運用自動化とは?
必要な理由と進まぬ原因、3つのポイントで実現

近年、ICT(情報通信技術)の発達によって多くの業務がシステム化されています。システム化される業務が増えた分、システムは多様化・複雑化し、人の手だけで管理することは難しくなってきました。人手不足の企業が多いなかで、効率的な運用を実現するためには運用の自動化が必要不可欠です。

この記事では、運用自動化の概要から必要な理由、進まない原因、メリット、実現させるためのポイントについて解説します。

運用自動化の概要から必要な理由、進まない原因、メリット、実現させるためのポイントについて解説します。

運用自動化とは?

運用自動化とはシステム運用を自動化することです。システムと一言でいっても、サーバーやネットワーク、各種アプリなどさまざまなものが組み合わさっており、その運用方法は非常に多種多様化しています。

運用業務は限られたリソースのなかで効率良く対応することが求められます。より効率的なシステム運用を実現するための手段として注目されているものが、運用自動化です。

しかし、長年運用を続けるシステムは人の手によって最適化されています。そのため、定型業務の自動化だけでも多少の効果は期待できますが、より効率的な運用自動化を実現するためには自動化にあった運用の仕組みを作ることが重要です。

運用自動化が必要な理由

ICTの発達によって新しい技術が次々と登場するなかで、システムは新しい技術を取り込むことで多様化・複雑化しています。近年ではIT予算の8割以上が保守にあてられる状態で、運用の現場では新技術への対応も迫られています。

多様化・複雑化するシステムは同時に規模も大きくなり、人の手だけでは管理が難しくなってきているといえるでしょう。より効率的かつ安全なシステム運用を実現するための手段として、運用自動化が求められています。

多くの企業において人手不足は、主な課題として挙げられています。今後はさらに高スキルなIT人材の争奪戦が予想されるため、人手不足はより深刻化する可能性があるでしょう。企業の存続と働く従業員のより効率的な働き方を実現するためにも、運用自動化が必要とされているのです。

運用自動化が進まない原因

「運用自動化が進まない原因」イメージ画像

運用自動化については、以前からその必要性が説かれ続けてきました。しかし、近年でもなかなか進められていない企業が少なくありません。その理由にはさまざまなものがありますが、大きな原因としてシステムや人の柔軟性の欠如が挙げられるでしょう。

システムの一部は自動化できていても、全体として最適な自動化が実現できていなかったり、運用業務が属人的になってしまっていたりする可能性があります。

また、運用自動化でよく課題に挙げられるのが業務の棚卸しです。現状の業務の棚卸しや標準化には膨大な工数がかかります。日々の運用業務に追われるなかで、これらの業務は優先度が低く後回しにされがちなため、自動化が思ったように進まないという話もよく聞きます。

運用自動化を実現するには、自動化することの効果やメリットをしっかりと理解し、変革を恐れないことが重要です。既存のシステム運用の仕組みそのものを変える必要性についても理解し、将来的なシステム運用の効率化を検討しなければなりません。

運用自動化によって得られるメリット

運用の自動化を実現すると、主に次に挙げるような3つのメリットが得られます。

オペレーションの人的ミス削減

運用業務を自動化することで、オペレーションの人的ミス削減が期待できます。

運用業務はシステムの多様化・複雑化にともない、膨大な工数が必要になってきました。そのような状況のなかで、人の手だけで運用を続けていると人的ミスによってトラブルが発生する可能性も高まります。

運用自動化によってシステム運用を効率化することで、人的ミスを減らしてトラブルの発生頻度を減らすことが可能です。

コストの削減

システム運用には多くの時間と人手が必要になります。これらのコストは多くの企業にとって課題となりえる部分です。

実際に日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査によれば、IT投資で解決したい短期的な経営課題として“業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)”を挙げる企業が最も多い結果となっています。

運用自動化を実現すれば、システム運用に関わる多くのコスト削減が期待できるため、効率的な運用が可能となります。

人材の有効活用

システム運用は、企業にとって直接利益を生み出す業務ではありません。しかし、業務の根幹をなすシステムを継続的に利用するためには欠かせない業務の一つです。

システム運用に多くの時間と人手を取られると、企業にとって利益を生み出すための重要な業務を進めるための人材が不足することにもつながりかねません。

IT人材は現状でも人手不足の傾向にあり、高度IT人材ともなるとその傾向はより顕著です。今後の企業経営では、高度IT人材の確保はさらに重要になるでしょう。

運用自動化が実現できれば、運用に関わる人手を減らし、高度IT人材といった事業発展のための人手を増やすことが可能です。

運用自動化を実現させるためには

「運用自動化を実現させるためには」イメージ画像

運用自動化を実現させるためには、次に挙げる3つのポイントが重要になります。

業務の標準化

運用業務を自動化する際にネックとなるポイントは、属人化した業務の存在です。特定のオペレーターの暗黙知による業務が存在していると自動化は難しくなります。

システマチックな運用を実現するためには、業務の標準化が欠かせません。属人化した業務は誰もが行なえるように具体的な作業手順を共有し、標準化することが重要です。

ところが、「運用自動化が進まない原因」でも挙げたとおり、業務の標準化のためには業務の棚卸しから始めることになります。しかし、忙しいなかでは対応の優先度が低くなりがちです。その場合には、自動化を部分的・段階的に進めることも検討するとよいでしょう。

定型業務の自動化

運用業務には定型業務と非定型業務のどちらも存在しますが、定型業務を中心に自動化を進めることで効果を得られやすくなります。しかし、運用業務の多くは非定型でコストをかけて自動化するほどのボリュームがないことのほうが多いでしょう。

そのため、まずは非定型業務の標準化から進めることをおすすめします。非定型業務を標準化することで、多くの業務に共通事項が生まれます。それらの共通事項を定型業務として自動化できれば、自動化によるコスト削減効果の最大化が期待できます。

システム・人の柔軟性の確保

運用自動化を実現させるためには、システムだけでなく人も柔軟に対応することが求められます。

運用自動化を実現するにあたり、従来とは運用の仕組みそのものを大きく変える必要性も出てくるでしょう。その際に従来どおりの業務の進め方に人が固執してしまっては、自動化が実現できません。

新たな技術を取り入れる柔軟性とやる気、自動化に関する正しい理解や必要性を得る必要があります。また、現場の人間だけでなく、管理者層まで含めて一丸となって運用自動化に取り組むことが重要です。

運用自動化プラットフォームKompira(コンピラ)

運用自動化を実現させるには、さまざまな課題を解決する必要があります。自動化に関するノウハウがないまま実現しようとすると、多くの工数が必要になるでしょう。

これらの課題を解決するソリューションとして、運用自動化プラットフォームのKompiraがあります。Kompiraは“運用の仕組みを変える”を実現する運用自動化に特化したソリューションです。

Kompiraではシステム全体の運用自動化だけでなく、業務ごとの自動化ソリューションも提供しており、インシデント対応、資産管理/構成管理の自動化だけでなく、ネットワーク機器設定変更などの業務プロセス単位での自動化も実現可能です。

今後、システム運用はより効率的になることが期待され、携わる人材の高度化も重要視されるようになるでしょう。そんななかで、KompiraはDX時代に対応した無人オペレーションを実現できるソリューションとして、自動化エンジニアなどの戦略的分野への人材シフトにも貢献します。

なお、NTTコミュニケーションズでは、運用自動化の大きな課題となる現状業務の棚卸しや標準化などの導入前から、運用時に至るまでの柔軟な自動化支援も提供しています。

運用自動化プラットフォーム“Kompira”

まとめ

システム運用を自動化する運用自動化は、多様化・複雑化するシステムを効率的に運用するために必要性が高まっています。しかし、システムや人の柔軟性の欠如、業務棚卸しが遅々として進まないなどの原因により、思うように進められていない企業も少なくありません。

運用自動化を実現できれば、人的ミスやコストの削減、人材の有効活用などが期待でき、効率的かつ最適なシステム運用が可能になります。そのためには必要な業務の標準化や定型業務の自動化をサポートし、稼働率・稼働人数を低減させ、将来的に出社ゼロの実現を目指すソリューションとして、運用自動化プラットフォームのKompiraがおすすめです。

NTTコミュニケーションズでは、Kompira導入前から運用時に至るまでの運用自動化のトータルサポートを提供しています。運用自動化にお困りの際は、ぜひ一度お問い合わせください。

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