仕事がつまらない、辞めたい…そんなときはゲーム感覚で割り切ってみよう

仕事がつまらない、辞めたい…そんなときはゲーム感覚で割り切ってみよう

公開日:2022/04/15

日々の仕事がつまらない、やりがいがない、自信を持てない。 そんな心理に陥る時は誰にでもあるものです。 もちろん筆者もそのような経験者のひとりです。
なかなか気分の上がらないまま仕事を続けるのは楽なことではありませんし、満足度が下がるだけでなく「自分はいったい何をやっているのだろう?」と自信を失ってしまうことにも繋がります。
しかしそれでも時を過ごして行かなければなりません。どうすれば良いのでしょうか。
筆者がある先輩から聞いた「おもしろくない業務の続け方」があります。 どのようなものなのか、成果を上げる人の考え方の一つとして一緒にみていきましょう。

仕事に対して満足できる要因は?

仕事で満足感を得られるのはどんなときでしょうか。

エン・ジャパンが「仕事の満足度」について、約6400人から回答を得たアンケート結果は以下のようなものでした(図1)。

仕事の面白さ、人間関係の良さ、休日休暇日数といったオーソドックスな項目が上位を占めます。

図1 「現在の仕事に満足している」要因 (出所:「『エン転職』ユーザーアンケート調査結果発表」エン・ジャパン 2017年)

一方で仕事に「満足できない」という人にその要因を質問した結果は、以下のようなものです(図2)。 給与額、成長しづらい環境、人間関係の悪さなどに加え、仕事におもしろみがない、という項目も上位に目立ちます。

図2 「現在の仕事に満足していない」要因 (出所:「『エン転職』ユーザーアンケート調査結果発表」エン・ジャパン 2017年)

やはり「仕事のおもしろさそのもの」は、ビジネスパーソンの満足にも不満足にも直結する要因であることがよくわかります。

辛い仕事を上手く乗り越えた先輩

さて、筆者が報道記者の仕事をしていた中で最も辛かったのは、社会部で警視庁の担当記者をしていたときでした。   警察記者というと「夜討ち朝駆け」が基本です。筆者たちは「夜回り」「朝回り」と呼んでいます。

朝は捜査員が自宅から出てくるのを待ち伏せして捜査の進捗状況についての情報を得ます。同様に、夜は捜査員が帰宅するのを待つか、慣れた通い先では玄関チャイムを鳴らして出てきてもらうこともあります。

しかし捜査員は誰にでも話をするわけではありません。気に入った記者には情報を与え、それ以外の記者とは喋ることすらしない、そういう人は多くいます。 最初の頃は、名刺すら受け取ってもらえないことも多々あるのが現実です。

そんな前提ですから、懇意の捜査員(いわゆる「ネタ元」)ができてスクープの話をしてもらえたときは「満足」に繋がります。 一方で警察記者は我慢強い人間の集まりとはいえ、こうした「空振り」を連発するとさすがに気が滅入ってしまいます。

特に夜は、いつ来るとも分からない相手を、時には雨が降り、時には冷え込む路上で立って待ち続ける。犬に吠えられる。周囲から不審な目で見られる。 暗い路上で、自分はいったい何をやっているんだろう…と考えてしまうことも少なくありません。

そんな状況を、ある先輩はこうして乗り切っていたと言います。 捜査員に名刺を受け取ってもらえたか。雑談できたかできなかったか、捜査の話にまで踏み込めたか。

これに点数をつけてゲーム感覚で過ごしていたということです。 今で言うと「ガチャ」の感覚に近いでしょう。 初めて会う捜査員が会話をしてくれればSR、捜査の話にまで踏み込めればSSRです。

なんてささやかすぎる楽しみなんだ、と思われるかもしれませんが、この小さな楽しみが「明日は高得点を取ろう」という気持ちにつながっていたのだといいます。

「やりがい」といったことを敢えて脇に置いて、純粋にゲームとして楽しんでしまっていたのです。

「自分を褒める」ことが自信に

ところでこちらはマイナビによる、仕事に対する「自信」に関する調査結果です。 自身の仕事に対する自信があるかどうかという質問に対しては、答えは下のようになっています(図3)。

図3 仕事に自信があるかどうか (出所:「データLABO 仕事、転職、ホントのところ」マイナビ転職)

若いほど自信はなく、20代では7割近く、30代でも6割近くが「自信がない」と回答しています。

では、自信を持つにはどんなことが必要なのでしょうか。「自信がある」と答えた人が必要だと思うことは下のようになっています(図4)。

図4 仕事に自信を持つために必要なこと (出所:「データLABO 仕事、転職、ホントのところ」マイナビ転職)

「上司から褒められる」よりも、「自分で成長を実感する」「自分で目標を達成する」の方が多くなっています。

このような具体的な回答が寄せられています*1。

  • ほかの人が褒めてくれてうれしいけど気を使っているのではないかと疑ってしまう(20代)
  • 人から褒められても、自分が納得できなければ実感できないので(30代)
  • 周りが何を言おうと 、最終的には自分で自分を認められるようにならないといけないと思うから(40代)

ただ、自分で目標を設定するにあたっては注意点があると筆者は考えます。 「自分で目標を達成する」ということについて、ここで高すぎる目標を作ってはいけないということです。前述の筆者の先輩のようにミニゲーム化して、そのゲームの中で目標を作る、それも乗り越え方のひとつです。

高すぎる目標を設定してしまうと、逆に自信を失うきっかけになってしまいます。

RPGの主人公のように

もちろん、あまりにも肌に合わない会社であれば転職という選択肢もあります。 ただ、仕事をしている以上、どうしても「つまらない」「やりがいを感じない」時期は出てくるものです。

遊び感覚で考えてしまうと、成果を出せないのではないか?認めてもらえないのではないか?

そう思ってしまう人もいらっしゃることでしょう。 しかし、常に右肩上がりの人というのはそうそういないのではないかと筆者は考えます。

また、RPGの主人公のように振る舞って見るのも良いでしょう。 仕事をする上でのアイテムをどのように使えばレベルアップするか?と考えてみることは、いずれリソースの使い手として合理的に仕事を進めるスキルとして身につくことでしょう。 はかどらない時期を人間観察に当てる、そんな発想もあります。

テレワークでなかなか周囲とのコミュニケーションが取りにくくなっているという人もいらっしゃると思います。 年中自宅勤務の筆者は、原稿を1本書き終えるたびに、ドラゴンクエストのレベルアップのフレーズを頭の中に流しています。

地味なことではありますが、時には仕事をゲーム化すると、自分の客観化にもつながるのでオススメしたいと思います。 まず長い目で見て、全てのことに意味を求めない「ゆるさ」も必要なのです。

資料一覧

  • *1「 データLABO 仕事、転職、ホントのところ」マイナビ転職

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この記事を書いた人

清水 沙矢香

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として各種市場・産業など幅広く取材、その後フリー。
取材経験や各種統計の分析を元に関連メディアに寄稿。

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