【事例】Zabbixによる監視システム一元化・
運用効率化『ZABICOM』

ZABICOMはZabbixの導入コンサルから構築、保守まで、NTT Comが独自に開発したプロダクトの提供含め、運用現場の課題やお悩みを解決する総合的なソリューションです。2008年より提供を開始し、蓄積したノウハウを活かした手厚いサポートをはじめ、お客さま要件に合わせた機能の開発・提供を行っています。また独自ツールを用いて、システム全体の稼働情報やお客さまIT部門にとって必要な情報を洗練されたビジュアル画面で表示させることで、運用効率化を実現します。
今回はZABICOM(Zabbix)を活用して複数の監視サービスを統合し、お客さま要望に沿ったスピーディーな構築から運用まで一気通貫で提供した導入事例をご紹介します。

国内外ネットワークの一元管理と各拠点の運用情報の可視化により、全拠点統一で24時間365日体制の運用体制を実現。さらに不正アクセス検知や防御の自動化によりセキュリティ対策を拡充することで、新規プロダクト開発などのビジネス展開を加速させました。 ZABICOM(Zabbix)

適用業界・分野

  • 製造業

導入用途

  • グラフィカルな監視システムの表示による情報の一括管理
  • 異なる監視システムによる非効率な監視運用の見直し、整備
  • 大規模な監視対象に対応したチューニングの必要性

効果/目的

  • 監視システムの自動化による人為ミス削減、業務負荷軽減
  • 複雑な監視運用の差異、優先順位のヒアリングをもとにした構成整理による監視漏れの防止、監視対応品質の統一
  • 大規模監視に対応した短期チューニングによるスピーディーな導入を実現

従来の課題

グループ会社の統合をした製造業A社さま。グループ各社で別々の監視サービスを利用していたことから、統合後には複数の異なる監視システムの利用による運用の非効率化、パフォーマンス低下を引き起こしていました。さらに異なる監視システムごとの保守費用やランニングコストが発生するため、コスト増加が懸念されるほか、技術の高度化に伴う柔軟な監視システム構築も対応しづらくなってしまうことも課題となっていました。

また、監視対象であるネットワーク機器が約6万台あり、こうした大規模なICT環境の監視に対応した監視システムの負荷分散、稼働に耐えうるシステム構造の検討をする必要がありました。そのため、通常でも設計だけで約半年かかるボリュームであったことから、導入までに長期間を要すると懸念されていました。

解決手段/導入効果

システム設計から構築、運用までトータルでNTT Comがオールインワンで提供できることから、ZABICOM(Zabbix)を選定。NTT Com主導で異なる監視システムを利用しているグループ会社ごとにヒアリングし、監視運用の差異や監視対象の優先順位の確認を実施、統合に必要な各種調整を進め、監視システムが複雑化しないよう整理しながらZABICOM(Zabbix)へ集約しています。

しかも、大規模な監視システムながら設計を含めわずか2カ月弱で導入を実現。監視規模に応じた数々の検証ノウハウを発揮し、要件定義の段階から性能問題を想定しながらシステム構築、検証ができることから、短期での導入を可能にしています。さらに、導入後はコストを抑えつつ、必要な要件に対しタイムリーで柔軟な運用対応を行うことで、お客さまのコスト最適化にも貢献しています。

導入後の概要

導入後の概要

NTT ComはZABICOM(Zabbix)による3社統合の監視システムを構築し、運用効率化を実施しています。導入にあたってのポイントは以下の3つです。
①監視システム統合に合わせたチケット起票の自動化
②必要なシステムをワンストップで提供
③大規模監視に対応した監視システムの導入・運用
お客さま要望を踏まえ必要なシステムの構築・納品から運用までを一気通貫で提供できる体制により、お客さまICT環境の運用最適化を実現しています。

監視システム統合とチケット起票の自動化・連携

監視システム統合とチケット起票の自動化・連携

監視システムの統合に合わせて、以下工程で故障検出~チケット起票との自動連係の設計・構築・導入/運用を実施しています。
設計:分散監視構成により接続を最小化し、負荷分散をすることで大規模ネットワーク環境の監視に対応。チケット起票時の人手での転記をなくし、すべてシステムによる自動化が可能となるように調整。
構築:故障検出~チケット起票までを自動連係させ、監視システムを内製で構築。構築メンバーが打ち合わせに参加し、仕様の伝達を最短にしながら、細かい調整はその場で行うことで、スピーディーな構築を実現しています。
導入/運用:システム納品後はお客さまが試行し、課題があれば修正を実施。お客さま側から追加要望があった際も必要な機能かを吟味し、必要以上の機能追加によりシステムが複雑化しないようハンドリングもしています。

監視対象の自動登録機能の提供

監視対象の自動登録機能の提供

監視対象の管理について、お客さまには以下の課題がありました。
・EOLによる機材入れ替えや、監視対象の追加が頻繁に発生し、都度登録作業が発生する。
・監視対象の登録/解除にはシステムへの理解が必要なため、特定の担当者に稼働が集中してしまう。
・Zabbixは一括登録が難しく一台ずつの登録対応となるため、ミスを誘発しやすい。

この課題に対して、NTT Comは申請書をもとにした自動登録機能を構築し、所定のファイル投入のみで監視対象の一括登録ができるように工程を自動化。お客さまはZabbix Webへの登録情報投入による簡易な作業対応をすれば、ZabbixがAPI連携によるデータ自動取得、監視対象の自動登録/解除を実施。お客さまの業務負荷軽減に加え、監視漏れの防止につながっています。また、システムに対して知見がなくても監視対象の管理が容易となっています。

大規模監視に対応した短期チューニング設定

大規模監視に対応した短期チューニング設定

他社ベンダーによるZabbix監視システム構築をする場合、以下のような課題が発生するケースが多くあります。
・監視対象数万台の大規模に対応が難しい
・実機による性能問題の検証に時間がかかる
・検証を考慮した設計をするのに約6カ月を要する
こうした課題に対して、NTT Comは長年のZABICOM提供実績、性能問題の検証知見を活かし、大規模監視システムに対してもデータ取得量に応じたデータベースの構造設計や容量調整などを実施し、品質を維持しながら短期間での提供を実現しています。

本事例におけるNTT Com ZABICOM(Zabbix)提供概要

今回の監視対象となるお客さまネットワーク、サーバーに対して、以下内容の監視システムを、ZABICOM(Zabbixバージョン5.0)で提供しています。

項目 対応内容
仕様 監視内容:ネットワーク監視、サーバー監視(秒間60件(3,600件/分)の処理が可能)
監視規模:約6万台(ネットワーク機器)+サーバー
性能指標:監視アイテム数、秒間データ収集件数、監視データ容量
主 要 機 能 監視機能 死活監視、サービス監視、機器監視、TCPポート監視、リソース監視、プロセス監視、ログ監視
バースト制御機能 SNMP Trap、死活監視、TCPポート監視、リソース監視、ログ監視
監視抑止機能 監視機能の一定時間停止
表示機能 ダッシュボードを用いた監視対象のデータ収集と故障検知の結果の閲覧、システム俯瞰図の自動生成
通知機能 故障検知情報の通知(メール通知、他システムへの情報連携)
システム間連携機能 監視システムとチケット管理システム間連係の自動化、他システムへの一次対応制御、トラフィック情報の連携
管理機能 監視対象の登録/削除の自動化、監視登録、監視抑止登録
その他サポート 月次定例会の開催、KPI / パフォーマンス / 原因分析レポートの提供

課題を解決したソリューションサービス

ZABICOM

ZABICOM とは、NTT Comが提供するシステム監視運用ソリューションです。Zabbixによる監視システムの構築から運用、また新しい使い方までさまざまなサービスを提供し、新しい環境に沿ったスマートなシステム監視運用を実現。コスト削減や業務品質の向上を支援します。

一言ヒント!

ICTの発達は業界の発展を後押しすると同時に、求められる技術の高度化や競争相手の変化も巻き起こし、ICTの担う役割を増大させています。その中でも、近年は動画や音声配信の普及、リモートワークによるWeb会議の増加といった、データ利用量が以前よりも増加しやすい環境となっており、その結果ネットワークの不具合も発生しやすくなっています。こうした背景からネットワーク故障が発生し長時間ネットワーク利用ができなくなると、企業にとっては復旧にかかる時間分の損失が発生してしまいます。

このような状況に陥らないために、ネットワーク監視対応は企業活動において必須である一方で、IT人材は常に不足している状況です。例えば、令和4年版 情報通信白書の調査(総務省)によると、企業活動におけるデジタル化を進める上での課題・障壁として、多くの日本企業は「人材不足(67.6%)」を挙げています。

今後のデジタル化・DX推進を支えていくためにもIT人材の確保の検討は必須です。そのため、今回ご紹介したZABICOMをはじめとしたサービスを通じて「運用の自動化」や「運用アウトソース」などを柔軟に取り入れながら、人的コスト削減やDX人材の育成を進めていくことも重要な取り組みといえます。

具体的には、日常的にラッキング位置の変更を行うたびに、手作業でドキュメント変更を行うのが一般的です。そのようなラック搭載図を自動生成してくれる「RackMap」や、ラックに収まっているネットワーク機器の使用状況(対向側に繋がる機器やケーブルの接続)を自動で調査し、管理表・配線図を自動生成する「PortMap」の提供を通じて、運用者の作業負担を軽減することが可能です。

RackMap ラック搭載図の自動作成 PortMap ネットワーク機器の使用状況を全自動可視化

ZABICOM(Zabbix)関連情報

その他の導入事例

参考となる関連コラム

SRE活動で成功させる信頼性の高いアジャイル開発の手法とは?

パンフレットお申し込み

※Amazon Web Services、“Powered by Amazon Web Services”ロゴ、および本ウェブサイトで使用されるその他の AWS商標は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。

このページのトップへ