スマホ決済とは。種類から経費精算のポイントまで解説

スマホ決済とは。種類から経費精算のポイントまで解説

更新日:2023/12/5

普段の買い物の支払い方法として、「スマホ決済」を利用する人が増えています。現金やクレジットカードが手元になくても、スマホ一台あれば支払いができる大変便利なシステムです。プライベートにおいて、スマホ決済を利用した経験がある人は少なくありません。

会社の経費をスマホ決済で支払えたら便利だと考えている従業員もいるでしょう。

本記事では、スマホ決済の種類や、経費精算時にスマホ決済を会社に取り入れる方法について解説します。スマホ決済と経費精算の連動を考えている方は、参考にしてください。

そもそも決済とは

決済とは、商品やサービスの料金などの料金を支払うことを意味する言葉です。決済手段は、前払い・即時・後払いなどの種類があります。スマホの場合は、どの支払いでも決済が可能であるため、ニーズによって使い分けられる点がメリットだといえるでしょう。

例えば、企業としてキャッシュレスを導入する場合は、クレジットカード・プリベイトカードであれば簡単に導入することが可能です。QRコード払いでも対応できます。

似た言葉との違い

決済と似た言葉は次のようなものがあります。

決裁―上長が部下の申請・起案の可否を決定すること。承認、起案などの過程を伴う。稟議は複数人の決裁を経る際に使用する

スマホによる決済でも、交通費などは上長に申請するケースがあるため、違いを把握しておきましょう。ただし、 交通費や宿泊費をスマホ決済によって建て替えた場合は、業務に必要な支払いであることから、経費精算によって払い戻しがあると想定されます。

一般的な決済の流れ

一般的な決算の流れは以下のようになります。例えば、コンビニで食事を購入するとしましょう。

1.選んだ商品の代金が店舗側から提示される
2.支払い方法を選び料金を支払う
3.商品を引き渡される

即時払いであれば、後で代金を請求されることはありません。ただし、法人カードと連携しているスマホが存在している場合などであれば、プライベートと分ける必要がある点は把握しておきましょう。

何故スマホ決済に注目が集まっているのか

スマホ決済に注目が集まってる理由は次の3つです。

・働いている世代であるほとんどの人がスマホを保有している(スマホの保有率が高い)
・クレジットカードやプリペイドカードなど連携できる仕組みが確立した
・非接触型の支払い方法を簡単に実施できる
・キャッシュレスを前提とした支払い方法が国として推奨されている

法人カードやプリペイドカードとの連携がしやすく、企業としても誰が使用したのか簡単に把握できるため、注目を集めているといえます。とくに、電子帳簿保存法に対応する場合、レシートを集めて保存するよりは、スマホの機能で支払った方が保存が楽である点も注目を集めている理由の1つだといえます。

スマホ決済とは

スマホ決済は、スマホの機能を使用して支払いを行うことを意味します。スマホ 決済であれば、クレジットカードやプリペイドカードからの支払い、QRコードでの支払い、キャリア決済での支払いが可能です。

キャッシュレス決済として使用される場面も増加しており、支払いにおいてスマホ決済以外にもクレジットカードや電子マネーがあります。

それぞれの違いについて詳しくみていきましょう。

電子マネー(カード型)との違い

データ化した現金で決済できるのが、電子マネーです。ここでは、専用のカードを用いる電子マネーについてみていきましょう。

利用できる店舗が限定されている場合も多いのが特徴です。例えば次のものがあります。

・主に交通機関で利用:SuicaやPASMOなど
・主にスーパーやデパートなどで利用:nanacoやWAONなど
・広範囲で利用:Apple PayやiDなど

スマホ決済は、スマホの充電が切れた場合は利用できません。さらに、通信環境が不安定な状況下では、スムーズにアプリが立ち上がらない場合もあります。一方、電子マネーは専用カードがあれば充電や通信環境を気にせずに、スムーズに支払うことが可能です。

なお、電子マネーはカードタイプの他スマホ決済タイプのものがあります。こちらについては後述します。

クレジットカード払いとの違い

買い物時にカード一枚あれば支払いを行えるのが、クレジットカード払いです。クレジットカードの発行には審査が必要です。また、クレジットカードの発行には時間がかかるのがデメリットといえるでしょう。

スマホ決済には導入のための審査がありません。決済アプリをインストールの上、事前チャージやカードとの紐づけなどを行えばすぐに利用できる点がクレジットカード払いとは異なります。

クレジットカードを利用する際は、サインや暗証番号入力が必要です。スマホ決済の場合は、そのような手間がかかりません。

クレジットカードでは個人間送金はできません。スマホ決済の中には、個人間送金に対応したサービスを行っているものがあります。簡単に割り勘を行う場合などは、スマホ決済の方が使い勝手は良いといえるでしょう。

クレジットカード払いは後払いのみとなっていますが、スマホ決済には3種類の支払い方法があります。

法人向けクレジットカードについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
法人向けクレジットカードを経費精算に利用するメリットと注意点は?活用方法や選び方も解説

スマホ決済の種類

スマホ決済の支払い方法は次の3通りとなります。

・前払い:事前に必要額をチャージする。オートチャージ対応のものもある
・即時支払い:決済時に口座残高から利用額が引き落とされる
・後払い:登録済みのクレジットカードの利用代金と共に請求される

サービスにより利用できる支払い方法は異なる点には注意が必要です。 また、店舗側が該当するスマホ決済システムを導入していない場合は、利用できません。

スマホ決済には2種類あります。それぞれについてみていきましょう。

非接触型決済

スマホに搭載された無線通信の技術を使用した決済方法です。スマホ決済アプリに電子マネーやクレジットカード、デビットカードを登録します。

支払い時にスマホを専用端末にかざして利用します。

モバイルSuicaについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
モバイルSuicaとは?設定方法や使い方、注意点について解説

QRコード決済

QRコード決済の決済方法は次の2種類です。

スマホ画面にQRコードやバーコードを表示し、店側に読み取ってもらう
店側のQRコードなどをスマホで読み取り支払う

PayPayやLINE Pay、楽天ペイ、メルペイなどさまざまな種類があります。

スマホ決済のメリット

企業がスマホ決済を取り入れることで、さまざまなメリットを獲得することができます。具体的に、どのようなメリットがあるのかについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

従業員はスピーディーに支払いを済ませられる

1つ目は、スマホ決済を導入することで、従業員がスピーディーに支払いを済ませられるという点です。

スマホ決済は、手元にスマートフォンがあれば、決済を完了させることができます。財布からお金を取り出したり、カードケースからクレジットカードを出したりする必要がありません。これにより、ほかの決済方法よりも素早く支払いが完了させられるので、通勤や買い物の時間短縮につながるでしょう。

ポイント還元を受けられる

2つ目は、ポイント還元を受けられることです。

スマホ決済には、前述した通り非接触型IC決済やQRコード決済などがあります。基本的にどのような支払い方法を選択する場合でも決済サービスを利用するのが一般的です。例えば、Suicaを利用したり、楽天ペイを使ったりすることになります。利用するサービスによっても異なりますが、ポイントを貯められるものも少なくありません。例えば、Suica決済の場合はJRE POINTなどを貯めることが可能です。

このように、スマホ決済を利用すればポイント還元を受けられます。現金を使って決済をするよりも結果的にお値打ちになるので、その点が大きなメリットです。

支払い履歴を確認することができる

3つ目は、支払い履歴の確認ができるという点です。

スマホ決済を利用するとどこでいくらお金を支払ったのかが明確に記録されます。決済データが残っているため、経費申請やそのチェック業務を大幅に効率化させられるでしょう。会社規定によっては、スマホでの領収書やレシートの撮影も不要になるため、経費申請の利便性が大きく向上されます。

現金管理の手間を削減できる

4つ目は、現金管理にかかる手間の削減です。

企業の中には、立替をするために小口現金の管理をしなければならないところも多いのではないでしょうか。小口現金を管理していると業務が終了した後に、現金を数えなければならなかったり、小口現金出納帳へ記帳しなければならなかったりします。

一方、スマホ決済を導入することで、小口現金を管理する必要がなくなります。これにより、小口現金の管理によって発生する業務や手間を削減することができるので、その点も大きなメリットのひとつといえるでしょう。

経費精算システムと連携がしやすい

5つ目は、経費精算システムと連携させることができるという点です。

スマホ決済は経費精算システムとのリアルタイム連携が可能になります。これにより、支払いデータがリアルタイムに反映されたり、経費申請の際に必要な入力作業がなくなったりします。企業の中には、経費精算システムと連携して経理業務の効率を高めるために、スマホ決済を導入しているところも少なくありません。

スマホ決済のデメリット

このように、スマホ決済には数多くのメリットがありますが、逆にデメリットもいくつか存在します。それぞれのデメリットについて解説しますので、ぜひチェックしてみてください。

初期設定が必要

スマホ決済は初期設定が必要です。

実際に、利用するサービスによって初期設定内容が大きく変化します。例えば、経費精算システムと連携させるための設定やスマホにクレジットカードを登録する作業などが必要です。

スマホの充電が切れると利用できない

スマホ決済は、スマホで支払いをするため、充電が切れてしまうと利用することができません。また、スマホ決済サービスによっては通信環境が求められるケースもあります。通信環境が不安定なところでは、アプリをスムーズに立ち上げることができなかったり、決済することができなかったりするのでその点がデメリットです。

加盟店でないと使用できない

スマホ決済で支払うためには、お店側で決済サービスに対応している必要があります。また、それぞれのサービスの加盟店でないと利用できません。

例えば、電子決済サービスに対応していないお店では、スマホ決済で料金を支払うことはできません。また、それぞれのお店で加盟しているサービスは変化します。対応していないサービスである場合、そのサービスを使って支払いはできませんので、その点もデメリットです。

スマホ決済を採用する企業が運用にあたり気を付けたい3つのポイント

スマホ決済を導入するとポイントが付与されたり、支払日が変わったりします。下記に、スマホ決済を導入する企業が把握しておきたい注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ポイントは雑収入として扱う

1つ目の注意点は、会計処理の際にポイントは雑収入として扱うことです。

スマホ決済はポイント還元がメリットのひとつですが、このポイントを会計時に見落としてしまう可能性があります。ポイントは雑収入として会計処理をし、経理担当者は記帳漏れがないように注意しなければなりません。

支払日までに現金の準備が必要

2つ目の注意点は、支払日までに現金の準備をしなければならない点です。

スマホ決済は現金を使わず、指定日に一括で引き落とされることになります。現金管理からスマホ決済に移行する際、引き落とし日までにお金を準備することを忘れてしまう可能性もあるため、引き落とし日をしっかりと把握しておくことが重要です。

また、スマホ決済は後払いになるため、使いすぎてしまう可能性があります。そのため、必ず計画的に資金を管理するようにしましょう。

社内ルールを徹底する

3つ目は、社内ルールを徹底することです。

上記でも少し触れましたが、スマホ決済を導入すると現金で支払いをしなくなるため、使いすぎてしまう傾向があります。そのため、スマホ決済を導入する前に利用限度額を決めるなど社内ルールを徹底することが重要です。

経費精算とスマホ決済のポイント

スマホ決済と経費精算を連動させると手間やコストが削減できます。例えば、従業員がスマホ決済を行うと同時に、経費精算システムに情報が入るようにしておけば、経費申請の手間が省けます。紙ベースでの領収書が不要になる点もメリットです。

経費精算とスマホ決済のポイントをみていきましょう。

経費精算のキャッシュレス化について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
経費精算のキャッシュレス化|メリットや方法をご解説

誰もが把握しやすいシステムを使用する

スマホ決済で支払った経費の精算を、スマホアプリ上で行えるとスムーズです。その際、できるだけ直感的に使えるシステムを導入すると、従業員の負担減少につながります。

個人用・業務用のスマホを分ける

1つのアプリによる支払いの中に個人用支払いと業務用支払いが混在すると、経費精算をスムーズに行えません。業務用のスマホを配布しプライベート決済と使い分けると、スムーズな経費精算につながります。

業務上の負担を検討する

経費精算にスマホ決済を導入する際は、従業員の負担が軽減する方法を採用しましょう。例えば、従業員がスマホ決済で支払ったのに、経理が小口現金でお金を返すと受け取った従業員は負担に感じます。この場合は、経理が従業員に支払う際もキャッシュレスとなるよう検討しましょう。

アプリやソフトの使用方法が難しいものを導入した場合も、負担が増加する場合があるため注意が必要です。判断が難しい場合は、本導入の前にテスト期間を設けるとよいでしょう。

スマホ決済を行うための2つの方法

経費精算にスマホ決済を導入することにより、従業員の負担が増加する事態は避けたい点です。スムーズに運用するために、スマホ決済を経費精算に導入する時には、次の2つに注目しましょう。

経費精算システムの導入を検討する

現在、経費精算を用紙申請で行っている場合は、スマホ決済との連携をスムーズに行うのは容易ではありません。しかし、自社で1から経費精算システムを作り上げると手間やコストがかかります。

このような場合は、スマホ決済に対応している経費精算システムの導入を検討しましょう。

経費精算システムの導入により、ペーパーレスやキャッシュレスにつながります。経費申請や承認をスマホアプリやパソコンから行えるため、出張中や在宅勤務中であっても経費精算が可能になります。

スマホ決済と連携させると、紙の時のような記入ミスや申請漏れが起こりません。そのため、従業員・経理担当者双方の負担軽減につながります。

経理業務の電子化について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
経理業務を電子化すべき理由やその課題とは?業務の電子化における4つの課題までご紹介!

会社として利用しやすいサービスを検討する

スマホ決済はさまざまな会社が運営しています。どのサービスを利用するか、従業員各自に任せてしまうと、必要な場所でサービスが利用できない場合があるため注意が必要です。

経理の方で、従業員が経費として利用する主な場所をピックアップし、できるだけ多くの場所で利用できるサービスの採用を検討しましょう。

例えば、多くの社員が電車やバスを利用している場合、モバイルSuicaの導入で利便性が向上します。

スマホ決済と経費精算システムを連携させる3つのメリット

スマホ決済と経費精算システムを連携させることで獲得できるメリットは下記の3つです。

従業員が直接入力して経費申請をする必要がない

1つ目は、経費申請時に従業員が直接入力する必要がなくなることです。

スマホ決済にすることで利用データを自動で読み込めるため、そのデータを直接経費精算システムで使用することができます。従業員が直接手で打ち込む必要がないので、申請作業の効率化が期待できるでしょう。

経費の承認作業を効率化させられる

2つ目は、経費の承認作業を効率化させられる点です。

スマホ決済と経費精算システムを連携させることで、支払いデータがリアルタイムで経費精算システムに反映されます。これにより、申請作業だけでなく、経理担当者のチェックや修正を大幅に効率化させられるので、その点も大きなメリットです。

経理の負担軽減

3つ目は、経理担当者の負担軽減です。

スマホ決済と経費精算システムが連携されることで、従業員は直接入力で経費を申請する必要がありません。これにより、経費申請のミスが減るため、経理担当者のチェック作業の負担が軽減されます。また、小口現金の管理が不要になるなど、経理業務の課題が解消されるので、結果的に経理の負担を大きく減らすことができるでしょう。

まとめ

現金やクレジットカードが手元になくても支払いができるため、スマホ決済は便利なシステムです。今後、ますます利用者は増加するでしょう。

スマホ決済を経費精算と連携させると、従業員や企業の利便性が向上しコスト削減にもつながります。

"ビジネスd経費精算は、プリペイドカード決済のデータを自動連携して経費の申請をすることができます。
経費精算の自動化、効率化のために導入を検討してみましょう。

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