scroll
  1. TOP
  2. 人事担当者へ緊急調査を実施!4割の人事が社員のモチベーションの低下を懸念していた!

Special Report

人事担当者へ緊急調査を実施!
4割の人事が社員のモチベーションの低下を懸念していた!

かつて経験したことのなかった新型コロナウイルスのパンデミックという災禍により、企業の人事部門はどんな課題に悩まされているのだろうか。その実態を明らかにするためにFesaasは2020年8月、人事担当者を対象に緊急アンケート調査を実施。その集計結果によって浮き彫りになったテレワーク実施中における「社員のモチベーション低下」という課題、およびその解決に向けた人事部門の取り組みについて考えてみる。

喫緊の課題は新しい働き方への対応

(図1)あなたの会社において人事関連の課題として挙げられていたことをお答えください。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの企業が在宅勤務・テレワークを実施した。これまで長期にわたる在宅勤務・テレワークを経験したことのない社員の間には、大きく変化した働き方に戸惑う様子も窺える。そんな社員の現状を把握する調査はいくつも実施されているものの、会社の人材管理を担う立場にある人事部門を対象にした調査はあまりない。そこで私たちは2020年8月、中堅~大企業の人事担当者500人を対象に緊急アンケート調査を実施した。以下にその集計結果をレポートする。

アンケートではまず「人事の課題として挙げられること」について、コロナ禍前・後それぞれの課題を聞いた。コロナ禍前は「人材育成」「人材採用」の課題が1・2位を占め、深刻な労働力不足に直面する日本企業の現状を示す格好となった。3・4位には「社員の健康管理・メンタルヘルス」「社員のモチベーション向上・管理」が挙がり、優秀な人材を確保し続けるための取り組みに奔走する人事担当者の苦労が窺える。

ところがコロナ禍後は事情が一変する。課題の1位は「勤務体系(リモートワーク/テレワーク)の対応」と判明。「人材採用」の課題は依然として上位だが、「社員の健康管理・メンタルヘルス」や「社員の勤怠管理」を挙げる人事担当者が増えている。ここから見え隠れするのは、コロナ禍によって在宅勤務・テレワークを実施せざるを得ない状況になったものの、制度やルール、インフラの整備が十分でない企業が多いという実態である。

新しい仕事環境が生んだもう1つの弊害=モチベーション管理

(図2)コロナをきっかけに、あなたの会社の社員の方々のモチベーション状況に変化はありましたか。

そうした中、コロナ禍前は順位の高かった「社員のモチベーション向上・管理」が順位を大きく下げる結果になっている。モチベーション管理は、優秀な人材の流出を防ぎ、企業の発展に欠かせない。にもかかわらず順位を下げたのは、モチベーション管理よりもまず勤務体系の対応が先だということだろう。

では実際に、人事はコロナ禍における「社員のモチベーション」をどのように考えているのだろうか。モチベーションの状況に変化があったかどうかを聞いてみた。最も多い回答は「変わらない」だったものの、「下がっている」「やや下がっている」という回答を合わせると4割を超え、「変わらない」に肉薄する結果となった。逆に「上がっている」「やや上がっている」という回答は合わせて5%にも満たず、全体的にはコロナ禍後の在宅勤務・テレワークによる「モチベーション低下」を懸念する人事担当者が多いことが分かった。

求められるコラボレーション、タレントマネジメント系サービス

(図3)あなたの会社で社員のモチベーション管理について取り入れたいシステムやサービスの機能はどのようなものですか。※複数回答可


制度やルール、インフラ整備の課題がひと段落すると、今後はモチベーションの維持・向上や、人材活用につながる施策にも目が向き・手が回ると考えられる。社員のモチベーションを向上・管理するために取り入れたいシステムやサービスの機能について聞いてみたところ、最も多いのは「社員間のコミュニケーションを円滑にする」、続いて「人材情報を可視化し、最適な人材配置や育成方法を実現できる」という機能だった。

(図4)導入を検討している社内業務系のSaaS、クラウドサービスはどのようなものですか?

一方、今後導入を検討しているSaaS型クラウドサービスについて聞いてみると、1位は「タレントマネジメント(人事情報管理・人事評価など)」という結果になった。タレント(能力・資質・才能を意味する英語)をはじめ、社員のスキルや経験を人事管理情報の一部として管理するタレントマネジメント系の機能は、コミュニケーション/コラボレーション機能とともに、ますます求められているのだ。

コスト、システム、活用法……導入への不安はさまざま

(図5)SaaS・クラウドサービス導入において課題になっていることはどんなことですか。※複数回答可

とはいえ、導入意欲が高くても実際にシステムやサービスを導入するには課題もある。導入における課題を聞いてみた結果、「導入費用が高い」が1位、「導入後の費用対効果が分かりづらい」が3位となり、とくにコストに関する懸念が強くあるということが判明した。さらに「セキュリティ面での不安がある」「現在の基幹システムとの相互性に不安がある/対応が大変である」「導入後に社員が使いこなせるかわからない」といったシステムの活用面での不安も強いことが分かった。

コロナ禍により、人事担当者はモチベーション低下を回避するための施策に取り組む必要性を感じている。だが一方で、コストやセキュリティが原因でシステムの導入をためらっている企業も少なくなかった。このような人事担当者の不安を払拭することが強く求められていると言えるだろう。

タレントマネジメントのニーズ急増に対しSaaS事業者が取り組むべきこととは

今回のアンケート調査により、人事部門ではコラボレーションやタレントマネジメント系のSaaS型クラウドサービスに対するニーズが高いことが明らかになった。ただし、セキュリティや既存システムとの相互性などの導入・運用に関する課題も示されている。
導入・運用コストを抑えながらスモールスタートで始められるようにし、社員の使い勝手を考慮しながらセキュリティの不安を払拭するシステム・サービスを用意すれば、社員や人事部門のモチベーション向上に寄与するのは間違いない。

調査結果により示された事実は、人事関連のSaaS型クラウドサービスを提供する事業者にとって、まさにビジネスチャンスとなるものだと言えるだろう。

このページのトップへ