アプリ広告とは? 概要や仕組み、費用相場、種類について解説
アプリ広告は広告配信方法として広く利用されており、誰もが日々目にする広告です。とはいえ、アプリ広告には仕組みや種類が複数あり課金方式も多様です。そのため、アプリ広告に精通していれば、広告配信を効率的に行うことが可能になります。これを踏まえて、ぜひこの機会にアプリ広告の知識を深めてください。
目次
アプリ広告とは?
アプリ広告は、PCやスマートフォンでアプリを使っているときに、画面上に表示される広告を指します。広告そのものだけでなく広告を表示させる方法をアプリ広告と呼ぶ場合もあります。
アプリ広告の利用が広がったのは、2010年代にスマートフォンが世間に普及したことに関係しています。それ以前には、2008年ころから登場していたアドネットワークが広告媒体の配信方法として主流でしたが、スマートフォンを誰もが持つ時代となり、スマートフォン向けゲームのユーザーが増えたことで、世界中でアプリ広告の認知度や有効性も上がっていきました。 また、ゲームだけでなくSNSの利用者が急激に増えたことも、アプリ広告市場の拡大を後押ししています。スマートフォンを使っていれば、自然とアプリ広告を目にする機会が増えるため、広告の出し方として有効性が高く、非常に多く利用されるようになっています。
アプリ広告の3つの仕組み
1. 運用型
運用型アプリ広告の場合、広告主はアプリを運営している会社を経由して広告配信を行います。運用型はターゲットを広告主が指定するのが一般的です。このタイプは、ターゲット指定を行う手間こそ発生しますが、想定したユーザーにアプローチすることが可能です。
また、AIを使って自動ターゲティングする運営会社もあります。そのためユーザーの絞り込みに慣れない場合や自信がない場合は自動ターゲティングを使う手もあります。とはいえ、自動ターゲティングは綿密に絞り込んで行う広告配信より精度は落ちるため、ターゲティングが重視される商品やサービスの広告なら、自社で条件を絞り込むことをおすすめします。
2. ネットワーク型
ネットワーク型アプリ広告においては、広告主は広告配信をプラットフォーム化して運営している会社に依頼して広告を出します。ネットワーク型も運用型と同様に、広告主によるターゲティングと自動ターゲティングがあります。とはいえ、もともとネットワークがあるところに広告配信する仕組みがあることから、運用型よりマッチング精度が高いことを特徴としています。
3. 純広告型
純広告型とは、運営会社が用意した広告枠を、広告主が一定期間買い取る形で広告掲載します。契約期間中は固定的に広告掲載されるため、訴求力が高い点がこの型のメリットです。そのため、商品やサービスのブランディングや認知拡大にしばしば利用されます。
また、ターゲティングの必要がなく、手間がかからないのも大きな利点です。
アプリ広告の4つの課金方式と費用相場
1. クリック課金型
名称の通り、ユーザーが表示されている広告をクリックするごとに、広告主にとっての料金負担が発生します。ユーザーがクリックするというハードルを越えないと商品購入などの成果にはつながりません。しかしその一方で、クリックされなければ費用は発生しないため、少ない金額で商品やサービスの認知を高めたいときに向いています。
クリック型課金の費用相場は広告の種類や媒体で異なりますが、1クリック当たり10~100円程度が目安です。
2. インプレッション課金型
アプリ内で一定数の表示があることで、広告主の支払いが発生する課金方法です。広告表示自体がコンバージョンとして扱われることがこのタイプの特徴です。早く確実に自社の商品やサービスを認知させたい、という用途に適しています。ただし、ユーザーの心をとらえる広告でないと、商品購入や成約には至らないため、質の高い広告作成を行うことが重要です。
インプレッション課金型の費用相場は、1インプレッション当たり0.01~1円程度が目安です。
3. 成果報酬型
商品の購入やサービスの成約、アプリのインストールなどの成果に対して課金が発生する方法です。成果に対して支払う費用が明確なため、費用対効果の分析がしやすいメリットがあります。
費用の相場は、1件の購入や成約に対しては商材単価の10%程度と、高価なものが対称であるほど課金額は上がります。また、アプリのインストールであれば、1件当たり100~500円程度が目安です。
4. 契約期間型
広告主が一定期間広告枠を買い取る形で課金するため、前述した純広告型の広告がこれに当たります。
ターゲット設定の必要がなく、条件を絞り込まずに広告配信したいときに向いています。また、逆説的にターゲティングができないため、特定条件のユーザーを想定した商品やサービスの広告にはおすすめしません。
費用の相場は、契約期間内のインプレッション数(想定表示数)当たり0.1~3円程度が目安です。
アプリ広告の種類
バナー広告
アプリの広告配信枠に表示される広告です。広告配信枠は主にスマートフォン向けアプリであれば画面の上部か下部に設定されています。テキストや画像、動画などを組み合わせることが可能です。
スマートフォンが普及する以前からPC向けに広く利用されていたため、多くの人にとってなじみ深い広告形態でもあります。広告単価が比較的安価なため、コスパよくインプレッション数を伸ばしたい場合、効率的に認知度を上げたい場合に適しています。
アイコン広告
アプリを起動するときのアイコンに似た広告で、ユーザーにとってクリックするハードルが低い特徴をもっています。画面上で占める割合が小さいため、さまざまな場所に配置できますし、バナー広告との併用によって効果を高めることも可能です。
ただし、小さいという特徴は目立ちにくいことにもつながるため、コンバージョン率が高い選択肢とは言えません。
全画面型インタースティシャル広告
ページを移動するタイミングなどで、全画面に広告を表示する方式です。画面全体を使うため、インパクトが強く、訴求力が高いことがメリットです。ただし、ユーザーが望まないタイミングで全画面に広告が出れば、不快に感じて広告を出している企業にマイナスイメージをもつ人もいると思われます。そのため、例えばゲームを読み込むタイミングやアプリの起動時に広告を差し込むなど、アプリを使っている流れやユーザーの行動を阻害しないようにすることが大切です。
動画リワード広告
リワード(reward)という単語は、名詞としては報酬や利益、動詞としては報いる、報酬を与えるといった意味をもっています。
動画リワード広告は、動画広告を視聴したことに対して、ユーザーに何らかの特典を付与する方式を採ります。ユーザーは自己判断して動画を視聴しますし、アプリ内通貨や記事・漫画の無料閲覧チケットなどの特典を得られるなら、悪いイメージをもたれません。
また、動画を視聴したあとに、購読に誘導するケースもあります。
コンテンツに魅力があれば動画を視聴したうえで次の行動に結びつきやすいメリットがあります。
ただし、動画が興味を引くものでなければ途中離脱の対象となるため、成果にはつながりにくくなります。
インフィード広告
インフィード広告は、SNSのタイムラインやニュースアプリなどに多く見られる種類の広告形態です。ほかのコンテンツと同じ仕様で表示されているため、ユーザーが違和感なくクリックしやすい特徴をもっています。また、視認性が高く、不快感をもたれにくいことなどからコンバージョン率も期待できます。
その一方で、ユーザーにとって親和性が薄い、興味がないと判断されると途中離脱されます。
オファーウォール広告
オファーウォール広告は、ユーザーがアプリ内で特定の行動を行うことにより報酬を得られる広告形態です。ユーザーは、アプリ内に設置されたバナーやアイコンをクリックして表示されるオファーから、任意のアプリをインストールします。このプロセスを通じて、動画リワード広告と同様にアプリ内通貨や記事・漫画の無料閲覧チケットなど ユーザーはアプリ内で使用可能なアイテムなどの報酬を受け取ることができます。
商品やサービスを直接的に販売しない仕組みのため、ユーザーにとってアクセスしやすいことが大きなメリットです。
また、「おすすめ」などの表示から誘導する場合も多く、ユーザーとのエンゲージメント率も高いです。
ただし、ここであげているほかのアプリ広告の種類に比べると、広告主にとっての成果に至るまでのアクションは比較的多くなります。
アプリ広告のメリット・デメリット
メリット
アプリ広告のメリットは、まずユーザーに認知されやすい点にあります。例えばスマートフォンの上側や下側など、目立つ位置に広告を配置できます。また、画面全体に広告画像を表示する方法もあるなど、ユーザーの目に入るための工夫ができるため、商品やサービスの認知向上に適しています。
さらに、現状無数とも言えるほどアプリが存在することもあって、広告枠に対する競合が少ないこともアプリ広告のメリットです。競合が少なければ価格を抑えやすいため、広告配信にかかるコストを抑えたい案件にもおすすめします。
ほかにも、アプリ広告はコンバージョンにつながりやすい広告配信方法であることも知られています。ユーザーが日常的に利用しているアプリの中で広告配信されれば、その広告も信頼されやすいからです。
デメリット
アプリ広告にはいくつかのデメリットもあります。
配信の仕方で注意すべきなのは、広告の配置やタイミングなどによって、ユーザーに嫌悪感をもたれるリスクがある点です。例えば、ユーザーが誤ってクリックしやすいような配置をしたり、ユーザーが好まないタイミングで全画面型インタースティシャル広告を出したりすると、コンバージョンに繫がりにくくなってしまいます。
また、アプリ広告はCookieが利用できないため、ユーザーの行動を追うことはできません。このためリターゲティングができず、購買や成約につながる可能性が高いユーザーを逃してしまうリスクを持っています。
さらに、アプリ広告は広告配信の成果を確認しにくい欠点を持っています。アプリの運営方法は企業ごとに異なりますし、歴史的にもまだ浅いため、検証や分析の方法が確立していません。このような理由からアプリ広告の効果を確認するためには、ある程度の時間や手間がかかる前提で利用するようおすすめします。
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