サイバー攻撃の危険性は年々高まっている

メールやチャット、オンライン会議など、ビジネスシーンではインターネットが欠かせません。しかし、インターネットは便利な反面、情報漏洩のリスクも伴います。たとえば、不審なメールのクリックや不正サイトの閲覧を原因とするウイルス感染や、特定の企業をターゲットにしたサイバー攻撃などは度々発生しています。

総務省が発表した「令和5年版情報通信白書」によると、2022年に観測されたサイバー攻撃関連通信数は、2015年と比べて8.3倍に上っています。その危険性は年々高まってきているといえるでしょう。

もし、こうしたウイルスやサイバー攻撃を原因とした機密情報の漏えいや、システムの乗っ取りによる業務停止といったトラブルが発生すれば、その影響は自社にとどまらず、取引先や顧客にまで及びます。顧客離れや訴訟問題にもつながりかねません。

インターネットを介さず通信を行う「閉域ネットワーク」とは

このように、不特定多数が利用するインターネットにはさまざまな危険性が潜んでいますが、「閉域ネットワーク」を使うことで、その危険から回避することが可能です。

閉域ネットワークとは、一般的なインターネットから切り離された専用回線や独自の閉域網など、「閉じられた領域」のネットワークのことをいいます。限られた利用者や範囲内でしか接続できないため、インターネットからのウイルス感染や不正アクセスの防止が期待できます。

特に、多数の個人情報や顧客情報などを扱う企業や自治体は、閉域ネットワークを使って通信を行うことで、外部からの無用なアクセスが遮断できるため、インターネットよりも安全性の高い業務が行なえます。

ドコモ回線で、インターネットを使わない通信が可能に

ドコモビジネスでも、この閉域ネットワークをサービスとして提供しています。それが、「アクセスプレミアム」です。

アクセスプレミアムは、社内ネットワークと交換機の間を専用線で結び、交換機と各ユーザーが使用する端末の間をドコモのモバイルネットワークで結ぶことで、インターネットを経由しない通信環境を確立するサービスです。社外からであっても、インターネットを経由せず社内ネットワークにアクセスできるため、業務の遠隔化やテレワークの推進にも役立ちます。さらに、帯域確保型のため、通信スピードが遅くなりにくい特徴を持っています。

アクセスプレミアムは、すでに多くの現場で導入されています。たとえば東京都渋谷区の教育委員会では、多様な学びの実現のため、区立の小中学校の生徒と教員に、LTE通信に対応したタブレットを約9,000台貸与していますが、この通信にアクセスプレミアムが利用されています。

このタブレットは、生徒間で情報を共有する協働学習や、教員が生徒の学習到達度に合わせた個別指導を行う際に使用されています。加えて、成績処理や出欠管理といった校務支援システムを取り入れることで、教員の業務の負担軽減にも成果が出ています。通信はLTEのため、大勢が同時にアクセスしても動作が遅くなりません。もちろん、情報漏えいなどのトラブルも発生していません。

アクセスプレミアムで、インターネットに起因するサイバー攻撃を防ぐ

サイバー攻撃への対策は、企業にとって喫緊の課題です。サイバー攻撃によって、機密情報が漏えいしたり、業務を停止せざるを得ない事態に追い込まれることもあります。とはいえ、サイバー攻撃は年々巧妙化しているため、どれだけ対策をしていても、防ぎきれないことも起こり得ます。

しかし、アクセスプレミアムを導入することで、インターネットに接続することによって生じるリスクが抑えられるため、たとえテレワーク時など社外で端末を利用する時であっても、サイバー攻撃の脅威からも回避することが可能です。もし、自社のネットワークにセキュリティ面で不安を抱えているのであれば、閉域ネットワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。