IT人材不足が深刻化する理由とは?
ITエンジニア不足が企業に与える影響やとるべき対策について解説
IT人材が不足している理由として、以下の3点が挙げられます。
- 少子高齢化による労働人口の減少
- IT需要の拡大
- IT技術の急速な進歩
日本では、急速なデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、関連する専門人材の確保、獲得が困難で深刻な状況が続いています。
本記事では、IT人材不足の背景や企業に与える影響、そして効果的な対策について解説します。
IT人材不足の状況
経済産業省が2018年9月に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の中で、IT人材は2015年の時点で約17万人も不足しているとされ、それが2025年には約43万人まで拡大すると推測されていました。
同じく経済産業省の調査「参考資料 (IT人材育成の状況等について)」によると、2030年までに国内のIT人材不足は最大で約80万人に達する可能性があると予測されています。
つまり、IT人材は過去も不足しており、将来的にはこれまで以上に悪化すると予測されているのです。
IT人材が不足する理由
ではなぜ、このようにIT人材が不足しているのでしょうか?
その理由は、主に次の3点です。
少子高齢化による労働人口の減少
日本では少子高齢化が急速に進んでおり、日本人の労働人口が減少しています。外国人労働者の力を借りて、なんとか切り盛りしている状態だといえます。
IT業界も例外ではなく、若年層のIT人材の供給が不足し、高齢化による労働力減少が拍車をかけています。
特に専門性が高いIT分野では、労働市場全体での競争が激化しています。
IT需要の拡大
現在、日本ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やクラウドコンピューティングの普及により、IT需要が急拡大しています。
多くの企業がデジタル技術を活用した業務改善や新規事業の立ち上げを進める中で、専門性の高いエンジニアやデータサイエンティストの需要が急増しています。
しかし、この需要の拡大に人材供給が追いついておらず、IT業界全体での人材不足が顕著になっています。
IT技術の急速な進歩
AIやIoT、ブロックチェーンといった先端技術が急速に進歩する中で、これらを扱うための情報やスキル、知識を持つ人材が不足しています。
技術の進歩に対応するには、現場のIT人材が継続的に学び続ける必要がありますが、教育や研修の環境が整っていない企業も多く存在します。
その結果、新しい技術を十分に活用できる人材が不足し、企業の技術競争力が低下するリスクを生んでいます。
IT人材不足が企業に与える影響
IT人材不足がもたらす影響は多岐にわたります。
以下に、具体的な影響を挙げてご紹介します。
DX推進の遅延
DXは、現代の企業経営において重要な戦略であり課題となっています。
しかし、IT人材が不足しているため、自社の計画・開発の遅延や実行フェーズへの移行が困難になる企業が少なくありません。
DX推進の遅れは、競争環境での優位性を失い、新たな市場機会を逃す原因となってしまいます。
情報セキュリティリスクの増加
ITシステムが高度化する一方で、専門的なスキルを持つ人材が不足しているため、情報セキュリティ対策が十分に施せなくなってしまっています。
特に、不適切なシステム管理が原因でサイバー攻撃のリスクが増大し、顧客データ流出やビジネス停止の危険性が高まっています。
業務効率化の停滞
IT人材が不足すると、システムの運用や保守に直接的な影響が出てしまいます。
すると、社内で効率的な業務プロセスの構築が進まず、手作業や時間のかかる業務が増えてしまいます。これがひいては、従業員全体の生産性低下につながります。
最終的に、企業の競争力の低下やコスト増加につながるリスクがあります。
イノベーションの停滞
新しいITシステムの導入や独自の技術開発を行うためには、高度なスキルを持つ人材が欠かせません。
しかし、IT人材不足により、革新的なプロジェクトの立ち上げが難しくなり、長期的な成長戦略に支障をきたしてしまい、イノベーションを起こすことができなくなります。
企業がIT人材不足に向けてとるべき対策
上記のように、IT人材不足は企業経営全体に影響を及ぼす大きな課題です。
適切な対策を講じることで、競争力の維持と成長を実現するための基盤を構築しましょう。
以下で、企業がIT人材不足に向けてとるべき4つの対策をご紹介します。
採用や定着率の強化
IT人材不足に対応するためには、まず採用活動の強化が必要です。
特に、専門スキルを持つ人材を確保するためには、企業の魅力をアピールする戦略が欠かせません。
具体的には、競合他社よりも高い給与や充実した福利厚生の提供、柔軟な働き方の推進などが挙げられます。
また、新入社員の定着率を高めるために、オンボーディングプログラムや職場環境の改善にも注力する必要があるでしょう。
IT人材の育成
外部からの採用だけでなく、既存社員のスキル向上も重要です。
具体的には、IT人材を育成するために、社内での研修プログラムや外部のトレーニングを活用する方法があります。
特に、クラウド技術やAI、セキュリティなどの先端分野でのスキル習得は、企業の競争力を大幅に向上させる可能性を秘めています。
さらに、学びの継続を促進するために、オンライン学習プラットフォームの導入も効果的です。
業務の効率化・自動化
業務の効率化を図ることで、IT人材の負担を軽減し、生産性を向上させることができるため、IT人材不足への対策になります。
たとえば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIツールの導入により、定型的な業務を自動化し、IT部門が戦略的な業務に集中できる環境を整えることが可能です。
この結果、既存の人材をより効果的に活用できるようになります。
外部への依頼
IT業務の一部を専門の外部業者に委託することで、IT人材不足の問題を解消することができます。
たとえば、ドコモビジネスの「X Managed(クロスマネージド)」のようなサービスを活用すれば、システム運用やセキュリティ監視をプロフェッショナルに任せることができます。
このような外部サービスの導入により、内部リソースを戦略的な業務に集中させ、企業全体の効率化を実現できます。
まとめ
IT人材不足は、多くの企業が直面する喫緊の課題です。
この課題を解決するには、採用活動の強化や既存社員の育成、業務の効率化・自動化、さらには外部リソースの活用といった多角的なアプローチが必要です。
企業は、IT人材不足という現状に対処するだけでなく、将来を見据えて柔軟かつ戦略的に取り組むことが求められています。適切なソリューションを導入し、持続可能なIT運用体制を構築することで、今後の市場環境に適応し続けることが可能となるでしょう。
ドコモビジネスが提供する「X Managed(クロスマネージド)」のような総合的なIT運用支援サービスは、IT人材不足の影響を軽減し、企業が競争力を維持するための有力な解決策の1つです。IT部門の負担を軽減し、限られたリソースを最大限に活用することが可能となります。
IT人材不足にお悩みの企業様は、ぜひ導入をご検討ください。