下の発話量を分析し、上司がしゃべりすぎている場合にアラートを出せる「発話量アラート」や、1on1後に上司の課題を抽出し改善に役立てられる「AIスキル分析」といった機能。
「COTOHA 1on1 Assistant」を活用しながら、継続的に1on1の質の改善に取り組んだことで、部下の満足度・モチベーションが高まり、従業員エンゲージメントの向上につながりました。
まとめ
従業員エンゲージメントとは、従業員と会社のつながりの強さのことです。従業員エンゲージメントを向上することで、従業員のパフォーマンスやモチベーションが上がり、企業の成長にもつながります。
従業員エンゲージメント向上の対策としては、上司・部下の教育環境を整えることや、目標やビジョンを共有すること、コミュニケーションを活性化することなど、全社的な取り組みを継続的に行っていくことが大切です。
前述の「COTOHA 1on1 Assistant」は、従業員エンゲージメントを高める施策である1on1をサポートするツールです。効果的な1on1の実施をアシストすると共に、上司の面談スキル向上にもつなげられるため、従業員エンゲージメント向上はもちろん、組織全体にさまざまなメリットをもたらします。
従業員エンゲージメント向上に1on1の導入をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。