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株式会社リコー

~ITは経営の戦略的な武器になる~
事業変革と働き方改革を支える、攻めのIT基盤の実現

株式会社リコー
株式会社リコー 執行役員 デジタル推進本部 本部長 リコー ITソリューションズ株式会社 代表取締役 社長執行役員 石野 普之氏

株式会社リコー
執行役員 デジタル推進本部 本部長
リコー ITソリューションズ株式会社
代表取締役 社長執行役員

石野 普之氏

「新たな事業創造をサポートしていくことも我々IT部門に課せられた使命です」

株式会社リコー デジタル推進本部 セキュリティ統括部 部長 鈴木弘之氏

株式会社リコー
デジタル推進本部 セキュリティ統括部 部長

鈴木 弘之氏

「コミュニケーション環境の改善には、IT基盤の整備が不可欠です」

 

課題

柔軟性や拡張性を備えたIT基盤の再構築が求められる
利用実態やセキュリティの一元把握も重要な課題に

リコーグループは、オフィス用複合機などの多様な製品やITサービスをグローバルに提供している。いまやオフィスという枠を超え、オフィスから現場、社会へと広がる「働く場」に活力をもたらしていく製品やサービスを提供するという思いを「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACE」という言葉に込めて事業を展開。顧客との接点力を生かしてニーズを取り込み、「人々の“はたらく”をよりスマートに」変えていくことを目指している。

このような方向性において、同グループのIT基盤の役割にも大きな変化が求められていた。リコー株式会社のデジタル推進本部本部長を務める石野普之執行役員は、その変化を解説する。

「当社のビジネスは日々グローバルに拡大を続けており、IT基盤にはスピードと柔軟性が求められています。従来は自社で構築していましたが、現在はクラウドサービスなどを活用する方向へシフトしています。一方では『働き方改革』がキーワードになっており、コミュニケーション環境をOffice 365を核とした仕組みに移行しています。それに伴い、IT基盤には可変性やスケーラビリティの強化が求められていました。加えて、セキュリティの強化も重要なポイントでした」

同時にIT運用の現場でも、いくつかの課題があった。株式会社リコー デジタル推進本部 セキュリティ統括部 鈴木弘之部長は、「従来は各拠点のシステムがサイロ化しており、本社の管理部門で通信の利用実態やセキュリティの一元把握ができていないという悩みを抱えていました」と振り返る。

こうして、リコーグループは国内のネットワークとデータセンターを最適化し、IT基盤を再構築するプロジェクトを2015年にスタートさせた。

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対策

ネットワークを高速・広帯域化し、データセンターを集約
センターオペレーション導入により運用の高度化を図る

今回のプロジェクトにおいて、インターネット接続環境とそれに直結するデータセンター、国内拠点間ネットワークを提供する事業者として選ばれたのは、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)だった。鈴木氏は、選択の決め手となったポイントを次のように述べる。

「NTT Comには以前からネットワークサービスを提供してもらっており、運用品質の確かさや対応力を高く評価していました。まず、そのような企業同士の信頼関係が構築できていたことが大きいと思います。また今回の再構築では、データセンターはインターネットとの重要な接続点となります。将来的な拡張性を考えた時に、ネットワークとデータセンターを一元的に提供できることも大きな魅力でした」

さらに、グローバル企業であるリコーグループにとって、選定する事業者はグローバル展開が可能な企業であることも念頭にあったという。

新たな国内IT基盤は、インターネット接続環境にTier1(インターネットの経路情報を他社から買わなくてよいほどの大規模なISPのグループ)の「グローバルIPネットワーク」を採用。高速かつ広帯域なインターネット接続を実現するとともに、SLA(Service Level Agreement)も取り決められている。拠点間ネットワークは、従来のマルチキャリアを「Arcstar Universal One」に集約すると同時に、トラフィックの多い大規模拠点とデータセンター間をArcstar Universal Oneイーサネット専用線で直結することで効率化と高速化、冗長化を実現した。

データセンターはNTT Comの「Nexcenter」に一元化し、東京・大阪に集約。また運用面では、センターオペレーションを導入することで従来の課題であったネットワーク利用状況の可視化とセキュリティマネジメントの一元化を実現している。

ネットワーク更新イメージ

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効果

働き方改革推進に必要な高いセキュアなIT環境を実現
環境変化に即応できる基盤を得て“攻めのIT”を目指す

2017年4月の本格稼動以降、新たなIT基盤は順調な運用を続けているというが、具体的にどのような効果が得られているのだろうか。まずセンターオペレーション導入により、ネットワークの利用状況を把握しながらタイムリーなIT運用が可能になった。加えて、「働き方改革」を進めるにあたり求められるセキュリティマネジメントの強化も実現できたという。

「インターネットの高速・広帯域化、ネットワーク構成の見直しにより、ネットワーク負荷の高い通信にも対処できています。事業環境の変化にスムーズに対応できることがIT基盤に求められる要件でしたので、運用側としては目指すべき姿になったという実感があります。今後「働き方改革」の推進で見込まれるさらなるクラウドサービスの活用に対し、適切なセキュリティ対策ができる環境を実現できました。また、東西2カ所に主要データセンターを配したことで、事業継続性の面でも、安定性の高い仕組みが構築できたと考えています」(鈴木氏)

Office 365の導入により、グループ内のコミュニケーションの形も変わってきているようだ。「社員同士や関係者間での映像コミュニケーションをロケーションに関係なく行うことが可能になりました」と、鈴木氏は続ける。

最後に石野氏は、執行役員の視点から、このプロジェクトをこう総括する。

「IT部門としては、あらかじめ『働き方改革』推進によるトラフィック増加や求められるセキュリティマネジメントの変化を見据えて、IT基盤の強化に着手していたことが成功のキーでした。事業環境は刻一刻と変わってきますので、先を読んでそれを捉える目を持つことの重要性をあらためて実感しました。拠点により異なりますが、今回の再構築でインターネットの帯域は従来の2~10倍、社内ネットワークの帯域は2~20倍に増強されています。これだけの改善を実現しながら、運用コストは従来とほぼ同等です。ニーズに対応したうえで、経営に対するコスト的インパクトが抑えられたことの意義は大きいと思います。また、非常に短期間にプロジェクトを完遂できたことも成果といえるでしょう」

今後、この基盤をベースにさらにグローバル展開や「働き方改革」を推進し、「ITを経営の戦略的な武器」に進化させていきたいと石野氏は話す。リコーグループの“攻めのIT”が支える新たな事業展開に注目したい。

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株式会社リコー

株式会社リコー

事業概要
1936年に設立され、カメラや複写機などの製造・販売を通じて国内外に事業を拡大。現在は、複合機(MFP)やプリンターなどのオフィス機器からデジタルカメラ、半導体、FAカメラ、マネージド・ドキュメント・サービス(MDS)、ITサービスなどの幅広いプロダクトやサービスを提供している。グループ全体で約9万7千人(2018.3.31時点)の従業員を擁し、約200の国と地域で事業活動を展開。高い技術力、グローバルネットワークなどを生かして、新しい顧客価値を創出するとともに、企業活動を通して持続可能社会の実現にも積極的に取り組んでいる。

URL
www.ricoh.co.jp


 

 

 

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(掲載内容は2018年6月現在のものです)


 

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