東洋紡株式会社 執行役員CDO デジタル戦略総括部長 矢吹 哲朗氏

東洋紡株式会社
執行役員CDO デジタル戦略総括部長

矢吹 哲朗氏

 

課題

年々増加するセキュリティソリューションによる
運用効率の低下の課題とは

単なるモノづくり(素材の提供)にとどまらず、「サイエンス=工夫やアイデアによる新たな価値」の創出をめざす企業、東洋紡株式会社は、日々高度化するサイバー攻撃に対応するため、いろいろなコンサルや第三者機関の協力のもとセキュリティ対策を行っていた。シグネチャー型のセキュリティツールから始まり、毎年のように新たなツールを導入していった結果、20以上のソリューションに膨れ上がり、非効率な運用に悩まされていた。
(矢吹氏)「セキュリティ担当者は、これらのデータ一つ一つをつなぎ合わせたり、分析をするといったことを頑張ってはいるものの、本来一番重要とされる『素早く検知して素早くアクション起こす』ことが出来なくなっていました。」
そこで原点に立ち戻り「素早い対処」を行う方法を考えた時に、現状のセキュリティツールを組み合わせた構成(ベスト・オブ・ブリード)ではなく、プラットフォーム化(スイート)することで、運用そのものを単純化し効率化を図るという判断を下した。

また、経営層の間で、サプライチェーンリスクがクローズアップされている中、海外拠点も含めた利用実態の見直しを行ったところ、本体のセキュリティポリシーを十数カ国語に翻訳し、周知を図っていく取り組みはすでに行っていたが、一方で拠点によっては、それを運用できるメンバーがいないという問題もあった。
(矢吹氏)「今まではルールを決めるだけで実際の運用は各拠点に任せていたが、今の時代ではどう運用されているかまで把握しておかないと、結局そこがリスクポイントになってしまう。それであればと、新たなソリューションを全社的に導入し、日本から一極集中で運用することで全体的に底上げを目指しました。」

このページのトップへ

 

対策

セキュリティ運用プラットフォーム
「Cortex XSIAM」の全社導入

そんな東洋紡の環境にフィットしたのが、パロアルトネットワークス社のセキュリティ運用プラットフォーム「Cortex XSIAM」。
Cortex XSIAMはSOCに必要なSIEM、EDR、SOAR、TIP、NTA、ASM、UEBA、CDRといった必要な機能群をひとつのプラットフォームに搭載したもので、AIや自動化の機能を駆使してセキュリティイベント検出の精度と速度を高め、インシデント検出後の対応を迅速化できるといった特徴を持つソリューションである。

Cortex XSIAMの機能概要

Cortex XSIAMは先進性の高いセキュリティ分析・運用基盤だが、導入しただけで運用レベルが向上したり、コストを削減できたりするものではない。そのため、活用を検討する上では、導入・構築・運用に至るまで幅広いノウハウが必要となるが、その点において、NTT ComからCortex XSIAMを導入するメリットは3つある。
1つめは、パロアルトネットワークス製品の長期間にわたる多数の取り扱い実績と、国内上位の有資格者数。

2つめは、パロアルトネットワークス以外の多数のマルチベンダー製品の導入実績も併せ持つことから、セキュリティ全般の移行支援が可能であること。
そして、3つめは、社内環境での運用や自社サービス開発において培った、AIや自動化に関する豊富なノウハウに基づいた運用支援ができることだ。

NTT Com から Cortex XSIAM を導入するメリット

このページのトップへ

 

効果

グローバルおよび社内外で統一した
セキュリティ運用の実現

今回、東洋紡は海外拠点も含めた全社導入によって、グローバルおよび社内外を含めた拠点のセキュリティを日本から一元的に管理することで、サプライチェーンセキュリティを強化することに成功したといえる。また、AI×自動化は、相関分析や動的シグニチャによる検知、感染検知後の即時隔離といった高度な運用部分にまで拡がり、効率化が進んでいるが、真のバリューを発揮するのはこれからの運用が重要だと語る。
(矢吹氏)「セキュリティは入れて終わりではなくて、まさにスタート地点に立っているという認識です。目的に沿ってどう運用していくかを考えたときに、ツールはできるだけ減らし、集約化やプラットフォーム化を行い、効率的にそれらを使いこなしていけるようにツールの修練度を上げていくことが重要だと考えています。」

最後に矢吹氏はこれからのセキュリティ対策についてこう語っている。
(矢吹氏)「サイバー攻撃が事業に与える損失リスクを考えると、セキュリティへの投資はIT投資というより保険のような側面もあります。IT投資とは分けて、売り上げの何パーセントと決めるなどKPIを立てて取り組むべきものだと思いますし、経済活動上、必要不可欠な投資として位置づけ、事業継続性の観点などでその投資水準を決める領域であるべきでしょう。」

このページのトップへ

お問い合わせ

東洋紡株式会社

東洋紡株式会社

売上高
4,142億円 (連結/2023年度)

従業員数
単体 3,063名/連結 10,668名(いずれも2024年3月31日現在)

事業概要
フイルム、ライフサイエンス、環境・機能材、機能繊維分野における各種製品の製造、加工、販売。プラント・機器の設計、販売。各種技術・情報販売。

URL
https://www.toyobo.co.jp/company/profile/


(掲載内容は2024年10月現在のものです)


関連リンク

注目の導入事例 最新のビジネスソリューション・ICT活用事例をご覧いただけます

このページのトップへ