株式会社東名
通話録音を確認する作業効率が約30倍アップ
AIがもたらしたコールセンターの業務変革
株式会社東名
CO事業部 事業部長(インタビュー当時)
立川 将弘氏
「COTOHA Voice Insightはまず簡単に利用できそうだと感じました。テキスト化の精度が非常に高かったことも採用の決め手でした」
株式会社東名
CO事業部 事業部長(現任)
山田 邦敬氏
「電話応対の品質を高めるためのツールとして、COTOHA Voice Insightには大いに期待しています」
株式会社東名
CO事業部 品質管理課
不破 瑠美氏
「COTOHA Voice Insightを導入したことで作業効率が上がり、ほかの作業に集中する時間を確保できるようになりました」
課題
通話録音のチェック作業が業務上の大きな負担
音声をテキスト化するテキストマイニングに注目
インターネット接続サービスを中心に、LED照明や複合機、さらには業務用エアコンからウォーターサーバーまで、業務の効率化やコスト削減につながるサービスをトータルで提供しているのが、株式会社東名(以下、東名)である。“中小企業の課題を解決するパートナーとなる”ことをミッションに掲げ、中小企業や個人事業主を中心に、累計100万社を超える業務効率化やコスト削減、売り上げの向上をサポートしてきた実績がある。
東名の主力サービスであるインターネット接続サービスは「オフィス光119」のブランドでサービスを展開しており、すでに95,000社以上に利用されている。その営業活動は主にテレマーケティングによるもので、9割以上の顧客が電話での口頭契約である。
このような背景から、同社CO事業部の立川将弘氏は通話内容のチェックが欠かせないと語る。「ほとんどのお客さまが電話での口頭の契約となりますので、お客さまに契約条件が伝わっているかをチェックするため、すべての通話を録音しチェックを行っていました。しかし、これが大きな負担になっていました」
チェックする通話録音は1件あたり30分程度だが、担当する4人が1日かけてチェックできるのは15件程度に過ぎなかった。さらに、担当者のストレスは相当なものだったという。
「契約が適切に行われたのかを確認するために、通話の録音を聞き返す作業があまりに大変でした。契約に関するもののため集中して聞くことが求められるうえ、精神的なストレスも相当でしたので、何とか自動化できないかと考えていました」(立川氏)
このように負荷の大きい業務であるにもかかわらず、2019年7月からは、コンプライアンス強化を目的として、2日に1回のペースで、すべてのオペレーターの通話をチェックすることが社内でルール化された。
通話内容を聞いて確認するという従来のやり方を続けるのは、あまりに効率が悪くなってしまうため、早急な対策が求められた。
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対策
テキストマイニングによる音声のテキスト化で
通話録音をチェックする作業負担を大幅に軽減
そこで、同社はAIを用いたテキストマイニングの導入を決断する。そのサービスは、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTTCom)が提供する「COTOHA Voice Insight」だった。
立川氏は「実は、以前から音声をテキスト化する、テキストマイニングに注目していたのですが、それまでのソリューションは高価でした。しかしタイミングよく安価に利用できるサービスが現れ、導入することを決めました」と語る。
COTOHA Voice InsightはNTT研究所の技術を採用することで、高い音声認識率を実現したテキストマイニングソリューションである。コンタクトセンター向けに厳選した単語でチューニングされているうえ、ユーザーが独自に単語を辞書に追加することにも対応している。さらに、クラウドサービスとして提供されているため、自社でサーバーなどの設備を持つ必要はない。VPNを利用してデータをアップロードするため、セキュリティ上の不安がないこともメリットだ。
このCOTOHA Voice Insightについて、立川氏は「第一印象は、ユーザーインターフェイスもシンプルで、“簡単に使えそうだな”でした。テキスト化の精度も、実際に音声をテキスト変換した結果を見て高いことがわかりました。コスト的にも、これまでチェックしてきたほかのソリューションと比べて導入しやすい価格帯でした」と振り返る。
社内では「それでも、まだ高いのでは」と導入を渋る声もあったという。しかし、COTOHA Voice Insightを導入することによるコスト削減効果や、テレマーケティングによる営業活動の精度向上にもつながると判断され、無事に導入が決定した。
COTOHA Voice Insightの本格的な利用は、2019年7月からスタートしている。業務フローは、まずはチェックする通話の録音データを、夕方にクラウド上にアップロード。すると、翌日の朝にはテキスト化が完了しているので、それを使って通話内容をチェックしていくという流れだ。テキストの形式は、汎用性の高いCSV形式で出力される。
図 「COTOHA Voice Insight」導入後の効果
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効果
1時間で60件の通話確認が可能になり
作業効率が約30倍アップ
COTOHA Voice Insightが東名にもたらしたインパクトは極めて大きかった。前述したように、従来は4人が1日がかりでチェックしても15件程度が限界だったが、COTOHA Voice Insightを使ってテキスト化したところ、4人で1時間あたり60件ほどのチェックができるようになったという。
実際にチェックを行っている同社CO事業部 品質管理課の不破瑠美氏は「これまでと比べ、大幅に作業効率がアップしたと感じています。また、これまでのチェックは1日がかりでしたが、短時間で作業が完了するようになったため、別の業務に集中する時間も生まれています」と述べる。
さらに不破氏は、テキストであればキーワードを指定して検索することが可能なほか、経過時間も記載されているため、音声を聞いて確認したい際にも即座に当該箇所を再生できるのは便利だと話す。
「これまで録音した音声を聞いていたときは、たとえば重要事項を説明している箇所を確認したい場合、再生する場所を少しずつ変えながら探す必要がありました。しかしテキストデータであれば検索で目的の箇所を素早く探し出せますし、テキストに経過時間が埋め込まれているため、音声を聞き返す必要がある際もピンポイントで再生できます。作業効率はものすごく上がりました」(不破氏)
単純に計算すると、1件あたり約2時間かかっていた音声チェックが、わずか4分で完了でき、作業効率は約30倍アップしたことになる。従来と同様に音声を聞く形で、短時間で大量のチェックを行おうとすれば、それだけ多くの人手が必要となり人件費が発生することを考えると、COTOHA Voice Insightが東名にもたらしたメリットは極めて大きいだろう。
今後の活用について、同社CO事業部の山田邦敬氏は「お客さまに『東名と付き合ってよかった』と思っていただいたり、東名のファンとなっていただくためには、電話応対する1人ひとりのレベルやスキルを上げていく必要があります。その取り組みを進める際、お客さまの質問に的確に回答できているか、あるいは新たな価値を提供できているかを詳細にチェックできるテキストマイニングは有効なツールだと思います。その点、COTOHA Voice Insightには大いに期待しています」と述べる。
東名では、COTOHA Voice Insightをテレマーケティング営業の精度向上に活用する取り組みも始まっている。今後、同社においてさらにCOTOHA Voice Insightの利用範囲が広がるのは間違いなさそうだ。
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株式会社東名
事業概要
中小企業の課題を解決するパートナーとなることをミッションに掲げ、IT、オフィス、Webなどの総合ソリューション活動を通じて、これまで累計100万社を超える顧客の企業価値向上に尽力。日本全国の顧客一社一社に合わせた柔軟な対応で、業務効率化・コスト削減・売上向上をサポートしている。
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(掲載内容は2019年9月現在のものです)
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