株式会社NTTネクシア
音声認識システムでコンタクトセンター業務を効率化
応対内容のフィードバックにかかる時間を30分短縮
株式会社NTTネクシア
北海道事業部
DX推進PT
部長
目抜 勉氏
「NTTネクシアのほかのセンターにもCOTOHA Voice Insightを紹介し、水平展開していきたいですね」
株式会社NTTネクシア
北海道事業部
DX推進PT
龍田 静香氏
「セキュリティ面において安心して使えることも、COTOHA Voice Insightの大きな魅力です」
株式会社NTTネクシア
北海道事業部
DX推進PT
瀬川 千晶氏
「文字起こしは非常に時間がかかります。それがゼロになるメリットは極めて大きいです」
課題
コンタクトセンター間での人材獲得競争が激化
思うように人材採用が進まず、現場の負担が増大
1986年の創業以来、コンタクトセンターの構築・運営やビジネスプロセスアウトソーシングを担う企業が、株式会社NTTネクシア(以下、NTTネクシア)である。同社は現在、住宅設備メーカーや銀行、損害保険会社など、多くの企業のお問い合わせ対応や受付業務などを担っている。
同社でコンタクトセンター業務を行うセンターは日本各地に26カ所あり、そのうち北海道にある高度電話カスタマセンタでは、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)からの業務委託を受け、フリーダイヤルやナビダイヤルの注文受け付け、開通および料金請求などの業務を行っている。
同センターでは、DXに向けた取り組みも積極的に進めている。NTTネクシアの目抜勉氏は「NTTネクシアの北海道事業部にはいくつかのセンターがありますが、その中でいち早くDXに向けたプロジェクトチームを立ち上げたのが高度電話カスタマセンタです。このプロジェクトチームでDXに関連したさまざまな取り組みを行い、その経験やノウハウを営業やそのほかのセンターに提案しています」と語る。
しかし同センターでは、人材不足が積年の課題となっていた。その背景について、同社の龍田静香氏は「札幌はもともとコンタクトセンターが多い地域である上、新しいセンターも増えているため、人材獲得の競争は激しさを増しています。オペレーターの人材確保やSV(スーパーバイザー)の育成が思うように進まず、その人たちをマネジメントするリーダー層に負担がかかっていて、それを打破するための解決策を模索していました」と話す。
この人材不足は、普段の業務にも悪影響を及ぼしていた。「我々は応対品質を高めるため、定期的にオペレーターの応対内容をモニタリングし、改善点などを伝えるといった取り組みを進めています。しかし、録音データのチェックやテキストの書き起こしに時間がかかり、ただでさえ多忙なSVの大きな負担になっていました」(目抜氏)
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対策
現場の負担を軽減するために音声認識システムを導入
認識精度の高さやセキュリティ面での安心感を評価
人材不足に伴う現場の負担軽減、そして応対内容のモニタリングといった業務の効率化などを目的として、同センターで導入を検討したのが音声をテキストに変換する音声認識システムである。
音声認識システムを利用すれば、録音した通話内容を素早くテキスト化することが可能となり、顧客とオペレーターの会話をモニタリングする業務を大幅に効率化できる。また顧客との通話内容を報告書としてまとめる際、オペレーターやSVが自ら文字起こしをする必要がなくなることも大きなメリットである。
その音声認識システムとして、NTTネクシアが選んだのはNTT Comが提供する「COTOHA Voice Insight」だった。これはコンタクトセンターに最適化された音声認識サービスであり、高い音声認識率を実現するため、NTT研究所が40年以上蓄積した技術を用いている。さらに、音声認識率を高めるために、商品名などを辞書に登録する機能も備えている。
こうしたメリットもさることながら、NTTネクシアが最も評価したのは、セキュリティ面での安心感だった。
COTOHA Voice Insight では、まずクラウドに音声データをアップロードする。そこで音声認識が行われ、完了するとテキストデータをダウンロードできる。このクラウドとの通信で用いられるのは、NTT ComのVPNサービスである「Arcstar Universal One」である。インターネット通信ではないため、盗聴などの不安はない。龍田氏は「お客さま情報を扱うため、セキュリティの観点で安心して使えることは、COTOHA Voice Insight の大きな魅力でした」と語る。
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効果
フィードバックのための作業を30分間短縮
報告書作成のための文字起こしなどの業務にもメリット
NTTネクシアの高度電話カスタマセンタでは、まずアウトバウンド業務を行っているチームにCOTOHA Voice Insight を導入。その後、インバウンド業務を行っている窓口においても、COTOHA Voice Insight が展開されている。
同社の瀬川千晶氏は、実際にCOTOHA Voice Insight を使い始めて、認識精度の高さに驚いたと話す。
「COTOHA Voice Insight には、辞書に用語を登録する仕組みがありますが、それを行わない状態でも非常に認識率が高いなと感じました。導入前に想像していた以上でした」(瀬川氏)
瀬川氏はさらに、COTOHA Voice Insight によって録音データを手間なくテキスト化できるようになったことで、応対内容のモニタリングや、応対品質をチェックしオペレーターへフィードバックする業務も大幅に効率化されたことを評価する。
「録音データを聞いて応対品質を評価する作業は、同じところを何度も聞き直すため、どうしても相応の時間がかかっていました。しかしCOTOHA Voice Insight を使って応対内容をテキスト化すれば、時間をかけて聞き直す必要がなくなります。そのうえ音声をテキスト化したデータには時間も記録されているため、実際の音声を聞きたいときでも即座に目的の箇所を再生できます。これによって効率的に応対内容をチェックすることができ、業務の効率化につながります。1応対あたりおよそ3時間30分かかっていたフィードバック業務が、30分短縮され3時間でできるようになりました」(瀬川氏)
さらに報告書の作成業務の効率化にもつながっている。
「クレームが発生した場合、その内容を文字起こしして報告書を作成しなければなりません。文字起こしは非常に時間のかかる作業ですが、それがゼロになることのメリットは極めて大きいと感じています」(瀬川氏)
目抜氏はCOTOHA Voice Insight の今後について、NTTネクシアのほかのセンターにもCOTOHA Voice Insight を紹介し、水平展開していきたいと話す。
人材不足は多くのコンタクトセンターに共通する課題であり、デジタルテクノロジーを活用した業務の効率化は避けて通れない。その意味で、NTTネクシアのDXに向けた取り組みは注目すべきものといえるだろう。
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株式会社NTTネクシア
事業概要
1986年の創業以来、「コミュニケーションのプロ」として蓄積した経験・ノウハウに、NTTグループの新技術・サービス、さらには国内外の新技術・サービスなどを加え、お客様の期待を超える「新たな価値」を提供することを目指している。
URL
https://www.ntt-nexia.co.jp/
(PDF形式/308KB)
(掲載内容は2021年4月現在のものです)
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