サービスマネージャーとは
- 役割や3つの分類など

もし、次に示す『7つの役割』を果たすコミュニケーションのとりやすい技術者が身近なところにいたとするのであれば。。。日常的にICTシステムの利用が不可欠なビジネス環境上、CEOをはじめICTシステムを使う側としては、なんと安心で、実に頼りになる存在ではないでしょうか。”サービスマネージャー(SM)”と呼ばれるITプロフェッショナルの存在です。

サービスマネージャーとは - 役割や3つの分類など:もし、次に示す『7つの役割』を果たすコミュニケーションのとりやすい技術者が身近なところにいたとするのであれば。。。日常的にICTシステムの利用が不可欠なビジネス環境上、CEOをはじめICTシステムを使う側としては、なんと安心で、実に頼りになる存在ではないでしょうか。”サービスマネージャー(SM)”と呼ばれるITプロフェッショナルの存在です。

もし、次に示す『7つの役割』を果たすコミュニケーションのとりやすい技術者が身近なところにいたとしたら。。。

日常的にICTシステムの利用が不可欠なビジネス環境上、CEOをはじめICTシステムを使う側としては、なんと安心で、実に頼りになる存在ではなかろうか。”サービスマネージャー(SM)”と呼ばれるICTプロフェッショナルの存在である。

サービスマネージャーの役割

(1)運用管理チーム、オペレーションチーム、サービスデスクチームなどのリーダーとして、サービスサポートとサービスデリバリのプロセスを整備・実行し、最適なコストと品質で顧客にITサービスを提供する。

(2)アプリケーションに関するライフサイクル管理のうち、システムの受入れ、運用などを行う。また、開発環境を含めて安定した情報システム基盤を提供し、効率的なシステムの運用管理を行う。

(3)ITサービスとマネジメントプロセスの継続的改善を行う。ITサービスの実施状況を顧客に報告するとともに、顧客満足度向上を図る。

(4)情報セキュリティポリシの運用と管理、情報セキュリティインシデント管理を行い、ITサービス活動の中で情報セキュリティを効果的に管理する。

(5)顧客の設備要件に合致したハードウェアの導入、ソフトウェアの導入、カスタマイズ、保守及び修理を実施する。また、データセンター施設のファシリティマネジメントを行う。

(6)顧客との円滑なコミュニケーション関係を形成、ICT環境全般に関わるニーズ課題を把握し、タイムリーな改善提案を行う。

(7)顧客のICT環境に応じた膨大なナレッジを活かし、「設計」「運用」「改善」のサイクルを通じて、インシデントの未然予防、発生したインシデントに対する徹底的な再発防止策の実施を行う。

RPA・AIの普及とサービスマネージャーの必要性

(1)~(5)は、情報処理推進機構(IPA)の「ITサービスマネージャ試験(SM) ~ ITサービスの安定提供を約束する仕事人 ~」から、サービスマネージャーの業務と役割を引用したものだ。(6)(7)は、実際のサービスマネージャーにインタビューして得た(1)~(5)以外の役割である。

ここでちょっとした両者の違いにお気づきだろうか?

(1)~(5)は、国家試験の案内情報ということもあるが、IT(Information Technology)が物語るように、情報技術よりの機能を謳っている。一方、(6)(7)は、ICT(Information and Communication Technology)3文字のセンターに、”C(Communication)”の文字があるとおり、ヒトのコミュニケーションを中心に据えた語意になっている。RPAやAIの普及に伴い、ITオペレーションはヒトからテクノロジーに代替されようとしている。人為ミスがなくなり、対処スピードが飛躍的にアップすることで、MTTR(Mean Time Between Failures)の大幅な短縮が見込めるからだ。

しかし、重大なインシデントの場合、その全体を統制し、関連するベンダー(ヒト)に手配・調整をかけ、顧客(ヒト)との密な連絡を要する現場においては、AIを必要とする領域はわずかであろう。

サービスマネージャー 3つの分類

さて、別の視点からサービスマネージャーを捉えてみよう。そのタイプは大きく3つあるのはご存知だろうか?サービスマネージャーへのインタビューを通じ、判明したことなのだが、彼らのスペシャリティは大きくいって3つに分類される。専任サービスマネージャー、共通サービスマネージャー、統括サービスマネージャーだ。

顧客・プロジェクトごとに配置される「専任サービスマネージャー」

専任サービスマネージャーは、顧客ごと、あるいは顧客のプロジェクトごとに配置されるサービスマネージャーであり、一般的には、ICTシステムの運用保守に関わる設計段階からコアメンバーとしてプロジェクトに参画する。したがって、顧客のICT環境全体、あるいはプロジェクトのスコープ全体に精通することはもちろん、”個客”独自の企業文化やルールなどにも長けていくことになる。

特定の業界で共通して配置される「共通サービスマネージャー」

他方、共通サービスマネージャーはというと、特定の業界において複数の顧客、複数のプロジェクトに共通して関わる。したがって、コストは比較的低く抑えられ、一方でその業界事情に詳しいといった点が特徴だ。

複数のサービスマネージャーを束ねる「統括サービスマネージャー」

最後の統括サービスマネージャーであるが、顧客やプロジェクト規模が大きく、広範に及ぶ場合、複数のサービスマネージャーが必要になるケースがある。例えば、リージョンごと(アジア、アメリカ、ヨーロッパなど)とか、サービス分野ごと(クラウド、セキュリティ、ヘルプデスクなど)などにである。このような場合、それらさまざまなパートを束ねる指揮者が必要となってくるのだ。

サービスマネージャー間でスキル・ナレッジを共有

ここで1つの大きな疑問が頭をよぎる。スキルやナレッジの属人化についてだ。

当然だが、顧客ごとにICT環境はさまざまであり、守備範囲や奥行きが異なるわけであるから、スキルやナレッジは、SMごとに相当な開きがでてくるのではないか、という疑問である。

この点についても、実際にサービスマネージャーへのインタビューを通じ明確になったことがある。

驚いたことに彼らは全員、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)有資格者たちであり、一定の共通言語を持っている。そして、日常のミーティングや品質会議などを通じて情報交換を行い、ドキュメントを含めベストプラクティスを共有しているという。

まとめ

そうであれば、もはやサービスマネージャーとは、顧客のICT運用保守のお作法を知り尽くした管理人であり、まるでIT部門に寄り添う最上級のアウトソーサー、あるいはITサービスマネジメント(ITSM)の達人と言っても過言ではないのかもしれない。

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