講演レポート

ServiceNow×ITIL

IT運用のプロが明かす! ServiceNowを利用した“ITIL 4実装”のテクニック

ビジネスのこれからを、ITの存在抜きで語ることはできません。しかし、IT部門がビジネスの変革に貢献していると、明言できる企業はどれほどあるのでしょうか。「第16回 itSMF Japanコンファレンス/EXPO」(2019年11月29日開催)では、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)がお客さまのDXを加速させるヒントを解説しました。

NTTコミュニケーションズ株式会社
マネジメントサービス部
サービス企画部門
第一グループ 担当部長
高岡淳氏

「ITIL 4」の定着が疲弊したIT部門を救う

NTT Comは、企業のIT部門が抱えるさまざまな課題を解決するために、最適なアウトソーシングソリューションを提案しています。

運用現場の最前線を知るNTT Comの高岡氏は、現在、IT部門に求められているのは、デジタルビジネス時代に勝ち抜けるよう事業戦略をリードしていくこと。そして、事業リスクをデジタル技術によって事前に対策すること。その2点にあるといいます。単に、ITインフラを運用するだけでは、グローバル化が進む市場で勝ち残ってはいけないのです。

「現実問題として、社内のITシステム化が増加したことによる運用負担増や、オンプレミスからハイブリッドクラウド・マルチクラウド化が進んだことによるIT運用の複雑性の増加により、IT部門の負担は年々増加する一方です。そうした状況で、企業を成長させるためのデジタル戦略の立案などという過大な期待に応えられるだけの余力がないというのがIT部門の実情なのではないでしょうか」(高岡氏)

過去にNTT Comも同じような状況に陥っていたことがあります。試行錯誤の結果、たどり着いたのが、「ITILの習熟こそがビジネス成長の近道」という結論。しかし、上手くはいかなかったといいます。

「当初は時間とコストをかけてIT部門の担当者にITILの知識を習熟させ、統一したルールのもとでIT基盤の整理をしようとしました。しかし、担当者の入れ替えなどでITILに準拠した文化は陳腐化し、その都度時間とコストだけがかさんでいきました」(高岡氏)

「習うより慣れろ」が新たな活路に

失敗を糧に、NTT Comは「習うより慣れろ」という新たな活路を見出します。一体どういったことなのでしょうか。

高岡氏は、NTT Comは発想を転換し、ITILベースのITSMプラットフォームを使ってみるところからプロジェクトを再始動させたと続けます。IT部門の担当者に、頭で考えるよりもまずは慣れてもらうことを優先させたのです。その後に、ITILのマニュアルの勉強を開始したところ、驚くほど知識の習熟が進んだといいます。

この時、プラットフォーム構築に用いられたのが統合プラットフォーム「ServiceNow」でした。企業内の定型的なワークフローをGUIで簡単に実装し、ITSMはもちろん、セキュリティ、カスタマーサービス、人事などの広い分野で日々の業務を革新的にDX化するプラットフォームです。

ServiceNowの導入で故障対応時間が1/30に

NTT Comは、ServiceNowの導入により、申請業務の自動化、インシデント対応の自動化で大幅な時間短縮を実現しています。さらに、自社クラウドサービスの利用者増加に伴い、限界に達していた人手による故障対応を、自動化によって解決できた事例もあるといいます。

「従来の故障対応業務では、オペレーターが5,000ページにもなるマニュアルを片手に対応していました。それをServiceNowの機能により自動化することで、人手で30分かかっていたプロセス復旧をわずか1分で解決できるようになっています。さらに、人が介入しなくても解決できる自動化は5,000件、誤報の自動処理は6万件にも達しています」(高岡氏)

このようにServiceNowは、徹底的な自動化による運用負担の軽減だけではなく、ITILをベースとした組織構築を推進する上で非常に効果的なプラットフォームとなっているのです。

ServiceNowを活用したDXについてもっと知りたいという方のために、さらに詳しくまとめた「ホワイトペーパー」を用意しております。ぜひダウンロードの上ご覧くださいませ。

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