コールセンターの人件費削減・業務効率化のポイントは?
コールセンターやコンタクトセンターの課題の1つが、運営にかかるコストではないでしょうか。全体のコストの中でも人件費が占める割合は多く、これをいかに削減するかが効率的な運営をするための鍵となります。
しかし、安易なコスト削減に走ってしまうと、コールセンターのサービスの品質自体が低下し、顧客満足度が下がってしまう可能性もあります。
コールセンターの人件費を減らすには、ボイスボットやチャットボットなどの自動音声システムを導入することがおすすめです。
- コールセンターの人件費を削減するポイントは?
- 人件費を減らすために用いられるシステムは?
- 人件費削減のためボイスボットを選ぶ時のポイントは?
本記事では上記のようなことを思っている方に向け、コールセンターの人件費を削減するための3つのポイントと、人件費削減に使用できるシステムの選び方を解説します。人件費削減におすすめのボイスボットも紹介するので、目次以降をぜひ最後までご覧ください。
目次
コールセンターの最大の費用は人件費
コールセンターの運営費の大半は人件費が占めています。その割合は全体の約3分の2となっており、開設時の費用や維持・運営費よりも多いです。
電話応対をするオペレーターやサービス品質の管理担当者、センター全体の管理者など、コールセンターでは数多くの人が働いていることから、給与や人材採用や育成費などに充てるお金は膨大な額になります。
しかし賃金の値下げや人員削減を行ってしまうと、オペレーターの対応品質の低下による顧客満足度の低下、離職率の増加など、さまざまな問題が発生する引き金になります。
人件費を削減する場合は、コールセンターの運営方法を再考したり業務効率化を進めたりなど、オペレーターや管理担当者が無駄な対応をしなくて済む働きやすい環境を作ることが重要です。
コールセンターの人件費削減・3つの方法
コールセンターの人件費を減らすためには、具体的に以下の3つの方法があります。
- オペレーターの電話対応数の削減
- オペレーターの生産性向上
- 業務自体の負担軽減
1.オペレーターの電話対応数の削減
コールセンターにかかってくる電話の本数を減らし、オペレーターの電話対応本数を減らすという方法です。お問い合わせの件数を下げることができれば、その対応をするために確保しているオペレーターの数を減らすことができます。
入電の数を減らす方法としては、例えば以下のようなものがあります。
- WebサイトのFAQの充実
- メールやチャットなどほかの手段の設置
- 通話を無料ではなく有料にする
会社Webサイトによくある質問をFAQ形式で掲載しておくと、顧客はコールセンターに電話をかけなくても疑問を自己解決しやすくなります。顧客はFAQでも解決できない疑問だけを電話で聞くようになるので、入電件数の削減に有効です。
メールやチャットなどを質問窓口として設置してそちらに重きを置いていけば、電話でのお問い合わせ件数も減少します。また、通話での質問を有料サービスにすれば、お問い合わせ自体のハードルを上げることになるので、入電数を減らすことにつながります。
顧客のお問い合わせ手段を1種類に限定せず、複数のチャネルを用意することで、コールセンターへのお問い合わせの集中・回線への過負荷を避けられるのです。
2.オペレーターの生産性向上
1件の質問に対するオペレーターの対応効率を向上させることで、限られた人数でも対応件数を増やす方法です。具体的には以下の方法があります。
- 業務効率化のための対策(改善ポイントの洗い出し、マニュアルの充実など)
- 離職を防ぐための施策(サポート、柔軟な勤務形態など)
平均処理時間や通話時間などを検証し、対応に時間を要する部分を見つけて改善しましょう。また、オペレーターがストレスに感じている点を見直して勤務環境を整えましょう。これらを実行することで離職率の低下や人件費の削減へとつなげられます。
3.業務自体の負担削減
ボイスボットやチャットボットなどを導入することでオペレーターの業務負担を軽減させる方法です。これらは顧客のお問い合わせに対し、電子音声・テキストなどで自動的に回答してくれるので、オペレーターが対応する件数を減らすことが可能です。
仮に自動回答では対応できずに有人対応に切り替える場合にも、オペレーターは事前に入力された情報をもとに対応できるので、業務効率化につながります。
自動応答システムを導入することでオペレーターの業務負担を減らせると、定着率や生産性の向上につながり、人件費の増加を抑えることにもなります。
ほかにも悪質なクレームに対してはオペレーターだけに負担を負わせるのではなく、会社全体で対応することも重要です。
また、自社運営で人件費が高騰している場合は外注を検討しても良いでしょう。設備管理にかけるコストが削減でき、すぐに高品質な対応ができるオペレーターに任せられるというメリットがあります。
コールセンターの人件費削減・代表的なシステム3選
コールセンターの人件費削減に活用できる代表的なシステムには、先に述べたボイスボットやチャットボット、そしてIVRがあります。
以下、オペレーターの対応件数を減らし、人件費削減に効果的な3つのシステムについて解説していきます。
IVR
IVR(Interactive Voice Response )は電子音声による案内を通じ、入電理由に応じた番号を顧客に入力してもらい、オペレーターへの対応を振り分けるシステムです。
コールセンターへのお問い合わせ内容を理由ごとに振り分けて取り次いだり、対応できない内容に対して別の窓口を用意したりなどの対策ができるので、オペレーターの負担を軽減できます。
IVRは顧客が音声ガイダンスを聞き、お問い合わせ理由に対応した番号を押すことで回答が得られるので、疑問を解決するまでに時間と通話料金がかかるというデメリットがあります。
顧客の待ち時間を短縮したい場合は、ボイスボットやチャットボットの導入を検討しましょう。
チャットボット
チャットボットは顧客のお問い合わせに対し、テキストで自動的に会話形式で回答してくれるシステムです。
顧客側にとってはコールセンターに電話をかけるよりも使いやすく、電話がつながらないことによる顧客満足度の低下を抑えられるという利点があります。
チャットボットには事前に設定したシナリオに沿って返答する「ルールベース型(シナリオ型)」と、AIが会話を重ねるごとに学習する「自動学習機能型」の2種類があります。
ルールベース型は事前に設定したシナリオに沿って会話ができるので、シナリオの内容次第では不自然なやり取りになる可能性があるので、会話内容をあらかじめ想定しておかなければならないという注意点があります。
一方の自動学習機能型の場合は会話を重ねるごとに、適切な回答ができるようになるという特徴があります。ただし初期段階ではベースとなるシナリオを設定する必要があり、回答の精度を上げるためにシナリオの定期的な改善も必要です。
チャットボットで疑問を解決できれば顧客は電話をかけないので、オペレーターの負担軽減につながります。
ボイスボット
ボイスボットは顧客の電話でのお問い合わせに対し、AIがその内容を判断した上で、電子音声で自動的に回答してくれるシステムです。
顧客からの電話でのお問い合わせに対し、ボイスボットはその内容を識別して簡単な内容であれば回答し、個別対応が必要な場合はオペレーターへと取り次ぐことができます。
こちらも初期段階では基本シナリオを設定する必要がありますが、何度も顧客と会話をすれば回答の精度が向上します。状況に沿った対応ができるので、顧客の利便性向上とオペレーターの負担軽減になるでしょう。
コールセンターの人件費削減・ボイスボット選びのポイント
コールセンターのためにボイスボットを選ぶには、以下の3つのポイントを押さえましょう。
シナリオ作成・修正の操作性
人件費を削減することが目的であるにも関わらず、ボイスボットを使用するために専用の人材が必要になるような複雑なシステムでは本末転倒です。
ボイスボットを導入する前は誰でも基本設定が可能か・誰でもシナリオを自由に設定でき、カスタマイズも簡単に行えるかなどを必ず確認しましょう。
自動学習機能や他システム連携の有無
ボイスボットに自動学習機能が備わっていれば、顧客との会話を重ねるごとに音声認識の精度が上がり、自然な会話ができるようになります。
時間をかけても回答の精度を上げていくことで業務効率化が期待できる場合は、自動学習機能のあるボイスボットの導入・利用を検討してみると良いでしょう。
また、ボイスボットの中には顧客管理システムであるCRMやクラウド上で動く自動化ソフトウェアであるRPA、SMSや各種チャットツールと連携できるものもあります。そういったボイスボットを導入すれば、さらなる業務効率化が期待できます。
ボイスボットによって連携できるシステムが異なるので、導入する際は自社が連携させたいツールに対応しているか確認しましょう。
AIで対応できる範囲
ボイスボットのAIは特に定型化されたお問い合わせに強く、AIによる会話だけで顧客対応を完結させることも可能です。よってシナリオの初期設定段階で、顧客からの簡単なお問い合わせに対しては、ボイスボットだけで完結できるようにしましょう。
複雑なお問い合わせに関しては担当者につながるようにすることで、顧客の利便性と顧客満足度の向上が期待できます。
顧客からのお問い合わせが増えれば、AIの機械学習の機会も増え、さらに精度の高い回答へとつながるでしょう。
人件費削減に役立つNTTドコモの「AI電話サービス」
コールセンターの人件費削減にボイスボットを導入するのであれば、NTTドコモの「AI電話サービス」を検討してはいかがでしょうか。
従来の電話対応業務をAIが担うサービスであり、機能改善もドコモが積極的に実施し、より自然な会話で顧客とのやり取りを完結させられます。
会話相手の名前や質問内容などの情報収集力も高く、外部システムとの連携によって機能を拡張しやすくなっています。そのため企業の実情に沿った業務効率化を実現できます。
料金プランも4つの価格帯から選べるので、自社に合ったプランを選択しやすくなっています。
まとめ(コールセンターの人件費削減について)
コールセンターの人件費を削減するには、オペレーターの電話対応件数の削減や、業務負担の軽減などが必要です。そのためには、顧客からのお問い合わせへの対応を自動的に済ませられるボイスボットの導入を検討しましょう。
ボイスボットは機械学習によるデータ収集と精度向上が期待でき、社内に存在する他システムとの連携ができるタイプであれば、さらなる業務効率化とより顧客にとって利便性の高いサービスを提供が可能です。
NTTドコモの「AI電話サービス」は応対内容のカスタマイズができ、各種コンタクトセンター基盤との連携もできます。
お問い合わせ業務などの業務効率化についてお悩みごとがあれば、以下から資料請求し、AI電話サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。