「テレワークxヘルスケア」の次世代型ガジェットはここまで進化した!

「テレワークxヘルスケア」の次世代型ガジェットはここまで進化した!

公開日:2022/06/01

コロナ下で急速に普及したテレワークは今後も一部、定着するとみられています。 テレワークには多くのメリットがありますが、テレワーカーはオフィスワーカーに比べて体の不調を感じる割合が高いことが報告されています。
筆者自身、テレワーク中心の生活が続くにつれ、ついつい根をつめてオーバーワークになったり、腰痛に悩まされたり、運動不足で体力の衰えを感じたりと、さまざまな不調に悩まされるようになってきました。 それなのに、コロナ禍の影響でジム通いは中断したまま。せいぜいルームランナーで走るのが関の山で、このままでは健康を損ねてしまうのではないかという危機感さえ抱くようになってきました。 同じような状況の方も多いのではないでしょうか。 しかし、現在はDX時代。そうした状況を改善すべく、テレワーカーに役立つさまざまなガジェットが開発されています。 どれも最先端のデジタル技術を駆使したすぐれモノ。 DX時代のテレワーカーに欠かせない次世代型ガジェットをみていきましょう。

ココロとカラダを可視化するスマートグラス

以下、メーカーのプレスリリースなどを引用する形で、まずは商品の概要です。 最初のガジェットは、かけるだけで日常のさまざまな問題を気軽に解決できるスマートグラス。*1、*2 「JINS MEME」は、かけているだけで、姿勢や歩いている時間、さらに心の動きや集中度まで測定できるウェアラブルです。

図1 JINS MEMEとアプリ 出典:PRTIMES(2021)「新「JINS MEME」、遂に10月14日(木)発売」

2015年発売の初代のモデルはフレームの内部にメカパーツが内蔵されていましたが、今回のJINS MEMEではメカパーツは全て鼻当て部分のCOREに内蔵され、大幅な小型化に成功しました。 その結果、重さはCOREがわずか6g、本体も20g前後で、ふつうのメガネと変わらないかけ心地です。 フレーム価格を極力抑え、専用アプリ課金型のサブスクリプションサービスを提供。 専用のアプリは、BODY(カラダ)、MIND(ココロ)、BRAIN(集中)の状態を可視化するだけでなく、ココロとカラダを整えるメンテナンスプログラムや、集中に入るための「集中測定」などの多彩なコンテンツを提供しています。

出典:PRTIMES(2021)「新「JINS MEME」、遂に10月14日(木)発売」

姿勢矯正のためのスマートデバイス

次は、背中に直接貼り付けることで、姿勢を記録し、よい姿勢を促すウェアラブルです。*3 「UPRIGHT GO 2 Posture Trainer」は、姿勢矯正のためのスマートデバイスで、1回の充電で約30時間使えます。 そのまま使うことも、iPhoneやiPad上のアプリに連係させることも可能。 目立たず、着け心地も快適なデバイスは、背中の上の方に貼っておくと、前かがみの姿勢になったとき、弱いバイブレーションで合図を送ってくるので、すぐに背を伸ばして良い姿勢に戻ることができます。

図3 UPRIGHT GO 2 Posture Trainerのデバイスとアプリ 出典:APPLE「UPRIGHT GO 2 姿勢トレーナー」

スマホに連携させると、iPhoneやiPad上のアプリが、個々のユーザーのプロフィールに基づき、パーソナルトレーニングのプランを提案します。 コアマッスルが鍛えられるトレーニングは、使い始めてから2週間以内にその効果が現れるようにデザインされています。 姿勢やトレーニングのデータはアプリに記録され、改善に役立てることができます。

スマートクッション・スマートチェア

スマートクッションやスマ―トチェアは既にさまざまなものが発売されていますが、そのうちの商品を1点と、最新の開発情報をご紹介します。

座り方を教えてくれるスマートクッション

「Darma(ダルマ)」は、姿勢、座り方、ストレスレベルをリサーチし、よりよい座り方を提案する世界初のスマートクッションです(図4)。*4 ユーザーへの情報はスマホやパソコンのアプリによって提供されます。 ちなみに「Darma」のメーカーはアメリカの企業ですが、名前の由来は座禅で有名な達磨です。

図4 Darmaとアプリ  出典:Kickstarter “Darma: Sit smart for a healthy body and mind”

クッションに内蔵されたセンサーは精度が高く、心拍数、心拍波形、呼吸数、呼吸波形などのバイタルを検出し、様々なさまざまな情報を提供します。 例えば、座りすぎや働きすぎを防ぐために、座っている時間を測定し、十分な休憩が取れるようにリマインダーを提供する。あるいはまた、バイタルなどを分析して個々のユーザーの習慣と姿勢をリサーチし、それを知らせる、などです。 その他にも、座り方の特徴に合わせて、正しい座り方を知らせたり、ユーザー毎に異なる、首、背中、股関節が痛む場所を特定して、パーソナライズされたストレッチを提案したりします。

腰痛を防ぐスマートチェア

今後、スマートチェアはさらに進化するでしょう。 それを可能にするのが、東北大学大学院医工学研究科を中心とする研究グループによって開発された先端技術です。*5:pp.1-4 日本人の10人に1人が腰痛に悩まされているという統計がありますが、腰痛は厄介なもので、たとえ良い姿勢を保っていても、長時間座っていると悪化する場合もあります。 しかし、もし、腰痛の発生が予測できれば、ストレッチやエクササイズなどをして予防に努めることができます。 同研究グループによって開発されたスマートチェアには、荷重センサーが組み込まれており、日々の腰痛悪化を高い精度で予測することが可能になりました。 この実証実験では、AIを使った信号処理とディープラーニングによって、人は細かく体を動かして姿勢の固定化(同じ姿勢を続けること)を防いでいる可能性があることを発見しました。 そして、そうした細かい動きのパターンがみられないと、腰痛悪化が高確率で起こることがわかったのです(図5)。

図5 従来のスマートチェアによる腰痛予報(左)と同研究の成果(右) 出典:東北大学大学院医工学研究科(2021)「プレスリリース:オフィスワーカーの腰痛悪化予報がスマートチェアで可能に 日常生活のさりげないセンシングにより日々の体調予報に道! 」p.4

この研究によって、AI技術によって腰痛の予報が可能であることが実証され、今後ウェアラ ブルなどに搭載するセンサーの利用価値が高まりました。 また、姿勢の固定化を防いでいる細かい動きの発見は、今後、肩こり、頭痛、関節痛など「不定愁訴」といわれる症状の改善に役立つのではないかと期待されています。 こうした技術を活用した商品の開発・販売が待たれるところです。

自宅をジムにするスマートミラー

テレワークは通勤や社内での移動がなく、どうしても運動不足になりがちです。 さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響でジム通いが中断してしまっている方も多いのではないでしょうか。 最後にご紹介するのは、スマートデバイスを通してプロのトレーナーによる本格的なトレーニングを、いつでも自宅で体験できる最新型デバイスです。*6 「MIRROR FIT.」は、5分〜60分までのコンテンツがあり、スキマ時間に行うことのできるレッスンから、しっかりと動きたいときのためのレッスンまで、ライフスタイルやそのときどきの状況に合わせてコンテンツを選ぶことができます。 レッスンカテゴリーは2022年2月21日現在で13種類、プログラムは500種類以上で、今後、随時追加されていく予定です。(図6)。*7

図6 「MIRROR FIT.」を使ったエクササイズ風景とデバイス、カテゴリー例 出典:Makuake「MIRROR FIT.」

今後リリースが予定されているのは以下のようなサービスです。

さらに、Android搭載のため、トレーニング以外のことにも活用できます。 アプリをダウンロードすれば、YouTubeをはじめ各種の動画・音楽配信サービスが受けられ、オンラインミーティングにも大画面で参加できます。

DX時代のガジェット

以上、テレワーカーに役立つ次世代型ガジェットをご紹介してきましたが、いずれの商品にも最先端技術が使われています。 デジタル技術は現在、頻繁に刷新され、それとともに商品も随時リニューアルされています。 そうした動向にも注視しつつ、ライフスタイルに合わせてスマートなガジェットを賢く活用する―それはきっと、より快適なテレワーク生活へのソリューションとなるでしょう。

資料一覧

  • *1 PRTIMES(2021)「新「JINS MEME」、遂に10月14日(木)発売」
  • *2 株式会社ジンズホールディングス
  • *3 APPLE「UPRIGHT GO 2 姿勢トレーナー」
  • *4 Kickstarter “Darma: Sit smart for a healthy body and mind”
  • *5 東北大学大学院医工学研究科(2021)「プレスリリース:オフィスワーカーの腰痛悪化予報がスマートチェアで可能に 日常生活のさりげないセンシングにより日々の体調予報に道!
  • *6 PRTIMES(2022)「自宅がいつでもジムになる、次世代型IoTスマートデバイス「MIRROR FIT.」を応援購入サービス「Makuake」にて、2月21日(月)より先行販売スター」
  • *7 Makuake「MIRROR FIT.」

■お知らせ

私たちNTT Comは新たな価値を創出できるワークスタイルの実現を支援しています。
企業の働き方改善にご活用ください。

ワークスタイルDXソリューション
>> Smart Workstyleはこちら

NTTコミュニケーションズのワークスペース検索・即時予約サービス

「droppin」は多種多様なカフェやコワーキングスペースなどと提携し、
ユーザーが今いる場所の近くでドロップイン(一時利用)できるワークスペースを即時検索・予約できるサービスです。

・外出時に予定の前後の隙間時間などで効率よく作業したい
・在宅勤務になったが、自宅には家族がいて働く環境がない

このように働く場所や時間の問題解決をdroppinで実現します。

>> droppinはこちら

Profile

横内 美保子

博士(文学)。総合政策学部などで准教授、教授を歴任。専門は日本語学、日本語教育。
留学生の日本語教育、日本語教師育成、リカレント教育、外国人就労支援、ボランティア教室のサポートなどに携わる。
パラレルワーカーとして、ウェブライター、編集者、ディレクターとしても働いている。

人気コラム

おすすめコラム