沖縄の透明な海でミネラル豊富に育つもずく。しっかりとした歯ごたえが人気で、全国シェアの約9割を占める。しかし、そのもずくの成長には海の状態が大きく影響するため、生産量が安定しない。
沖縄県もずく養殖業振興協議会はもずくの安定生産を実現するため、新たな養殖技術の開発に向け、「ICTブイ」の実証実験を開始。沖縄県水産海洋技術センターを含めた関係団体とともに、もずく養殖場の水温と塩分濃度のデータを蓄積し、環境モニタリング調査を実施している。
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導入前・導入後の比較
導入前の課題 | 導入後の成果 | ||
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1 | もずく養殖は種付けした網を海中に張って成長するのを待つという養殖手法なので、海の状態に影響される部分が大きく、生産量が安定しない。 | 1 | 「ICTブイ」による環境モニタリング調査で海の状態がもずくの成長にどのように影響するのかを究明し、もずくの安定生産につなげたい。 |
2 | 海水の温度や塩分濃度などがもずくの成長に影響をおよぼすことはわかっていたが、具体的なデータがなく、対応策が確立していない。 | 2 | 「ICTブイ」が計測したデータを蓄積し、海水の温度や塩分濃度の変化に対応した新たな養殖技術を開発したい。 |
3 | もずく養殖は漁業者一人ひとりが自身の経験と勘を頼りに作業しているため、ほかの漁業者に養殖技術を伝承しにくい。 | 3 | データをもとに開発した養殖技術を「ウミミル」アプリのコミュニケーション機能で伝承し、若手漁業者の育成やもずくの安定生産につなげたい。 |
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お客さまの声
【導入のきっかけ】
海水の温度と塩分濃度がもずくの成長にどのように影響しているのかを究明し、安定生産につなげたい
もずく養殖は通常、海のなかに浮遊している種を取ってきて、水槽で網に種付けをします。そして、少し芽が出たら、その網を沖の養殖場に持っていき、海中に張ります。そして、それ以降は養殖場の環境にゆだね、もずくが成長するのを待ちます。自然に任せる養殖ですので、海の状態に影響される部分が大きく、生産量は多かったり少なかったりで安定しません。
海水の温度や塩分濃度、日照などがもずくの成長に影響をおよぼすことは、長年の経験でわかっていましたが、具体的なデータを取ったことがなく、水温などの変化への対応策は確立されていません。
海水の温度や塩分濃度が、もずくの成長にどのように影響しているのかを究明する調査を実施し、その調査結果をもとに、もずくの生産を安定させる新たな養殖技術を開発したいと思っていました。
【導入効果】
網を張る絶好のタイミングを「ICTブイ」のデータで判断できるようにして、作業のやり直しを減らしたい
もずく養殖は漁業者の経験と勘を頼りに作業していますが、海の状態が大きく影響するため、順調に成長しないことがあります。水温や塩分濃度が影響しているのではないかと漁業者仲間と話しています。
成長が悪い時は、海中から網を引き上げ、もずくを洗い流し、もう一度、水槽での種付け作業からやり直します。手間が増える上に生産量が減るので、大きな損失です。
「ICTブイ」を使った環境モニタリング調査で、水温や塩分濃度の影響を究明できれば、スマートフォンの「ウミミル」アプリに送られてくる「ICTブイ」のデータを参考に、網を張るタイミングが検討できますので、作業のやり直しが減るだろうと期待しています。
また、将来的には「ウミミル」アプリのコミュニケーション機能を養殖技術の伝承に活用し若手漁業者の育成やもずくの安定生産につなげたいと考えています。
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導入システム
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導入サービス
沖縄県もずく養殖業振興協議会さま
業種 | 農林水産 |
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エリア | 九州・沖縄 |
従業員数 | 51名~300名 |
事業概要
沖縄県内にあるもずく産地の漁業協同組合と市町村、および県内のもずく一次加工業者が加盟。もずくの販売促進活動を支援し、流通の円滑化と消費の拡大を図ることにより、もずく漁業経営の安定と発展をめざしている。
※ 画面はイメージです。
※ 掲載内容は2022年7月以前の情報です。