講演レポート

itSMF Japan 最後のコンファレンス
その先のビジネス成長へ

第20回の開催を迎えた「itSMF Japan コンファレンス 2024」。
itSMF Japan として最後の開催となることから、これまでの取り組み、そして今回のテーマとなる AI の進化に際し、生成 AI に関する最新の研究や実践例が紹介されること。そしてAIがどのように IT サービスマネジメントを革新し、新たなビジネス成長をもたらすのか探求していくことを表明。itSMF Japanの理事長 平川 歩氏がオープニング講演で挨拶とともに第20回までの歴史を紐解きます。

特定非営利活動法人 itSMF Japan
理事長
平川 歩 氏

サービスマネジメントの黎明期、そして IT とビジネスが一体化する時代へ

講演の冒頭、平川氏は、itSMFとは1991年にイギリスで設立された会員制フォーラムで、IT サービスマネジメントの普及促進を目的としたものと説明した上で、itSMF Japanは2003年4月に設立、同年5月に itSMF国際委員会より世界で14番目、アジアでは最初の支部として承認されたという経緯を振り返ります。
「特定非営利活動法人としてのitSMF Japanは2003年9月に正式発足し、IT サービスマネジメントの各種フレームワークやプラクティスに関連した研究の場、情報の提供、セミナー、コンファレンスの開催、分科会や座談会の開催、会報誌の発行などを業務としています」と、その役割について言及します。

続いて平川氏は、過去のコンファレンスについての紹介へと話題を移します。
「2003年7月に itSMF Japan の設立記念コンファレンスが行われ、その翌年の第1回カンファレンスから、毎年時代に合わせたテーマを設定し、開催を続けています。そのテーマをフェーズごとに区切って紹介しましょう。まず第1回から第4回は、IT サービスマネジメントの実践、本格的な取り組み、そして新たなステージという展開になるでしょう。この時期がまさに ITサービスマネジメントの普及がはじまり、各企業で IT サービスマネジメントの基盤が構築された時期でもありました。そして第4 回が開催された2007年は、ITIL のバージョン3が発表された年とも重なり、以降訪れる IT サービスマネジメントの新たなステージを予感させました」

このように今に続くコンファレンスの嚆矢となる設立記念コンファレンス以降を振り返ったのち、平川氏は第5回から現れる重要なキーワードとして「ビジネス」を採り上げます。
「第5回から第11回のうち、その過半のコンファレンスのテーマに『ビジネス』という言葉が入っています。そしてサブタイトルにはクラウド、BYOD、DevOps、Social Mobile といったキーワードが並びます。まさに IT をとりまく環境が大きく変わってきた時期だと言えるでしょう。そのなかで『IT サービスマネジメントはこれら新しい技術やサービスにどう対応していくのか』というのが、ここでの大きなポイントだったと思います。そして同時に、ビジネスと IT はほぼ一体化したこの時期、ビジネスの成長と継続性の支援における IT サービスマネジメントの重要性は大きく高まったのではないでしょうか」

デジタルを活用したサービスマネジメントは今後さらに新たなフェーズへと展開

続く第12回からは、デジタルが重要なキーワードとなります。
「この時期は、デジタルへの適応が IT サービスマネジメントのミッションになってきたと思います。2018年には経産省が『DX レポート』を公開し、『2025年の崖』が大きな話題になりました。そして脱レガシー、デジタル化といったキーワードとなるなか、運用の現場ではそうした新しい技術やダウンサイジングへの取り組みが求められ、コンファレンスでもデジタルへの向き合い方を大きなテーマとして採り上げたのです。また2019年には ITIL4 がデジタル化に歩調を合わせるかのように登場、VeriSM、SIAM といったフレームワークも出てきました」

平川氏講演資料キャプチャ

こうして itSMF Japan コンファレンスは、第19回、そして第20回を迎えます。

2025年に itSMF Japan は CeFIL と合併、IT サービスマネジメントをさらに強力に支援

最後に平川氏は、現在進んでいる特定非営利法人 CeFIL との合併の状況について報告したのち、カンファレンス開催の意義を語りました。

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