大量の監視アラートが生みだす運用上の課題とは
企業内のシステムを安定稼働させるために必要不可欠なのが、ネットワーク監視アラートです。ネットワーク監視アラートは、クラウドを含めネットワーク上に発生するさまざまな問題を早い段階で管理者に通知します。これにより、深刻なトラブルになる前に迅速な対処が可能となります。
とはいえ、通知される大量の監視アラートに頭を悩ませている管理者や担当者の方もいるでしょう。そもそもアラートとは警告や警報を意味します。
そこで本記事では、ネットワーク監視アラートが抱えている課題と、その解決方法を紹介します。ネットワーク監視に効率よく対処したい管理者や担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ネットワーク監視アラートとは何か
まず、ネットワーク監視アラートの概要や仕組みを解説します。
事前に指定した値を指標に管理者に異常を知らせる
ネットワーク監視アラートは、ネットワークの状態やサーバーのパフォーマンスが、事前に設定した「閾値(しきいち)」を超えた場合に、管理者へリアルタイムで通知してくれるアラートのことです。
人が常に監視し続けるには限界があるため、監視アラートの機能をうまく活用することで故障を迅速に検出し、早期解決へと導くのに役立っています。
もし、監視アラートがなければ問題を迅速に対処できず、エンドユーザーのシステム利用に影響を与えてしまいます。つまり、情報や通信が止まり、ビジネスが止まる、さらに、さまざまなリスク要因にもなり、膨大なコスト負担などを引き起こす可能性もあります。
アラートはメールで通知されることが一般的ですが、「閾値を超えた」という事実しかわからないことも多く、その場合は故障の原因や詳細、重要度を管理者自身が確認しなければなりません。
故障を検知するために欠かせない仕組み
ネットワーク監視アラートは、ネットワークの状態やパフォーマンスを監視するための仕組みです。システムの停止やネットワークの切断など、システムの異常がより大きなトラブルへと発展する兆候を事前に察知できます。
常時稼働システムにトラブルが発生すると、システムが回復するまでのダウンタイムによるコストが大きなものになってしまいます。
監視アラートを導入することで、万が一のトラブルの際でもアラートを起因として対処を迅速に開始でき、ダウンタイムを短縮することが可能です。
ネットワーク監視アラートでよくある課題
システムを安全に運用していくために必要不可欠な監視アラートですが、企業の管理者を悩ませている課題も共感できるものです。
大量の通知が来て処理しきれない
監視アラートは、あらかじめ設定された閾値を超えると表示あるいは通知する機能ですが、故障に気付かない事態を避けるため、閾値を低く設定してしまいがちです。
結果として、通知されるアラートの数が膨大になり、対処する管理者への負荷が増大するケースはよくあります。
受けたアラートメールの内容を管理者が1つ1つ確認、選択し、特定の故障とアラートとを結び付けて分類する作業は、それだけで非常に多くの時間と手間が必要です。
さらに、対応結果についてExcelなどの管理簿を作成し記録していく作業なども必要で、管理工程だけでもかなりの作業量が予想されます。システムの規模が拡大すれば、通知されるアラートの数もさらに増加します。
ネットワーク監視を担うチームは人員のリソース不足に悩まされることも多く、少ない人手で大量のアラートを処理するのはかなりの負担だといえるでしょう。
ネットワーク監視アラートが重要なものかわからない
ネットワーク監視アラートにより、発生した異常を検知できてはいるものの、それが一時的なものなのか、恒常的なものなのかは判断がつきにくいことも多くあります。アラートが常態化してしまうと、アラートを過小評価し、無視することがあるかもしれません。
アラートが常態化してしまうと、重要なアラートを見落としてしまい、深刻なトラブルへとつながる可能性が上がります。
よって、通知される数や内容の精度はしっかりと参照しコントロールする必要があります。致命的なトラブルを未然に防ぐためには、監視アラートに課題があった際、早急に見直すことが重要です。
ネットワーク監視アラートの課題解決方法
ここでは、ネットワーク監視アラートが抱えている課題を解決するための方法を紹介します。
アラートを集約して自動エスカレーション
監視アラートは、見逃すと大きなトラブルへと発展する恐れがあるため、大量のアラートを1つ1つ手作業で処理する必要があります。また、監視システムごとに個別に管理している場合は、標準のフォーマットがなく、一連の作業フローが統一されていないこともあります。
そこで、監視アラートの対応を自動化する方法が有効です。自動化をすると、さまざまな種類の監視アラートが自動で集約され、振り分けることが可能です。監視アラートの内容を判別したあとは、必要により管理者にエスカレーションしたり、監視対象への一次保守対応を行なったりなどのアクションを実行できます。
対応した内容の記録・管理までの作業もすべて自動化すれば、管理簿を作るための工数も削減できるでしょう。
監視アラートを自動で分類
管理者はネットワーク監視アラートに24時間態勢で対応しなければならず、心身的にかなりの負担がかかります。また、システム故障は夜中に起こることが多く、そのたびに管理者は対応しなければなりません。しかし、監視アラートの通知には数多くの誤検知が含まれていることもあります。
これをサポートし、解決するのが、監視アラートの自動分類システムです。
監視アラートの自動分類システムを使用すれば、管理者が1つ1つ手作業で行なっていた監視アラートの通知確認だけでなく、エンジニアへの対応もすべて自動的に実行することが可能です。
監視アラートの自動化の流れは以下のとおりです。
①監視サーバーが監視対象システムの障害を検知し、監視アラートの自動分類システムに障害内容を送る。
②誤検知の可能性もあるため、通知内容を解析し、アラートを分類する。
※アラートの内容によって、対象システムへの処理を自動実行したり、システム管理者に通知したりなど、次のアクションが自動分類される。同時にフォルスアラートは除外される。
③故障の発生が確定した場合は、監視対象システムへの故障対応処理を自動実行し、復旧を図る。
④それでも復旧しない場合はシステム管理者に通知エスカレーションする。
すべてのアラートに対応する必要がなくなり、管理者とエンジニアの両方の負担を軽減できます。また、将来的にシステム規模が拡大しても、監視アラート対応のために人員を補充する必要はなくなるため、コストの削減も期待できます。
ネットワーク監視アラートを自動化するならKompira AlertHub
Kompira AlertHub(コンピラ アラートハブ)は、これまで管理者が担っていたさまざまな監視アラートの判断業務をすべて自動化できるサービスです。煩雑な判断業務を自動化することにより、管理者やエンジニアの負担を大きく軽減でき、人手不足の解消にも効果的です。
ホストやデータセンターなど、さまざまな単位で監視している対象を管理できます。
また、メッセージの内容や監視対象システムの状況、時間経過など、事前に設定した条件によって、さまざまなアラート処理を自動実行できることも大きな特徴の1つです。
Kompira AlertHubでは、監視システムが故障を検知すると、メールやWebhookなどで通知されます。管理者が事前に設定したルールに従ってKompira AlertHubはアラートを分類し、故障の深刻度などに応じて次のアクションを実行します。
Kompira AlertHubで実現できる集約例としては、例えば次のようなものがあります。
Kompiraでは、業務ごとのさまざまな自動化サービスをはじめ、システム全体の運用自動化を実現する「Enterprise」シリーズも提供しており、「運用の仕組みを変える」ことが可能です。
また、Kompiraの自動化システムはさまざまなツールとの連携が可能で、既存のツールをそのまま活用し統合させながら、スムーズに監視アラートの自動化を図ることができます。
まとめ
Kompira AlertHub(コンピラ アラートハブ)は、これまで管理者が担っていたさまざまな監視アラートの判断業務をすべて自動化できるサービスです。煩雑な判断業務を自動化することにより、管理者やエンジニアの負担を大きく軽減でき、人手不足の解消にも以上、ネットワーク監視アラートが抱える課題と解決方法を解説しました。ネットワーク監視アラートは、あらかじめ設定したルールに従ってシステムを監視します。万が一の異常発生時にも、トラブルを最小限にとどめるための重要なシステムです。
しかし、大量の監視アラートに対して1つ1つ対処することは困難で、管理者への負担も大きくなりがちです。また、大量のアラートに紛れ込んだ重要度の高いアラートを見逃してしまう可能性も懸念されます。
監視アラートの判断業務を自動化すれば、管理者やエンジニアの作業負担を減らし、効率よく監視アラートに対処できるようになります。
Kompiraの活用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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