ICT運用の最前線!熱きプロフェッショナルたちの物語 vol.10「メディア業界発展のために貫き通す「お客さまファースト」主義の全容」 ICT運用の最前線!熱きプロフェッショナルたちの物語 vol.10「メディア業界発展のために貫き通す「お客さまファースト」主義の全容」 ICT運用の最前線!熱きプロフェッショナルたちの物語 vol.10「メディア業界発展のために貫き通す「お客さまファースト」主義の全容」

放送局や新聞社、広告代理店といった企業は、情報を広く、正しく、早く伝えることを生業としています。そのため事業を支えるネットワーク、音声システムなどには高い信頼性に加え、大容量データをリアルタイムにやりとりできる帯域設計が必須となります。NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)には、そうした企業のIT基盤を守る専門部隊があります。

今回は、日本の大手メディア系企業を担当するサービスマネージャーの松井健二、田中治一、大阪欣吾を紹介します。普段報道されない縁の下の力持ちの仕事に迫ります。

視聴者、読者の信用を裏切らない信頼性の担保

NTT Comの松井、田中、大阪は、大手メディア系の顧客が利用するネットワーク、音声システムなどの運用保守を担うサービスマネージャーです。メディア業界は視聴者、読者の期待に応え、信用を裏切らないことが鉄則であるため、事業のバックボーンとなるIT基盤を止めることは絶対に許されません。

サービスマネージャーの大阪は、大手放送局、新聞社など4社を担当し、IT基盤の運用保守を一手に担っています。業界特有の厳しいプレッシャーが、良い刺激になっているといいます。

NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第二グループ 主査
松井健二

サービスマネージャーとしてのキャリアは25年、現場を知り尽くした筋金入りのプロ。1984年入社。無線中継所の勤務を経て、大手ISPのネットワーク、サーバー、データセンターなどのトータルな運用保守を20年間支える。その後、大手放送局のSI系を一手に担う現在のポジションに至る。時間を見つけては東京ドームに足を運ぶ大の巨人ファンであり、大声での応援、時々出るヤジ、観戦中のビールをこよなく愛している。

「テレビの報道、新聞の紙面づくりには鮮度の高い情報の伝達が不可欠です。そのため、通信が止まった場合、お客さまにどれだけの損害額が発生するのかを聞くこともあり、プレッシャーを感じることもあります。その一方で、継続して安定稼働させることに大きなやりがいを持っています。最近では、運用保守で築いたお客さまとの信頼関係により、新規案件の相談を受けることが増えています。運用保守の枠を超えてIT基盤に関する最初の相談窓口になること、そこにサービスマネージャーの醍醐味があると考えています」(大阪)

松井は、10年以上にわたり大手放送局の専任サービスマネージャーを担当。現在、三十数件のSI案件を統括しており、そうした経験から安定運用のカギはチームワークにあると語ります。

「これだけの案件を一人で回すことはできないため、実務的な作業は案件ごとにあるチームのメンバーに対応してもらっています。それでも、すべてのメールをチェックして状況を確認し、適切なフォローを行う必要もあるため、気苦労も少なくありません。しかし、私の役割はすべてのチームメンバーが高いモチベーションを維持し、働ける環境をつくることです。それが上手くいって、いきいきと働くメンバーの顔が見られると、サービスマネージャーとして喜びを感じます」(松井)

田中は、大手新聞社、広告代理店で稼働する音声システムの運用保守をメインに手がけ、自身のチームの強みは音声に特化した専門性の高さにあると分析します。

「私が所属するチームは、オンプレミスのPBX機器の扱いに長けたメンバーが揃っているため、通常の運用保守に加えて、次期音声基盤の構築までをワンストップで対応できるところに強みがあります。現在、音声基盤のクラウド化も検討しており、業界で求められる高い音声品質を維持したまま、うまく移行するためのバランス、タイミングを探っているところです」(田中)

コミュニケーション能力の使いどころは三者三様

三人のサービスマネージャーは、それぞれITに関する豊富な経験、技術的な知見を持っています。しかし、いずれも経験、技術は二の次、サービスマネージャーに求められる最も重要な資質はコミュニケーション能力にあると口を揃えます。

NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第二グループ
田中治一

1998年入社。ネットワーク系のSEを経て、2002年よりネットワーク、音声システムのサービスマネージャーとして新聞社、大手広告代理店などメディア業界の顧客を担当。運用保守業務のみならず、音声基盤の更改に向けた構築提案までを含めてワンストップで対応している。趣味のキャンプは現在自粛中だが、気分を味わうために自宅のワークスペースにキャンプ用の机、椅子を持ち込むほどのガチ勢である。

顧客と接する際のコミュニケーションで大事なのは対面する機会を増やし、傾聴することにあるというのが松井の持論です。

「運用保守はうまく回って当たり前の世界で、お客さまから連絡があるときは大半が故障などのトラブルです。そうした時、今は多少状況が変わってきていますが、メディア系のお客さまからは非常に厳しいお叱りの言葉をたびたびいただいたことがあります。そこで気付いたのは、やはりトラブルの時だけ会って謝るだけでは、信頼関係は築けないということです。そこで、定例会を開いたり、短い時間であっても訪問する機会を設け、会って対話することを心がけています。

そして、故障などトラブルが発生したときには、まずお客さまの不満、要望などを最後まで聞くようにしていますね。一度、自分でお客さまの想いを受け止め、きちんと整理した上で、合意に向けて自分の意見をきちんと伝えることを習慣づけています。」(松井)

顧客との対話に加えて、その先のエンドユーザーとも話す機会が多い田中は、コミュニケーションの立ち位置をぶれさせないことが重要だと考えています。

「サービスマネージャーは、お客さま目線で考えることが重要です。あくまでも自分の立ち位置は、お客さまの側にあると認識しています。場合によっては、社内を敵に回してしまうこともあるんです。お客さまからどんなに厳しい要求があっても、必要とあれば社内のメンバーを辛抱強く説得し、納得してもらうまでに多くの時間と労力をかけます。ここで絶対に負けるわけには、いかないのです」(田中)

大阪は、ときに社内を敵に回す覚悟に加え、日ごろの根回しの必要性について触れます。

「私たちの仕事では、24時間365日体制でお客さまとの窓口業務を担う、フロントメンバーとの緊密なやりとりが重要になります。なぜなら、彼らはお客さまの最新の状況をいちばん先に把握しているからです。日頃からコミュニケーションを取る機会を増やすことで、なんでも包み隠さず話してもらえる風通しのいい環境をつくることが重要だと思っており、身内の現場を訪ねることにも力を入れています」(大阪)

お客さまファーストの視点でメディア業界の発展に貢献したい

NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第二グループ
大阪欣吾

2014年入社。SEとしてネットワーク、コールセンター、グループウェア、無線LANなど幅広いシステム構築に関わる。2018年よりサービスマネージャーとして放送局、新聞社などメディア系の複数顧客のネットワーク基盤の運用保守を担当。なかにはSE時代に自身が構築したシステムも含まれているという。休日は4歳と2歳の子供と公園で遊ぶ。最近、子供の成長を見守る時間は自身の成長にもつながることに気づく。

20年近く、同じ顧客をサービスマネージャーとして支えてきた経験から生まれる現場力こそが、自身の強みだと田中は分析します。

「お客さまより、お客さまの会社のことを熟知している自負があります。経験をもとにした的確な提案を頼りにされるケースも多々あります。お客さまと同じゴールを目指す味方として、お客さまと一緒に現場対応にあたり、ベンダーに縛られない対応力で最適なIT基盤の未来を描いていければと思っています」(田中)

大阪は担当するテレビ業界の発展に貢献したいという、熱い胸の内を語ります。

「テレビ業界は、4K、8Kという高精細な映像の世界に突入しようとしています。今後は大容量データを高速で動かせる技術を持つNTT Comの強みを活かし、会社としても私個人としても、次世代の映像配信で頼りにされる存在を目指していきたいですね」(大阪)

これまで多くの逆境を乗り切ってきたタフな対応力こそが松井の強みになっています。

「テレビ、ラジオの放送を連携させる基幹ネットワークを担当していると、夜間や休日は関係ありません。例えば、集中豪雨のような自然災害では回線が切れる事故が起こります。一方で、そういう緊急時にこそ速報性の高いニュースが求められるため、一刻も早い回線復旧が必要です。

常に私は電話を枕元に置いて、いつでも連絡を受けられるようにしています。これこそがお客さまのシステムを見守るサービスマネージャーに欠かせない、お客さまファーストの視点なのです。今後も日本の報道を支えてきたプライドをチーム一丸で固持し、メディア業界の発展に向けてNTT Comの持てる力を最大限に発揮していきます」(松井)

※肩書き、プロフィールは取材当時のものです

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