変化を受け入れて強くなる!
ニューノーマル時代を勝ち抜くICT戦略とは
もともと経済学で生まれた「ニューノーマル」という言葉は、コロナ禍によりバズワードとして広まっています。しかし、単にバズワードという言葉尻だけでは済まされないビジネス上の大きなインパクトがあります。この新しい常態を勝ち抜くためのソリューションをひも解きます。
ニューノーマルの概念を変えたコロナ禍
最近、耳にすることが多くなった「ニューノーマル(新しい常態)」とは、もともと経済学の領域で発生した用語だ。2003年、ITバブルが崩壊した状況を指して「従来の常識が大きく変わる」という意味合いで使い始められたとされる。その後、2008年のリーマンショックを経た構造的な変化にも使われたことで、世界に広く浸透するようになった。2014年には習近平が中国の鈍化した経済市場を「新常態」と呼び、ニューノーマルと同じ意味合いで解釈された。ここまでは経済学に限定した使われ方だった。
2020年、コロナ禍により世界が新たな時代に突入したことで、ニューノーマルという言葉があらためて世の中に浸透することになった。しかも、従来の経済学の領域を超えて、よりトータルな視点から従来の常態を抜本的に変化させ、新しい常態に強制移行せざるを得ない状況を生んでいる。たとえばマクロな視点からは、国をまたいだ人やモノの移動が制限されることで国の在り方や資本主義の考え方にも大きな影響を及ぼすと考えられている。一方でミクロな視点では、いわゆる「三密」「クラスター」を避ける勤務形態やレジャーなど、個人のワークスタイルやライフスタイルを全般的に見直すフェーズを迎えている。
とりわけ新型コロナがもたらした人命を脅かす厄災は、働き方を大きく変化させた。かつての「テレワーク」が持つ意味合いは、より豊かに生きるためのワークライフバランスにひもづくイメージだっただろう。しかしコロナ禍で一転し、いまやテレワークは企業にとっては従業員を、個人にとっては自身や家族の生命を守るための防衛策になっている。コロナ禍を契機にテレワークが広く浸透したことは喜ぶべきことではないものの、もはや受け入れる選択肢しかないのだ。
感染拡大で後戻りできない! テレワーク環境の抜本的な見直しを
2020年4月8日、日本政府は緊急事態宣言を発出。これにより不要不急の外出自粛が求められ、テレワークは広く日本企業に拡大。しかし5月25日に緊急事態宣言が解除されると、ほぼ4社に1社がテレワークを取りやめたという株式会社東京商工リサーチの調査結果もある。コロナ禍を機に急速にテレワークに切り替える必要があったため十分な準備期間をとれず見切り発車した企業が多かった。そのため、社内インフラや仕事に対する従業員の充足感を満たすことが難しく、従来の働き方に戻したものと思われる。
貴社では、「新型コロナウイルス」の感染拡大を防ぐため、
在宅勤務・リモートワークを実施していますか?(択一回答)
しかしいまだに都市圏を中心に感染者数は増加しており、予断を許さない状態が続いている。いまこそニューノーマル時代の変化を受け入れて前向きにテレワーク環境の課題を洗い出し、あらためて整備を進めるか否かがビジネスの明暗を分けるだろう。
なお、テレワーク環境の課題を解決するには「安全」「利便性」という2つの観点からの改革が必要になる。その際に必要不可欠となるのが、最適なICTツールを有効に導入することである。
企業としての「安全性」、従業員の「利便性」を両立させる
オフィスという限定された空間と異なり、テレワークでは多様なロケーションが仕事場になる。つまり、いたるところに存在する端末から多様なネットワーク経由でSaaSが利用されるといった状況が生まれる。従来のオフィス環境よりも幅広いリスクに備えた「安全性」の担保が必須となるため、クラウド、ネットワーク、エンドポイントに合わせた最適なセキュリティ管理が求められることになる。場合によっては従来のセキュリティポリシーを根本的に見直す必要があるかもしれない。担当するIT部門の稼働が増えることを見越した人材補充なども想定する必要がある。これは企業の経営層にとっては悩ましい問題である。
そのようなセキュリティの課題を一挙に解決するならば、総合的なセキュリティ運用を専門家にアウトソースするのが賢明な判断かもしれない。たとえばNTT Comの提供する「トータルマネージドセキュリティ」は端末からインターネット、クラウドにいたる資産管理やエンドポイントのセキュリティ対応、三層のセキュリティ対策=ゼロトラストセキュリティなどの実現などにより、外部のセキュリティ脅威から大切なITインフラやリソースを守るソリューションである。安全性の課題解決に向けて、一考の価値はあるだろう。
声をかければ返事がくるオフィスとは異なり、個々人が在宅で勤務するテレワークでは従来のコミュニケーション基盤を大きく見直す必要がある。気軽に意思疎通や情報連携ができるオフィスと同等の「利便性」を根付かせることが、従業員のモチベーションや生産性を高めるポイントになるだろう。AWS、Azureなどにリソースを移行することは情報連携を加速し、利便性を確保する有効な手段の1つだ。しかし、これらのクラウドサービスの導入にあたっては「クラウドへ移行/オンプレミスに残すシステムの見極め」「最適なネットワーク経路の設計」「安定運用に向けた監視、セキュリティ対策」など、検討項目が多く、それらが導入の阻害要因になっているケースは少なくないだろう。
NTT Comの提供する「NTT Com AWSソリューション」「NTT Com Azureソリューション」はコンサルティング、オペレーション、ネットワーク、セキュリティという4つの視点から、ハイブリッド環境への移行をトータルに支援するソリューションである。安定稼働を支える監視運用がセットになっている点もポイントになっている。
Withコロナのニューノーマル時代を勝ち抜くには、変化を受け入れて前に進む勇気が必要だ。素早い決断を下し、迅速にテレワーク環境を最適化する変革に取り組んでみてはいかがだろうか。