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5分で分かる!働き方改革の課題とメリット
働き方改革とは「一億総活躍社会を実現するための改革」です。進めていく上で生じる課題やメリットを知り、どのように取り組んでいくと良いのか考えてみましょう。また、進めるためのポイントを紹介するので参考にしてください。
目次
働き方改革の意味とその目的
働き方改革とは、働き方のニーズの多様化や高齢化による生産人口減少に対応するため、「一億総活躍社会」を目指す取り組みです。2019年に働き方改革関連法が一部施行され、企業だけでなく社会全体の課題として注目されています。
国から提唱されている働き方改革ガイドライン
働き方改革関連法は正式名称を「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」と言います。労働基準法や雇用対策法など複数の労働法を改正するための法律です。国は働き方改革のガイドライン発表しており、ポイントは以下の4点です。
- 同一労働同一賃金
- 副業・兼業の推進
- リモートワークの推進
- 労働時間法制の見直し
同一労働同一賃金では正規・非正規雇用の格差を解消し、同じ労働に対しては同じ賃金を支払い待遇するよう義務付けています。大企業では2020年4月から、中小企業でも2021年4月から施行されています。
働き方改革では副業や兼業の普及にも力を入れています。副業や兼業を認めることで社員が多様な働き方を選べるようにすることが目的です。また、企業としても人材の流出を防ぎ、事業拡大のチャンスを掴めるというメリットがあります。
多様な働き方に対応しやすいリモートワークの推進も重要な課題です。リモートワークを導入することにより、子育てや介護などによる離職を防ぐことや勤務地にこだわらずに人材を確保できるというメリットがあります。
労働時間法制については以下の7点を見直し、働きすぎを防ぎながら従業員のワークライフバランスを実現させられる柔軟な働き方を目指します。
- 残業時間の上限の規制……月45時間、年360時間以内
- 「勤務間インターバル」制度の導入……勤務終了後から翌日の出社までに一定時間以上の休息時間を確保
- 年次有給休暇の取得を企業に義務付け……1人年5日
- 月60時間を超える残業は割増賃金率の引き上げ
- 労働時間の客観的な把握を企業に義務付け
- 「フレックスタイム制」の制度拡充……3カ月の中で労働時間を調整する
- 「高度プロフェッショナル制度」の新設……高度の専門知識がある従業員を対象に休日を確保したり、健康・福祉の確保措置を講じる制度
働き方改革を進める上での課題
働き方改革を進めるには、いくつかの課題があります。企業側の課題、従業員側の課題を紹介します。
企業側
企業側の主な課題は以下の4点です。
社内規則の調整が必要
社内規則とは、業務マニュアルや社内の決まりごとを指し、就業規則も社内規則の一部と考えられます。多くの企業では、働き方改革より前に制定された社内規則をもとに会社を運営しています。そのため、社内規定が働き方と合っていないことも多いです。
特に就業規則はリモートワークやフレックス制度、副業・兼業関連など調整が必要なものが多いでしょう。
人件費の増加・会社の利益減少
以下のような働き方改革が関わって、人件費が増加し、会社の利益が減少する可能性があります。
- 同一労働同一賃金
- 残業の制限
- 有給休暇の義務化
非正規社員の賃金がアップするため人件費が高くなります。また、残業の制限や有給休暇の義務化で、労働力が少なくなる分、新たに人材を雇うことで補おうとすると人件費がかさみます。
労働力不足により1つの業務が終了するまでに多くの日数が必要になると、会社の利益が下がるでしょう。
高度プロフェッショナル制度の乱用の恐れ
高度プロフェッショナル制度とは、従事した時間ではなく得られた成果で評価する制度です。一定の要件を満たした高度で専門的な知識や技術を持っている労働者が対象となります。対象者には時間外労働や休日勤務などの割増賃金が適用されません。
成果を得るために残業や休日出勤などが横行する可能性があります。また、この制度を利用している従業員に業務が集中するリスクもあります。
取引先との関係
社外とのやりとりが多い部署では、取引先との関係があるために働き方改革が進まないこともあります。例としては「働き方改革を進めると今まで通りの納期では受注できない」「取引先の担当者と連絡が取れる時間が決まっている」などです。
従業員側
従業員側にとっても課題と感じる点があります。
残業時間減少による収入の減少
残業時間の制限により、残業代が減ります。従来通りの十分な収入が得られないことに不満を感じる従業員もいるでしょう。
業務処理能力の高い社員に業務が集中
働き方改革を進める際、企業は従業員に対し業務効率のアップを求めるでしょう。業務処理能力の高い従業員に業務が集中する可能性があります。従業員の間で不公平が生まれます。
就業時間は短くなるが業務量は減らない
残業の制限などで労働時間は短くなりますが、実質的な業務量は減りません。従業員には従来と同じ業務を短時間で終わらせることが求められます。思うように休憩が取れなかったり、サービス残業や仕事の持ち帰りをする従業員が出るリスクがあります。
働き方改革のメリット
働き方改革の推進は難しいですが、メリットも大きいので紹介します。
生産性の向上
前述した通り、働き方改革を進めると業務量が変わらないまま労働力が減る可能性があります。対応するためにワークフローを見直すなど、全社的に生産性の向上が見込めます。
従業員のワークライフバランスの充実
長時間労働が改善されてリモートワークなどの柔軟な働き方ができるため、従業員のワークライフバランスが充実します。従業員が働きやすいと感じている企業は離職率が低く、業務へのモチベーションアップも期待できます。
人材確保
働き方改革が進むと、リモートワークでの働き方によって子育てや介護との両立が可能になります。働きたいと思える職場になり、優秀な人材の確保がしやすいです。
働き方改革を進めるポイント
働き方改革を進めるには、次のポイントをチェックします。
現状分析を通して、現状を知る
働き方改革を進めるにはどこに課題があり、どのように改革すると良いのかを知る必要があります。社員からの意見を取り入れたり、厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」を参考にするのも良いでしょう。
フローを見直し関係各所と協力する
働き方改革を進めると、従来の労働力が減る可能性があります。業務フローを見直し、改善することが大切です。また、関係各所と協力・連携することで、重複していた業務が見つかる可能性もあります。
業務効率化の意識を持つ
フローを見直すだけでなく業務効率化を意識した改革も大切です。業務効率化は「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすことが目標です。ITツールを導入して自動化する、書類をペーパーレスにしデータで取り扱うようにする、などが例として挙げられます。
何から業務効率化したら良いのかわからない、と困るのであれば効率化を実感しやすい身近な業務から行うのがおすすめです。中でも請求書業務は紙でのやりとり中心で無駄が多いため、システムを導入することで業務効率の向上が期待できます。
NTTコミュニケーションズが提供するBConnectionデジタルトレードは、請求書業務の電子化を支援するサービスです。請求書業務を電子化することで、社内の経理システムに自動でデータを投入できるなど業務効率アップにつながる機能が多くあります。
ペーパーレスになり、リモートワークでも対応できるので働き方改革が促進します。
まとめ
今後の日本の労働人口の減少を考えると、働き方改革は社会全体で取り組むべき課題です。企業側、従業員側が一緒に課題に取り組み、改善するように工夫をする必要があります。
働き方改革を進めるには、少ない労働力でも業務を進められるよう効率を意識することが大切です。業務効率化を進める際には効果を実感しやすい身近な業務から始めてみるのが良いでしょう。NTTコミュニケーションズが提供するBConnectionデジタルトレードは請求書業務の電子化を支援するサービスです。ペーパーレスを実現しリモートワークにも対応しやすく、働き方改革が進みます。