ご提案事例も収録!
まずは資料をご請求ください!
請求書と領収書の違い、発行、紛失した際の対応や電子化のメリットを解説
請求書と領収書は支払いに関する書類ですが、法的な取り扱いで大きな違いがあります。違いを理解した上で取り扱うようにしましょう。また、請求書や領収書の電子化が進んでいるメリットも紹介します。
目次
請求書と領収書の違いとは
商品やサービスの支払いの際に使われる請求書と領収書。その取り扱いは大きく異なり、違いを理解することが大切です。それぞれ詳しく紹介します。
請求書
請求書は支払いの前に発行する書類で、商品やサービスの代金を請求するための書類です。通常、請求書には以下の項目が記載されます。
- 請求先の宛名
- 請求書発行日
- 取引の内訳(数量など)
- 請求代金
- 振込先
- 支払い期限
- 請求書発行者情報
法的に発行の義務はなく、基本的に収入印紙を貼る必要もありません。
領収書
領収書とは支払われた後に発行する書類で、代金を受け取ったことを証明します。「領収証」と書かれることもありますが、同じ意味です。領収書に記載する項目は以下の通りです。
- 領収書の宛名
- 領収書発行日
- 領収金額
- 領収書発行者情報
現金支払いの場合、請求された領収書を発行することは義務です。ただし、再発行は義務ではなく、不正利用の観点から再発行が難しい場合もあります。また、5万円以上の領収書を紙で発行する際は収入印紙の貼り付けが必要です。
銀行振込やカード払いの際は、請求書があれば領収書は不要、請求書がなければ領収書が必要になります。
請求書兼領収書もある
請求と支払いのタイミングが同時の場合には請求書兼領収書が使われることもあります。企業間で使われることは少なく、病院などで多く使われる書類です。
形式としては、上段に請求書、下段に領収書があり、支払いが確認できたら領収書の規定の欄に印を押すものが多く見られます。また、請求書に領収済と書かれたものもあります。
請求書兼領収書の場合も、5万円以上の支払いで収入印紙の貼り付けが必要です。
紙の請求書や領収書を使うメリット・デメリット
紙の請求書や領収書はメリットもデメリットもあります。それぞれ詳しく紹介します。
紙の請求書や領収書のメリット
メリットは以下の点です。
- 従来のやり方であるため、信頼性を感じる人もいる
- 視認性が高い
それぞれ詳しく紹介します。
従来のやり方であるため、信頼性を感じる人も
新しいシステムは苦手、不安があるという人にとって、使い慣れた紙の請求書や領収書は信頼性や安心感があります。特に家族経営の小規模事業者など、PCを使った業務が苦手な場合もあり、専任の担当者を雇うことも難しいです。取り扱いや保存方法も慣れているので、従来通りのルールがあれば問題なく業務を進めることが可能です。
ミスやトラブルがあった際に対処法がわかっているという点でも安心です。
視認性が高い
PCの画面が横であるのに対し、請求書や領収書のフォーマットは従来通り縦型を使っている例が非常に多いです。その場合、画面の中に全体を収めると文字が小さすぎて読みにくかったり、文字を読みやすくすると全体を把握しにくくなったりということがあります。
しかし、紙の書類であれば全体を確認しやすく、文字をしっかり読むことも簡単です。
また、紙の書類が届けば一度は手に取るため、確認もれが少ないのもメリットです。
紙の請求書や領収書のデメリット
紙の請求書や領収書にはデメリットもあります。
- 修正や再発行が難しいときも
- 作成コストが高く、保存スペースを要する
修正や再発行が難しい時も
紙の請求書や領収書は修正や再発行が難しい場合があります。前述したように領収書は再発行の義務はなく、収入印紙が貼られた領収書は再発行できないケースが多いです。
修正や再発行が可能な場合も、修正や郵送のための時間がかかるので、必要な期日に間に合わないケースも多く見られます。
作成コストが高く、保存スペースを要する
紙の請求書や領収書は以下のような作成コストがかかります。
- 紙
- インク
- 郵送費
- 収入印紙(必要な場合のみ)
PCで作ったものを印刷する場合も、所定の用紙を購入する場合もコストがかかります。さらに、担当者の印が必要であったり、封入や郵送業務を行うための人件費もかかったりします。
また、紙の書類は保管スペースを取る点もデメリットです。キャビネットやファイルなども必要なので、保管すべき書類が多ければ負担も大きくなります。
最近、請求書・領収書の電子化が進んでいる
請求書や領収書は紙の書類を廃止し電子化する流れが加速しています。理由としては以下のような点が挙げられます。
- リモートワークが進み、出社せずに作成などが行える
- 電子帳簿保存法の改正
- 大臣による行政手続きにおける押印の見直し発言
コロナ禍でリモートワークが進み、出社せずに作成や送付が可能な方法が求められるようになりました。特に押印のためだけに出社していた企業も多く、リモートで完結する電子請求書や領収書を導入する企業が増えています。
また、電子帳簿保存法の改正も電子化を推し進めています。電子帳簿保存法とは原則的には紙で保存するべき書類を電子データとして保存できるようにした法律です。2022年1月に改正法が施行され、さまざまな要件が緩和されました。
また、令和2年11月に大臣が記者会見で「行政手続きにおける押印の見直し」について発言したことも影響があります。以前から書類の電子化は求められていました。しかし、日本では重要な書類には押印する慣習があり、電子化しにくい点が課題でした。
行政手続きにおいて押印の制度を見直すという発言を受け、企業でも押印を廃止し請求書や領収書の電子化を進める動きが加速しています。
電子の請求書や領収書を使うメリット
電子データの請求書や領収書には大きなメリットがあります。内容を具体的に紹介します。
検索によるデータ確認ができる
電子データは紙の書類より検索しやすいのがメリットです。紙の書類の場合、キャビネットの中から該当のファイルを探し、その中から必要な書類を探し出す必要があります。取引先が多ければ多いほど書類の量も増え、探し出すのは大変です。
電子データなら日付や取引先などから簡単に検索できます。ファイルの名前の付け方にルールを決めておけば、PCのデータ検索機能ですぐに確認でき、業務効率化につながります。担当者が変わったことにより、必要な書類の場所がわからなくなってしまうというトラブルも防ぎやすいです。
また、紙が劣化することにより、探しにくくなる、読みにくくなるということもありません。
物理的なスペースがいらない
請求書や領収書が電子データになると、保管のための物理的なスペースが不要になります。保管庫へ行く移動時間も削減でき、業務効率化にもつながります。
コストの削減
前述した通り、紙に印刷したり郵送したりするコストが削減できます。また,年度末に書類を大量に整理・ファイリングしている場合は、その分の人件費も削減できるのでメリットが大きいです。
半永久的な保存が可能
紙の書類では保管スペースの問題もあり定期的に書類を処分する必要があります。しかし、電子請求書なら保管スペースも保管のコストもかからないため、半永久的に保存が可能です。
まとめ
請求書とは提供した商品やサービスに対する支払いを求める書類で、法律的には発行の義務はありません。領収書はお金を受け取ったことを証明する書類で、請求されたら発行の義務があります。5万円を超えた領収書を紙で発行する際は収入印紙が必要となり、場合によっては再発行や修正が難しいです。
現在、リモートワークや電子帳簿保存法の改正の影響で、請求書や領収書を電子化する動きが加速しています。
メリットとしては簡単に検索できる点や修正のしやすさなどの業務効率化があげられます。また、保存スペースや印刷・郵送のコストがかからないというコスト削減の効果が期待できるのもメリットです。
反対にデメリットもあります。紙の書類の方が、視認性が高いという点や電子データの取り扱いが苦手な取引先があるという点です。
しかし、政府が書類の電子化を進めていることや、電子帳簿保存法の要件が緩和されていることもあり、今後は電子請求書や電子化された領収書が主流となっていくことでしょう。企業においては自社よりも先に取引先が電子化を進める可能性もあり、対処できるよう早めに準備することをおすすめします。
NTTコミュニケーションズが提供するBConnectionデジタルトレードは請求書業務の電子化を支援するサービスです。お使いの会計・経理システムとのデータ連携ができるほかに、承認フローの設定も可能です。クラウドのプラットフォーム上でサービスを提供しているため、インターネット環境があればどなたでも簡単に使いはじめることができます。請求書の電子化に興味をお持ちの方は、この機会にぜひご検討ください。