現在のビジネスにおけるコミュニケーションには、メール、チャット、Web会議などの多様な手段が併用されています。このようなテキスト系、映像系ツールが台頭する一方、依然として多くの企業で根強く利用されているのが電話、ビジネスホンなどの音声系コミュニケーション基盤です。NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)には日本の電話環境を支えてきた生え抜きのプロフェッショナルが数多く存在し、伝統を受け継ぐ若い力も育っています。
今回は音声系の現場で日々、業務に取り組む中堅サービスマネージャーの坂井恭平、そして若手サービスマネージャーのカンミンギ、神戸郁美の3人にフォーカスします。
NTTコミュニケーションズの坂井、カン、神戸は、ビジネスソリューション本部で内線網、TV会議システムの運用保守を担う音声系のサービスマネージャーです。
3人が所属する第八グループには、チームリーダーのもとに7人のサービスマネージャーが在籍。日本の電話業界をつくってきたベテラン4人と、新卒後配属された若手のカン、神戸の2人、そして、双方をつなぐ「くさび」の役割を坂井が担っています。
NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第八グループ
坂井恭平
2004年入社。社内ITシステムの企画・開発・運用を経て、クラウドの前身となるホスティングサービスの運用、ヘルプデスクでのスーパーバイザーを経験し、2014年より現職に就任。幅広いキャリアで積み重ねてきた総合的なスキルを活かし日々、業務に取り組んでいる。コロナ禍で活動自粛中だが、茶道、居合いで精神鍛錬に励んでいる。
一般的にサービスマネージャーは、社内である程度のキャリアを経てたどり着く役職です。しかし、カンと神戸は入社直後に配属され、キャリアのない状態からサービスマネージャーの道を歩み始めました。それには、第八グループの特色が影響していると坂井は考えています。
「私たちのチームには経験豊かなベテランがいて、音声系に関する圧倒的な知見を持っています。常にチーム内では年齢、キャリアに関係なく活発なコミュニケーションが図られており、すべての案件はワンチームで動いています。私は通常業務の傍ら、ベテランと若手の連携をサポートする役割に注力しています」(坂井)
このようなチーム連携力の高さにこそ、サービスマネージャーを成長させる土壌があるとカンは語ります。
「私たちのチームは音声技術に特化し、さまざまな業界のお客さまをサポートしています。サービスマネージャー1人あたり3、4案件を担当していますが、必ずサブの立ち位置に別のサービスマネージャーが関わっています。担当するお客さまの業界、サービスはバラバラですが、常に案件の状況、事例、バグなどのナレッジ共有も行い、それぞれのノウハウを底上げしていくチーム内の連携力こそが強みだと思っています」
神戸は、ベテラン勢の面倒見の良さも若手の育成を加速していると感じています。
「私やカンは、ベテランの方々から指導を受ける機会が非常に多くとても助けられています。みなさん、若手に対して教えることに対して苦に感じないようで、そこに若手が存分に成長できる土壌があるのかもしれません」(神戸)
古くからラグビーには「One for all, All for one(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)」という精神があります。それを、ITサービスマネジメントの舞台で遺憾なく実践しているのが第八グループです。
NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第八グループ
カンミンギ
グローバルな舞台で活躍できる仕事に就くために韓国の大学を卒業後、2017年にNTT Com入社。以降、音声系のサービスマネージャーとして現在4年目に突入している。まったく未知の領域であっても果敢に突き進む旺盛なチャレンジ精神が強み。趣味は料理、最近の自信作はグアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)を使ったローマの伝統的カルボナーラである。
「仕事をする上では、お客さまより提示されたボールを積極的に受け取り、最大限の成果を返すためにいかに自身の力、そして、チームの力を使うかを考えるようにしています。ときには、契約範囲外のことでもチーム一丸で対応に当たることもありますね。そうした姿勢を評価していただき、『音声に関しては安心して一任できる』といった言葉をいただくときに最大の喜びを感じます」(坂井)
システム運用保守の案件では設計・実装すれば終わりではなく、むしろ実装後に安定して運用保守を回していくための改善活動が重要になります。その際にカンが大事にしていることは想定されるインシデントの洗い出しです。
「すべてのインシデントに対して、具体的な対応フローをつくる必要があります。常に細心の注意を払い、インシデントの想定に漏れはないか、フローが最適かどうかを留意しながら仕事をしています。それらがチームの業務品質の向上、事業継続の貢献などの成果につながるとやりがいを感じます」(カン)
神戸が仕事をする上で大切にしていることはスピード感、潜在的ニーズの察知力です。
「私は新規案件を担当することが多く、そこで重要になるのはサービスインまでに社内外の運用保守業務のプロセスを完璧に作り込むことです。保守の領域ではトラブルの迅速な復旧が求められるため、現場担当者のみに任せるのではなく、サービスマネージャーとして積極的に関わるようにもしています。実際にお客さまのシステムが稼働して、うちのフロントとベンダーが緊密に連携し、想定通りのロジックで回ると達成感があります」(神戸)
坂井は、これまで仕事を見守り、ときには背後からサポートしてきた2人の成長に確かな手応えを感じています。
「お客さまとの信頼関係を築くには、自信を持って自分の考えを説明する、カタチにすることが重要です。これまでの2人の話からあふれる責任感は、自ら行ってきた実績と自信が築き上げたもの。若手の2人がお客さまに満足いただけるものを作り上げてきたと言い切れるのは、大きな成果だと感じています」(坂井)
NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第八グループ
神戸郁美
日本企業が持つ技術力を世界中に輸出する志を持ち、2018年にNTT Comに入社。以来、2年半にわたり音声系のサービスマネージャーのキャリアを重ねる。チームメンバー、ベンダー、顧客など、相手に合わせて最適な情報を明快に伝える適応能力が強み。現在の楽しみの1つは多言語の習得。5言語のマスターを目指し、現在はポルトガル語を学んでいる。
自身のサービスマネージャーとしての強みは、果敢な挑戦心にあるとカンはとらえています。
「入社時はITの知識ゼロからスタートしたため、一刻も早く実績を重ねて一人前になりたいと思っていました。そこで、たとえ未知の領域であっても恐れず取り組むことを心がけてきました。これまでに仮想サーバーの構築、RPAの導入も手がけました。そんな果敢な挑戦心が強みであり、チームメンバーとして期待されていると強く感じています」(カン)
一方、コミュニケーションの適応能力に、自身のサービスマネージャーとしての強みがあると神戸は分析しています。
「どんなタイプの方ともアジャストした言語で話せる適応能力には自信を持っています。社内ではネットワーク、音声など分野ごとに合わせた業務上の話、ベンダーとはテクニカルな仕様の確認、あまり技術に詳しくないお客さまには、専門用語をかみ砕いてわかりやすく説明するなど、伝え方を工夫しています」(神戸)
現在、坂井、カン、神戸はServiceNowを活用したサービスオーダー業務の効率化に向け、新たなプラットフォームの構築に取り組んでいます。すでにプロジェクトは大詰めを迎えており、間もなくソリューションとしてリリースされる予定です。
「これまでメール、電話で受け付けていたオーダーの窓口をWeb上に集約、さまざまな手作業を自動化して運用稼働を抑えます。お客さまには対応が早くなり、オーダーの進捗状況が見えるメリットも生まれます。
昨今のコロナ禍によりクラウド上のアジャイル、オンデマンドでの開発、拡張ニーズは拡大していくと考えられます。現在、そこで求められる、お客さまの疑問や進捗についてわかりやすく回答できる仕組みをカンと神戸を中心にチーム内で企画し、進めているところです。これからも若手の2人には挑戦心や適応能力といった持ち味を生かして、チームを盛りあげてもらうとともに、お客さまとNTT Comの懸け橋になって欲しいと思います」(坂井)
※肩書き、プロフィールは取材当時のものです