経費精算とは?立て替えからフロー、楽にする方法までわかりやすく解説
公開日:2023/7/12
日常業務の中で、経費精算を行う場面は少なくありません。従業員がお金を立て替え、会社に請求する従来通りの方法は手間やコストがかかるため負担に感じている人もいるでしょう。
本記事では、経費精算のフローや課題点、改善方法を解説します。
そもそも経費精算とは何か
事業形態や部門によっては、経費精算が頻繁に発生します。経費精算を負担に感じている従業員も少なくありません。ここでは、経費精算にまつわる用語をみていきましょう。
経費精算の意味
日常業務の中で駐車場代や出張費など業務上必要な金銭の支払いが発生した場合、従業員は会社の代わりに立て替えて支払います。後日、立て替え分を会社に請求し、会社が従業員に支払います。この一連の流れが経費精算です。
従業員が立て替え分を会社に請求するためには、領収書をもらわなければなりません。
経費と費用の違い
経費と費用は言葉が似ているため、同じ意味として用いている人もいるでしょう。厳密にはこの2つの言葉が意味するものは異なります。それぞれの違いは次のとおりです。
・費用:会社の運営上支払う全ての金銭
・経費:収益を得るために使用した費用
経費は費用に含まれます。経費は税金計算時に売上から差し引くことができますが、費用の中には差し引くことができないものがある点に注意しましょう。
経費に含まれない費用の例は次のとおりです。
・社会保険料
・所得税
・住民税
経費となる項目例
経費計上可能な項目の中から、主なものをみていきましょう。
・旅費交通費:業務上使用する電車・バス代、タクシー代、駐車場代など
・消耗品費:文房具や伝票などの10万円未満の事務用品代や備品代など
・通信費:インターネット代、電話料金、切手・はがき代など
・交際費:社外会議費や取引先への冠婚葬祭費など
・広告宣伝費:事業の宣伝に使用する看板やパンフレット、試供品用の費用など
経費精算と申請フロー
経費精算についての一般的な流れについてみていきましょう。経費精算書の種類についても解説します。申請フローの細かな手順は会社により異なります。
経費精算と申請フロー
例として、営業が交通費としてタクシー代を立て替えた場合の流れは次のとおりです。
・営業マンがタクシー代を立て替える
・経費精算申請書を作成する
・申請書に上司に承認をもらい経理部に提出
・経理担当者は申請書の内容を確認・精査する
・経理担当者は営業マンにタクシー代を支払う
会社により、精算頻度は異なります。立て替えのたびに精算する場合もあれば、月に一度まとめて精算する場合もある点は把握しておきましょう。
経費精算書の3つの種類
経費精算書の主なものは次の3つです。頻繁に利用する精算書については、ひな型を作成している会社も少なくありません。
・仮払精算:出費額が多い場合などに使用。従業員が事前に仮払金を受け取り終了後に実費を精算する
・出張費精算:出張用の精算書。交通費や宿泊費などを精算する
・一般的な経費精算:取引先との会議代、文具購入費など上記以外の経費精算に用いる
知っておきたい立替金と仮払金の違い
ここでは、立替金と仮払金の違いについてみていきましょう。従業員の負担の度合い、費用の発生のタイミングなどはよく把握しておく必要があります。
立替金とは
立替金とは、会社が従業員の代わりに支払った金額を意味する言葉です。よく似ている立替経費とは次のような違いがある点を把握しておきましょう。
・立替金は、私的なお金の支払いも含む。支払う段階でのコストの大きさは不明であり、一時的な支払いの場合に使用する。
・立替経費は、従業員が会社の代わりに支払った費用を刺す言葉。交通費などが代表的。
立替金の場合は経費ではなく支出であるため、立替経費との意味の違いを把握しておきましょう。
仮払金とは
仮払金は、経費として使用する予定であることに加え、従業員に対して事前に受け渡す金額のことだといえます。例えば、旅費交通費で経費として予想される金額が2万円前後であったとしましょう。この場合に2万5000円を会社が従業員に渡しておくと仮払金として扱われます。
忘れてはならない立替請求書
本来、取引先が払うべき費用を自社の従業員が立て替えた場合に発行するのが、立替請求書です。忘れずに取引先に請求しましょう。立替請求書の精算フローや注意点についてみていきます。
長い間立替金が返済されない場合、貸付金への変更も考慮しなければなりません。その際、利息の計上を検討すべき点には注意が必要です。立替金が振り込まれたら、忘れずに消込を行わなければなりません。二重請求の防止につながります。
立替請求書の精算フロー
立替金が発生した場合の精算フローを見ていきましょう
・従業員が他社の費用を立て替える
・従業員は他社の費用を立て替えた旨の申請書を作成
・申請書に上司に承認をもらい経理部に提出
・経理担当者は申請書の内容を確認・精査する
・経理担当者は取引先に立替請求書を発行
・取引先から立替金を回収
・従業員に支払う
従業員への支払いや取引先からの回収のタイミングは、会社により前後します。
電子帳簿保存法との関係性
電子帳簿保存法では、経費精算の書類も電子保存しなければなりません。電子帳簿保存法に対応する場合には、どこからでも経費精算が行えるシステムやツールの導入を推奨します。
また、電子帳簿保存法に対応する場合は立替経費精算も一元管理できるようになるため、これまでよりも業務負担を軽減可能です。
従来の経費精算の課題
これまでの経費精算には、時間や手間がかかるため従業員の負担となるなどの課題点があります。課題解決を求める企業は少なくありません。具体的にどのような点が問題なのか、みていきましょう。
人件費を含むコストの増加
経費精算書が紙である場合、従業員は精算書提出のため、上司は承認のために会社に足を運ばなければなりません。「精算書がなければ出社しなくて済んだ」という場合は、無駄なコストがかかっているとも判断できます。
経費精算の数がかさむと経理担当者の仕事が増加します。場合によっては、経理担当者を1名専属として雇わなければなりません。加えて、用紙代・印刷代といったコストも増加します。
手作業による計算ミスと手間の増加
経費精算を手作業で行うと、計算ミスが発生する場合があります。従業員の計算ミスに経理が気付いた場合、経費精算書は差し戻され余計な手間がかかるといえるでしょう。
実際に手作業による計算はミスの原因だといえます。また、計算ミスに気づかず経理が事実と異なる金額を振り込んだ場合は、その後お金の回収や経費処理の追加といったさらなる手間がかかるため、注意が必要です。
営業担当であれば、経理業務の内容を知らないケースもあるのではないでしょうか。実際にどういうフローが必要なのかを理解することで業務上の課題を把握できるでしょう。経費精算も含む経理業務の詳細について知りたい場合はこちらの記事から。
経理の業務内容とは。企業規模での違いと課題の解決策までを解説
効率性・生産性の低下
営業をはじめとした従業員は、経費の立替が必要な仕事を増やせば増やすほど、経費精算の量が増加します。例えば、外回りがメインであれば、経費精算の機会は多いといえるでしょう。そのため、本来であれば売上アップに向けて費やせるはずの時間を精算書作成に費やさねばならず、効率性・生産性の低下につながるといえるでしょう。
普段オンラインで仕事をこなしている企業の場合、担当者や上司は経費精算のためだけに会社に出向かなければなりません。経費精算を小口現金で行っている場合は、経理担当者もそのためだけに出社しなければならず、非効率的です。
経費精算を簡単に行う3つの方法
従来の経費精算の課題をクリアし、簡単に行う3つの方法を解説します。従業員や経理の負担削減につながります。コストやミスの削減、効率化や生産性アップのために、自社に合ったものを選択しましょう。
社外に委託する
経費申請の確認や承認、支払処理まで社外に丸ごと委託することも可能です。主に次の三タイプがあります。
・常駐型:自社に社外スタッフを常駐させる
・訪問型:定期的に自社に訪問してもらう
・センター型:システムを導入したうえで、外注スタッフが別の場所で経理処理を行う
経費精算を全て委託可能です。ただし、業務全てを委託する場合は多くの費用がかかるため注意が必要です。費用の折り合いが難しい場合は外注したい業務を見極め、必要な箇所だけの委託も検討しましょう。
経費精算システムを導入する
経費精算システムを導入し経費精算をオンライン化すると、従来「経費精算のために出社」することで生じていたコストや手間を削減できます。
精算書の作成を自動化できるため、従業員の負担軽減につながります。加えて、承認者も出社することなく、手元のスマホやパソコンから承認することが可能になる点がメリットです。領収書の撮影機能と連携すると、入力ミス防止につながりミスによる手間やコストの発生を防げます。
経路検索ソフトと連携した経費精算システムを利用すると、過剰請求を簡単に防止できる点もメリットといえるでしょう。
中小企業なら法人カードを作成する
法人カードを作成し、経費精算に利用するという方法を検討してもよいでしょう。従業員がその都度金銭を立て替える負担が削減できます。また、経費精算を行う従業員が限られている場合も効果的です。
クレジットカード利用明細書に経費支払内容が記載されるため、いつどこで誰が何に経費を使ったのか一目で把握できます。従業員が経費申請を漏らす可能性がなくなる点もメリットです。
これまで、小口現金で経費精算していた場合は、カードの導入により小口現金処理が不要になります。小口現金処理にかかっていた手間やコストの削減につながります。
今後法人カードを使用する可能性がある場合や作りたい場合はこちらの記事を参考にしてみましょう。
法人カードには審査基準はあるのか?ポイントから注意点まで解説
まとめ
経費精算は毎日の業務に欠かせません。しかし、従来の手法では手間やコストがかかります。負担に感じている従業員や経理担当者は少なくありません。仮に、経費精算に時間を取られ過ぎている場合は、現状の課題を明確にし、できるところから取り組んでいくことが大切です。
経費精算システムであるビジネスd経費精算を導入すると、精算業務の自動化につながります。従業員の負担やコストの減少に役立つサービスです。従来の経費精算システムに負担を感じている場合、導入を検討してみましょう。
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