地方移住を促進するテレワーク。移り住んで本当に良かった?後悔している?

地方移住を促進するテレワーク。移り住んで本当に良かった?後悔している?

公開日:2023/2/15

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、テレワークを活用する企業が増加しました。

テレワークをする人の中には、仕事を続けながらも地方へ移住する人が出てきています。
実際に筆者も、豊かな自然を求めて首都圏から地方へ移住しました。

これまでは何かと仕事の都合を優先し、私生活の充実は後回しにされがちでしたが、テレワークが浸透したことにより、仕事と私生活、両方の充実を目指す人が増えてきているのです。

そこで今回は、テレワークが地方移住を促進する理由や地方移住の魅力、地方移住前に知っておくべきことについて、見ていくことにしましょう。

テレワークが地方移住を促進

コロナ禍で、テレワークが急速に普及しました。

内閣府の「第5回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、東京23区のテレワーク実施率は50.6%です。*1
およそ2人に1人がテレワークで働いていることになります。

さらに一部の企業では、テレワークを促進するための取り組みを行っています。

例えばNTTグループでは、2022年から「住む場所」の自由度を高め、ワークインライフ(健康経営)をより一層推進していくために、リモートワークを基本とする新たな働き方を可能とする制度を導入しました。*2

今後はさらに、生活の質やウェルビーイングの向上を求めて、地方移住への関心が高まっていくことでしょう。

地方でも同様に働けると実感

テレワークが普及した結果、地方でも同様に働けると実感し、地方移住に関心を持つ人が増えています。
令和4年7月に発表された内閣府の調査結果を見てみましょう。

地方移住への関心(東京圏在住者) 引用)内閣府「第5回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

図1 地方移住への関心(東京圏在住者)
引用)内閣府「第5回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」P17
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result5_covid.pdf
調査を行うごとに地方移住へ関心がある人の割合が増え、2022年6月の時点で東京圏は34.2%、東京都23区で37.2%です。
東京都23区に住む20歳代に限っては、関心のある人が過半数を上回っています。

そして、地方移住への関心を持ったきっかけとしては、

・人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため
・テレワークによって地方でも同様に働けると感じたため
・ライフスタイルを都市部での仕事重視から、地方での生活重視に変えたいため

などの理由が上位に挙げられています。*1

つまり、コロナ禍をきっかけに
「自然豊かな環境に移住したい」
「地方で仕事よりも生活を重視したい」
と考える人が増加し、同時にテレワークの普及によって
「地方でも同様に働ける」
と実感している人が増えているのです。

移住経験者を対象とした調査でも、移住者の53.4%は転職をしておらず、60%弱が移住に伴う収入変化はなかったと回答しました*3

仕事や収入を心配をせずに、地方へ移住できる制度や環境が整い始めています。

テレワーカー対象の支援金が登場

政府はテレワークの普及を受けて、地方へ移住する世帯に最大100万円を支給する「移住支援金」の対象を拡大しました。

従来、移住支援金を受け取るためには、地方自治体が定めた企業に新規就業するか、その土地で起業しなければなりませんでした。

しかし2021年度からは、テレワークで仕事を続けながら移住するケースも移住支援金の対象となったのです。

さらに政府は、若い世代や子育て世帯の地方への移住を促そうと、2023度から子ども1人当たりの加算金を30万円から100万円に増額する方針です。*4

移住支援金は、新しい生活を始める際の大きな手助けになるでしょう。

実際に移り住んで感じた地方の魅力

内閣官房は、地方移住者を対象に「実際に地方へ移り住んで感じた魅力」を調査しました。

UJターン者・Iターン者は、下記に魅力を感じています。*5

UJターン者
1位:自然も便利もある地方都市での暮らし(28.0%)
2位:親や昔の友達の近くにいる暮らし(27.2%)
3位:ワークライフバランスの良い職住近接の暮らし(12.5%)
4位:自然がすぐ近くにある暮らし(7.9%)

Iターン者
1位:自然も便利もある地方都市での暮らし(32.8%)
2位:ワークライフバランスの良い職住近接の暮らし(13.8%)
2位:自然がすぐ近くにある暮らし(13.8%)
4位:自分好みの快適で広い家での暮らし(9.2%)

ここでは、地方暮らしならではの魅力である「自然がすぐ近くにある暮らし」「自分好みの快適で広い家での暮らし」について紹介していきます。

自然がすぐ近くにある暮らし

地方移住の最大のメリットは、自然豊かな環境で暮らせることです。
実際に筆者も、首都圏から田畑や山に囲まれた地域に移住しました。

四季折々の自然を眺めながら、心豊かに日々の暮らしを満喫しています。
周りには高い建物が少ないため、広い空や輝く星を思う存分楽しむことも可能です。

美味しい空気や目の前に広がる美しい景色のもとで、新しいライフスタイルが広がります。

自分好みの快適で広い家での暮らし

一般的に、地方では家賃などの住居費用が首都圏と比べて安くなります。

3DKの賃貸マンションから賃貸一戸建てに引っ越しましたが、家賃は安くなりました。

広い家になったことで、自分の仕事部屋を持つことができ、庭を利用してガーデニングや家庭菜園を楽しんでいます。

「今よりも広い家に安く住みたい」「快適な空間で暮らしたい」という願いを、地方移住が叶えてくれることでしょう。

地方移住で知っておくべきこと

その一方で、地方移住者の多くが「生活利便性(買い物、交通利便性など)の低さ」に不満を感じています。*5

地方では中心部から離れると、お店や病院が近くにない場合があります。
移動には車が必要になりますので、車のガソリン代や保険料などの維持費がかかります。

車を持つ予定がない場合は、バスや電車などの交通事情を把握しておくことが必要です。
特に人口が減少している地域では、電車やバスの運賃が高かったり、路線や本数が限られていたりします。

都会よりも移動に「お金」と「時間」がかかることもありますので、事前にその地域の生活利便性について確認しておくことが必要です。

知らないと損する移住支援金

テレワークで仕事を続けながら地方移住をする場合には、地方創生移住支援事業の「移住支援金」を活用しましょう。
自分で調べて申請をしなければ受け取ることができませんので、忘れずに手続きを行ってください。

移住支援金の対象となる要件をまとめました。*6

<対象者>
移住直前の10年間で通算5年以上、東京23区の在住者または東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)から東京23区へ通勤している者

<移住先>
・東京圏以外の道府県
・東京圏の条件不利地域(奥多摩町、秩父市、飯能市、館山市など)への移住者

※東京圏以外でも移住支援事業を実施していない市区町村があります。

<移住先での要件(就業等)> 以下のうちいずれかに該当する必要があります。
・地域で中小企業等へ就業
・テレワークによる業務継続
・市町村ごとの独自要件
・地方創生起業支援事業を活用

その他の条件
・移住支援金の申請を転入後、3か月~1年以内に行うこと
・支援金の申請後5年以上、継続して移住先に居住する意思があること

<補助金の支援額>
・世帯の場合は100万円以内
18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は、18歳未満の者1人につき最大30万円を加算
・単身の場合は60万円以内で都道府県が設定する額

制度の詳細や手続き方法は、自治体ごとに異なります。

なお、国の移住支援金の実施期間は「2019年度から6年間を目途に」となっており、2024年度で終了する可能性もありますのでご注意ください。*7

その他にも、各自治体が独自に「住宅支援」や「子育て支援」などの移住支援制度を行っていることがあります。

移住を検討している人は、市区町村に直接問い合わせてみましょう。

まとめ

テレワークの浸透により、「慣れた仕事を続けながら、好きな場所に移住する」というライフスタイルを実現できるようになりました。

自然豊かな暮らし、広くて快適な家、趣味中心の生活など、理想的な暮らしを求めて地方移住をする人は、ますます増えていくことでしょう。

地方移住をするかを迷っている場合は、移住希望者向けのイベントに参加したり、お試し移住を利用したりして、理想の暮らしを想像してみてはいかがでしょうか。

資料一覧

■お知らせ

私たちNTT Comは新たな価値を創出できるワークスタイルの実現を支援しています。
企業の働き方改善にご活用ください。

NTTコミュニケーションズのデジタル社員証サービス

スマートフォンをポケットにいれたまま、ハンズフリーで入室!

Smart Me®︎は、社員証機能をデジタル化することにより、物理的なカードを無くすことを目的にしています。
中でも入退館・入退室機能は、どこにも触れない入退認証を実現し、入館カードを常時携帯する煩わしさを解消します。
管理者は、発行・再発行のたびに掛かっていた物理カードの手配・管理コストが無くなるほか、
ICカードにはできなかった、紛失時に残るカードを悪用されるセキュリティリスクを低減できます。

>> Smart Meはこちら

この記事を書いた人

髙橋 めぐみ

求人情報メディア・人材紹介等の総合的な人材サービスを提供する大手上場企業に勤務。在職中に250社以上の企業を取材し、求人広告の作成等に携わる。その後、教育業界に転職。現在は人材や教育に関する記事を中心に、フリーライターとして活動中。

人気コラム

おすすめコラム