NTTコミュニケーションズの「マネージドサービス(X Managed®)」は、IT運用プロセスを自動化することで、業務の効率化、運用コストの見直しなどを実現するサービスです。その裏側では、高度化、複雑化するIT運用の課題解決に貢献するため、熟練のサービスマネージャーが幅広い業種のお客さまと緊密に連携しながら、日々、IT運用の品質維持、改善活動に取り組んでいます。
今回は、国内大手自動車メーカーのIT基盤運用を担当する酒井武志サービスマネージャーと藤本武志サービスマネージャーという二人のサービスマネージャーの横顔に迫ります。
NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第一グループ
担当課長 酒井武志
1991年にNTT北陸支社入社。1996年に金沢から上京し、以来ネットワーク、セキュリティ運用一筋で歩んできました。モットーは「即断即決」で、特に故障対応では問題解決に迅速に取り組み、“復旧対応”を主導できればと考えています。スポーツ観戦が好きなので、そんな話もお客さまとできると嬉しいですね。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の酒井と藤本は、第二マネージドソリューション部門の第一グループのサービスマネージャーです。二人は、国内大手メーカーA社のIT基盤運用に2007年から携わってきました。
酒井サービスマネージャーは、A社のIT基盤運用でNTT Comの司令塔役を担う自身の役割について、次のように語ります。「ネットワーク、サーバーはもとより、『X Managed®』といった当社のサービスを効率的に使ってもらうために、運用面における品質管理を行うのが私たちサービスマネージャーのメイン業務です」
藤本サービスマネージャーは、10年以上にわたりA社を担当。最初のミッションは、クライアントと同じレベルで、A社について深く理解することだったと振り返ります。「サービスマネージャーとして大切にしているのは、お客さまに寄り添うことです。そのために、日ごろからお客さまの情報システム部門の視点で物事を考えるようにしています。A社の案件では、事業戦略を理解するところから始まるなど、大変なこともありましたが、光栄なことに今では先方の一員のような感覚で接していただいていています」
長年、A社とサービスマネージャーが築いてきた信頼関係により、現在、NTT Comの運用範囲は日本及びアジアリージョンのIT基盤まで拡大しています。
「NTT Comのグローバルエリアカバレッジを活かし、欧州の担当者と連携して故障対応、構成変更にあたることもあります。このような臨機応変な対応ができることも、私たちの強みのひとつです」(藤本サービスマネージャー)
NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
第二マネージドソリューション部門
第一グループ
主査 藤本武志
1999年にNTT Comに入社し、これまでに法人向けマネージドサービスの運用や構築案件を担当してきました。自分の得意分野はネットワーク構築運用だと考えており、お客さまに貢献できるよう日々勉強し続けています。一方で、「無理はしない」ということを大切にしているマイペースな性格だったりもします。
IT基盤の運用で情報システム部門を悩ませるのが、トラブルの発生です。酒井サービスマネージャーは、ポジティブなマインドセットでトラブル対応にあたっているといいます。「大規模な運用トラブルが発生すると、私たちのチームは“復旧支援”ではなく、“復旧対応”を主導で行うことがよくあります。重責を担う一方、初動対応から各所への報告、リカバリ対応までを完璧にやりきれば、さらなる信頼関係を築けると信じているからです」
藤本サービスマネージャーも、逆境下で成果を積み重ねてきたことが、A社との信頼関係につながったと証言します。「重大なトラブルにしっかりと対応していくうちに、徐々に我々が逃げることなく最後まで対応するという印象がお客さまに伝わったようです」
酒井サービスマネージャーがポジティブにトラブルと向き合う理由は、まだあるようです。「通常、安定稼働しているIT基盤ではシステム、データの細かい連携は見えてきません。しかしトラブル対応を主導することで、深層までが明らかになります。それにより、トラブルの影響範囲を踏まえた再発防止に向けての改善点、より効率的な運用に向けた工数の削減など、次回更改時のシステム設計にフィードバックできるようになります」
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組む企業では、各種クラウドサービスや、オンプレミス環境を複合的に利用することにより、IT運用が煩雑化しています。それらの管理・監視を一元的に実現するツールとして、近年注目を集めているのがSaaS型ITサービスマネジメントプラットフォーム「ServiceNow」です。酒井サービスマネージャーと藤本サービスマネージャーは、A社におけるServiceNowの導入にも深く関わっています。
第二マネージドソリューション部門の第一グループではかねてより、新技術に関する情報を収集するため、メンバーを勉強会などに積極的に参加させていました。A社が導入の2年前に実施した、米国のServiceNow本社に対するヒアリングにも同行したといいます。
「ServiceNow本社に同行することで、A社の課題とServiceNowがどのようにマッチするのかを把握することができました。導入が決定してからも、現地で築いたエンジニアとのパイプがシステム構築で役立ちました」(藤本サービスマネージャー)
NTT Comは自身もServiceNowのユーザーであり、2016年から自社でシステム開発を行いながら活用を続けてきました。そのノウハウを活かし、A社の導入プロジェクトでは、7割の完成度で現場に導入し改善、改良を重ねていくアジャイル開発の手法を提案。従来のウォーターフォール開発よりも圧倒的に短い期間、少ない工数で導入を完了したといいます。
「A社はこれまで、ネットワークやサーバー、PCごとに運用の標準プロセスが分かれており、ベンダーも別々という状況でした。それらをServiceNowでワンプラットフォームに集約し、すべてのIT資産を横断する標準プロセスの簡易化、効率化に取り組んでいます」(酒井サービスマネージャー)
企業の情報システム部門では、クラウド、モバイル、IoTといった管理対象の拡大にともない、運用負荷が増える傾向にあります。その中で、IT基盤運用のアウトソーシングに興味を持ちながら、コスト面を懸念して一歩が踏み出せないケースもあります。
酒井サービスマネージャーは、お客さまのニーズとコストに見合った運用プランを提案し、ITシステムの投資対効果の向上に貢献することがサービスマネージャーの使命だと断言します。「例えば、製造業のお客さまで生産ラインの稼働率を上げたという場合、まず故障箇所の迅速な検知ができ、低コストで導入可能なX Managed®の監視ツールを提案することがあります。問題点、改善点が可視化できれば、無駄な投資をすることなく次の一手が打てるからです。このように、私たちサービスマネージャーは、お客さまの内情を理解した上で、課題解決に貢献したいと考えています」
運用コストを削減する取り組みは、現在A社でも行われています。年々運用コストを低減していくというオーダーを達成するため、サービスマネージャーはIT基盤運用のさらなる自動化、効率化に取り組んでいます。
「自動化、効率化で浮いた予算や人員というリソースを活かし、お客さまの攻めの事業に貢献していく。自社製品を持たないマルチベンダー、豊富なITサービスを持つキャリアとして、柔軟にDX推進をサポートできることもNTT Comならではの強みです。現在、自動車業界では、自動運転、コネクテッドカー、MaaSといった新たな領域が盛り上げりを見せようとしています。今後は、そうした部分のIT運用でもお客さまに貢献できないかと考えています」(酒井サービスマネージャー)
藤本サービスマネージャーは、IT基盤の運用改革には、早い段階からサービスマネージャーを議論に加えることも効果的だと言います。「企画段階から参加させていただくことで、ご提案の幅は大きく広がります。私たちはお客さま側のサービスマネージャーとして、運用保守のみならず改善策といった提案もできます。IT運用で何かお困りのことがございましたら、ぜひ私たちに相談いただければと思います」
※肩書き、プロフィールは取材当時のものです